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やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。②/渡航

※重要なお知らせ


突然ですが、9月いっぱいでこのブログをリニューアルしようかと考えています。というより、マイナーチェンジです。
というのも、私は現在大学三回生なのでこれからは本格的に就活が忙しくなりますし、残りわずかな大学生活を使って新人賞にもより一層力を入れなければならなくなります。さらにはバイトもありますし、現在は教習所にも通ってるので、更新率が著しく低下する可能性があるんですよね。最近あまり更新できていないのもそういった理由があってのことで、今後はそれが顕著になると思うので、この際ブログの方向性を見直そうかと考えました。

このブログが日記系のブログなら一週間に一度の更新率でもよかったのかもしれませんが、感想系のブログだと、更新率が低下すれば読書ペースに更新ペースが追いつけなくなってしまいます。今ですら一ヶ月前に読んだ本の感想を書いているありさまですし。
最初は閉鎖するつもりでいました。実はブログを始めるとき、更新が滞るようならすっぱりやめようと考えていたのです。ですが最近相互リンクしてくださった方もいますし、ブログが便利な情報発信ツールであることをこの一年半で学んだので、ひとまずブログの形を改めて、しばらく様子を見てみようかという結論に至ったしだいです。

少し言い訳がましくなってしまいましたが、どのみちこのままの状態でブログを続けられないのは事実です。私の拙い感想を楽しみにして訪問してくださっている方々には大変申し訳ないんですが、快く理解してもらえると嬉しいです。

で、どんな風なマイナーチェンジを考えてるかというと、総合的なジャンルを扱ったブログにしようかと模索中です。日々あった事柄に触れたり、本の感想を書いたり(今までみたいに読んだ本すべての感想を書くことはできませんが)。あとはゲームの感想や動画紹介、メモ代わりに雑多な思考を書き散らすといっただれも得しないようなことも書くかもしれません。総合的というより、ただ節操がないだけですね。
あくまで予定の段階なので、まだどうなるかはわかりませ。もしかしたら、ブログ自体続けることが困難だと判断して本当に閉鎖する可能性もあります。このように、楽しみにして待つようなことでもないので、「へー、そうなんだ」程度の意識で留めておいてください。

一応9月の間は今のままで更新を続けるつもりです。
あと何回更新できるかはわかりませんが、勘弁願います。






やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。2 (ガガガ文庫)やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。2 (ガガガ文庫)
渡 航 ぽんかん⑧

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「で、あなたのほうは?」
「悪い、犯人の手掛かりは摑めなかった」
「……そう」
 てっきり罵倒されるかと思ったが、雪ノ下は諦めたように吐息を漏らすだけだった。そして、とても憐れんだ感じの目で俺を見る。
「……誰も話を聞いてくれなかったのね」
「いやそうじゃねぇよ……」



――あらすじ――
美少女ふたりと部活をしても、ラブコメ展開にはちっともならない。携帯アドレス交換しても、メールの返事が返ってこない。とっても可愛いあのコは男子。個性という名の残念さをそれぞれ抱え、相変わらずリア充の欠片もない0点の学校生活を送る奉仕部の部員たち―冷血な完璧美少女・雪乃、見た目ビッチの天然少女・結衣、そして「ひねくれぼっち」では右に出るもののいない八幡。そんな青春の隔離病棟・奉仕部に初めて事件な依頼が飛び込んで―?八幡の妹・小町、新キャラも登場の第二弾。俺の青春のダメさが今、加速する―。


――感想――
おもしれー。前巻が自分の中ですごく好評価だった記憶はあるけど、ここまで面白かっただろうか。
それぞれのキャラがさらに磨かれていて、絶妙なテンポを生むポジションが確立されてきたという感じ。特に八幡のやさぐれ具合は「主人公してていいの?」と思わず疑問を浮かべてしまうほどラブコメ向きじゃなくて、それがまた新鮮だった。

とにかく八幡や雪乃のぼっち精神が際立っている。職場見学に主夫を目指してるがゆえ自宅と書いてみたり、奉仕部の二人が成績優秀なのは勉強以外にすることがないからという事実が発覚したりと、読んでいて申し訳なくなるこの気持ちはなんなのだろうか。
多彩なぼっちネタは面白くもあるけど、妙にリアリティを伴う説得力があって、不思議と納得してしまいました。

そこにやたら距離感の近い結衣が加わって、友達なのかどうかよくわからない関係を展開させながら、今日も奉仕部はなにもしない。と思ったら、初の事件依頼が奉仕部に舞い込み、しかもその依頼人は爽やかイケメンの葉山隼人。
彼の持ち込んだ事件は特別変わったところもなく、一つのクラスに一つはありそうなありふれた人間関係にまつわるものだった。それが奉仕部の関係性と対比的で、なかなか面白い見せ方だと思った。
今回の葉山は準レギュラー並みの活躍を見せてくれるのだけど、前巻で彼は後々化けると睨んでいただけに嬉しいアプローチだった。なんだかんだで彼は揺るがなさそうだけど、好きなキャラです。これからもどんどん出番を増やしてほしい。

今回は八幡の妹である小町と、クラスメイトの川崎の二人が新キャラとして登場する。小町は前巻でも軽く触れられていたけど、川崎に至っては完全に初顔出し。その割にはキャラの掘り下げ方が弱く、彼女がかかわる後半からのお話もどこか印象に残らない感じ。
ただ物語の方向性はだいぶ定まってきた風であった。はっきりと、はがないとは違う作品になってるね。

何気に最後の章はラブコメとしてすごいと思うのだが、どうだろう。二人の関係性の変化が緻密に描かれている。
 だから、いつまでも、優しい女の子は嫌いだ。

八幡のこの言葉はぐさっときたよ、ぐさっと。八幡がこの場面で真意を取り違えたのって、建前で優しく接せられる辛さを過去に経験してるからなんだよね。単なる鈍感とは違う、八幡自らの拒絶がすごくやるせなさを誘うというか。
まさかこんな展開になるとは。まったく油断していた。
思ったより早く恋愛面に進展があったけど、暗雲立ち込める幕引きでした。
二人が今後どうなるのかとてもとても気になる。



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やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。 (ガガガ文庫)
おまえをオタクにしてやるから、俺をリア充にしてくれ! (富士見ファンタジア文庫)
僕の妹は漢字が読める (HJ文庫)
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アヒルと鴨のコインロッカー/伊坂幸太郎

帰国


というわけで先日韓国から帰国しました。
外国に赴くのはこれで二度目。とはいえ一度目のグアムにしても今回の韓国にしても、ほとんど外国の空気は感じられませんでした。グアムは立派な観光地ですのでそこら中に日本語が書かれていますし、現地の人も日本語を喋ります。韓国に至っては文字が違うだけで、見える風景は日本のそれとなんら変わりありません。やっぱり、もっと西欧の方まで飛ぶべきなのかもしれませんね。

しかし些細なところで文化の違いは息づいていて、それは交通マナーであったり(観光客を乗せてるのにバスの運転が荒い上に、トラックと軽くぶつかって運転手どうしが喧嘩になった)、食べ物なんかは特に顕著だったかもしれません。驚いたのは、どこの料理店に行ってもお茶碗とお箸がまったく同じなんです。あれは決まりでもあるんだろうか? 統一させた方が流通させやすいからかな。

中でも一番カルチャーショックを受けたことといえば、国境にまつわることでしょうか。日本には国境という概念はないですからね。
韓国といえば南北朝鮮問題。いまだ戦争中の両国国境付近では常に緊迫した状態が続いています。
今回の旅行はほとんどが自由時間だったのですが、唯一全員行動の予定があって、それが国境38度線上にある板門店を訪ねることでした。
ただ残念ながら、三年に一度だけ米軍の訓練のため板門店に近づけない年があるらしく、運の悪いことに今回がその年だったため、板門店本体に入ることはできませんでした。それでも北朝鮮が奇襲のために地下に作ったトンネル内部を見学できたり、展望台から北朝鮮の様子を眺められたのは貴重な体験になったかなと思います。目に見える範囲に別の国があるって、なんだかすごく不思議な感じでした。

ところで私のゼミには「ちょっとコンビニ行ってくる」ぐらいの軽いノリで外国にぽんぽん飛んでいっちゃう人が何人もいるんですが、現地の女の子を紹介されたときはさすがに焦りました。聞くところによると、半年ほど前にバーで小一時間話しただけの仲なんだとか。それでも相手は気にした様子もなくフレンドリーに接してくれましたし、ノーボーダーってこういうことなのかなと、意味のわからないことをふと考えてしまいました。
その子の案内で韓国を回ったりして、国際交流の楽しさを学べたのはよかったです。
ちなみに紹介してくれたそのゼミ生は、韓国から帰国した翌日にモンゴルに旅立ちました。その行動力には憧憬の念すら抱いてしまいます。

そんな感じで、三泊四日のゼミ旅行は終わりました。
こういう機会でもないと今後訪れていたかどうかはわからないですし、なにごとも経験ですから、そういう意味では行けてよかったのかなと思います。
韓国は大阪からだと二時間もかからず、北海道よりも近い場所にあります。言ってしまえば、週末に飛び立って週明けに帰ってこれるぐらいの気軽な距離にあるということです。物価も安いですし、主要な都市に行けば言葉に不自由することもありません。「外国はちょっと……」と尻込んでいる方も、ものの試しで訪れてみてはどうでしょうか。


<拍手コメ返信>
遅くなりましたが、コメ返させてもらいます。

>Medeskiさん
コメントありがとうございます。
日本男児の意地を刻もうと思ったんですけど、タクシーの運ちゃんはカーレースしだすは、バスの運ちゃんは喧嘩しだすはでなんか韓国怖かったんで萎縮してしまいました。マジ怖い。

>リョータさん
コメントありがとうございます。
記事読んでいただき大変恐縮です!
ご指摘の通り終わクロと境ホラは未読ですね。境ホラは一応全巻所持していて、アニメも始まりますし読もうかと思ってるんですが、終わクロまで読む余裕はちょっとないかもしれません。せっかくおすすめしていただいたので可能なら読みたいのですが……。







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伊坂 幸太郎

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「生きるのを楽しむコツは二つだけ」河崎が軽快に言った。「クラクションを鳴らさないことと、細かいことを気にしないこと」
「滅茶苦茶だ」
「世の中は滅茶苦茶」河崎は心から嘆き悲しむかのようでもあった。「そうだろう?」



――あらすじ――
引っ越してきたアパートで出会ったのは、悪魔めいた印象の長身の青年。初対面だというのに、彼はいきなり「一緒に本屋を襲わないか」と持ちかけてきた。彼の標的は―たった一冊の広辞苑!?そんなおかしな話に乗る気などなかったのに、なぜか僕は決行の夜、モデルガンを手に書店の裏口に立ってしまったのだ!注目の気鋭が放つ清冽な傑作。第25回吉川英治文学新人賞受賞作。


――感想――
伊坂作品は『砂漠』に続き、これで二作目。
この人の書く物語は本当に面白いです。肌に合うと言うんだろうか。一ページ一ページが、一文字一文字すらも私にとって無駄には思えなくて、読者としても小説家志望の立場としても好きになれる作風なんだな。
彼の作品からもっと色んなことを吸収したい。生活の指針にできるぐらいに。

引っ越してきたアパートで出逢った男性にいきなり書店強盗に誘われ、しかも標的はたった一冊の広辞苑。真意の見えない思惑に主人公さながら物語の顛末が気になり、「なにが始まるんです?」といった具合に初っぱなからページが進む進む。
こういう出だしは大好物です。突拍子もなく、一見無意味に思える行為に主人公が巻き込まれるという構図。謎が人の心をつかむんです。

ただ、書店強盗をもっと引っぱってくれるのかと思っていただけに、中盤に差しかかったあたりで呆気なく流されたのが残念だった。
けれど真の物語はそのあと。河崎が書店強盗を企んだ本当の理由とは? 椎名の知らない二年前の出来事とは? 現在と二年前の物語を交互に描くことで、徐々に全貌をつまびらかにしていく手法は憎いぐらい効果的な演出となっていた。

過去と現在を対比させて時間の流れを感じさせる演出は卑怯だ。今はいない人物の皮を剥いで自分に貼りつけるみたいに、その人の面影を背負って生きていくというのはなんとも切ない。河崎や麗子さんの一言、一挙手一投足に二年前から引きずっているもの、二年前から変わったものが映し出されて、至るところで胸を貫かれた。

この作品の一番のファインプレーは椎名を登場させたことだと思う。役柄の配置がこれでもかというぐらい絶妙。たとえ椎名の一人称で物語が進むとしても、椎名は絶対に主人公にはなれないんだよね。あくまで巻き込まれた部外者。
動物園で河崎と交わされた最後のやり取り、鳥葬のくだりは、本当に喉が詰まるかのようだった。

そして物語の収束する場所。
無意味で無価値だけど、二年前の何気ない一言いまだに覚えていて、こんな形で達成するなんて、どれだけ泣かせてくれるんだ。ブータン人は因果応報を信じている。いい行いも悪い行いも、絶対に来世に返ってくるのだと。だからこそ、その理に反するように、
「神様を閉じ込めに行かないか?」

大仰で、大袈裟で、でもたったそれだけのことを真摯に。
この物語を読み終えた人は、きっとだれもがこう想いを馳せるに違いない。
 ボブ・ディランはまだ鳴っているんだろうか?

と。


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脱兎リベンンジ/秀章

僕が幸せだったころ……


DSC_0066a.jpg

こんなものが届きましたよー。
『“文学少女”』&『ヒカル』記念キャンペーンでもらえる小冊子です。応募者全員だから正直なところ簡素なものだと思っていたんですが、思った以上に凝った作りになっていました。ページ数も10ページぐらいかと思えばその2倍を超える28ページ。装丁も綺麗で、表紙の肌触りがすごくいいんです。

内容は、幽霊になっちゃった心葉くんがヒカルと是光に出逢うというクロスオーバーもの。予想してたことだけど、やっぱりこの二つの物語って同一世界の出来事なんだね。心葉くんの学校と是光たちの学校が三駅分の距離っって、意外と近い。
久しぶりの遠子先輩も可愛くて、最後のオチなんて甘すぎて頬がとろけるかと思いました。

幸せをありがとー。ヒカルシリーズの2巻も楽しみです。






脱兎リベンジ (ガガガ文庫)脱兎リベンジ (ガガガ文庫)
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「自分が正しいと思うなら屈するな。立ち向かえ。見下されたなら見下してやれ。足蹴にされたなら足蹴にしてやれ。自分を認めない世界への復讐心を焚きつけて、世界なんてねじ伏せろ!」



――あらすじ――
「宇宙人」と揶揄され、友達もいない内気な高校生・兎田晃吉。軽音楽部に所属する彼の唯一の趣味はギター。文化祭を控えるも、彼にはバンドを組む仲間もなく、イケメン部長・志鷹の嫌がらせで練習場所もない。そんな兎田と偶然出会い、事情と実力を知った漫研の部長・兎毛成結奈は、彼にリベンジを達成させるため、なにやら妙な友達を集め始めるのだが……。軽音部の笑われ者と、漫研の実力者、ふたりの残念な出会いが新しい才能を開花させる! クソッタレな世界をねじ伏せろ!! 第5回小学館ライトノベル大賞・ガガガ賞受賞作!!


――感想――
ガガガ受賞作ラッシュのラスト! 第5回小学館ライトノベル大賞『ガガガ賞』受賞作!

これはすごく面白い! 大取に相応しい素晴らしい出来でした!
リズム、テンポ、疾走感と爽快感、下克上のうちに潜ませる青春の情熱、そのどれもが感嘆するレベル仕上がっている。先へ先へと読み進ませる技術と才能には羨望と嫉妬すら感じてしまった。

恵まれた容姿でもなく、性格も陰気で、あまつさえプライドすら持ち合わせていない兎田晃吉。クラスメイトに嘲笑されても自分はそういう人間だから仕方ないと、理不尽を受け入れてしまう彼の姿がとにかく情けない。唯一、ギターにだけはだれにも負けない情熱を傾けているけど、兎田とは対照的なイケメンかつ人気者の軽音部長の志鷹に練習場所を奪われ途方に暮れる毎日を送っている。

そんな彼が偶然漫研部長の兎毛成と出逢い、彼女と彼女の友人たちに感化され少しずつ自信と勇気を培っていく様子に心の底から胸を熱くさせられた。
性同一性障害を抱える巨漢のお菊、過去の冤罪から犯罪者扱いされる金シュロ、茶道の家元の跡継ぎとしてわずかな期間だけ自由を許された学園アイドルの乃ノ香、そしてプロの漫画家を目指す兎毛成。
才能があるのに世間から見放され不遇な扱いを受けながらも、立ち向かうことをやめない彼ら。その不滅の反骨心に兎田もまた心をを動かされ、今まで仕方ないと受け入れてきたものを跳ね返すかのように、
「……僕のほうが、絶対に、上手いんです」

と涙を流して本心を吐露した場面はなかなか忘れられそうにない名シーンだった。

正当な評価を得られず埋もれていくだけだった才人たちの、名誉と正義の復讐劇。復讐の舞台は、最優秀バンドに選ばれた者のみが立てる後夜祭ステージを賭けた文化祭。名誉挽回、いや、名誉奪還のための涙と苦悩と情熱のすべてが心に響いた。
最後には決して完全に報われたわけではない。でも確かな形で評価された彼らの姿はもう腐っていたときとは違う、崇高な輝きを放っていた。

本当に面白かった。
わずかな謎が残っているような気がするので、続きがあるならぜひ読みたい。


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寄生彼女サナ (ガガガ文庫)
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テルミー 2 きみをおもうきもち (集英社スーパーダッシュ文庫)
九十九の空傘 (ガガガ文庫)
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嘘月/杉山幌

嫁に捧ぐ愛の四コマ


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先日『中国嫁日記』を読みましたー。絵描きの井上純弌さんが運営しているブログ『中国嫁日記』で連載されている四コマ漫画の書籍版ですね。
これは20代の美人中国人女性「月(ゆえ)」との結婚生活を描いた漫画で、すべて実話に基づいています。のろけ話もいくつかあるんですけど、日常生活の中で文化の違いに戸惑う二人や、彼らを取り巻く他の中国嫁たちの印象的なエピソードをコミカルかつハートフルに描いていて、とても心が和みます。
表情豊かで感情の起伏が激しい月が可愛いですね。中国人の文化についても色々知れて驚くことも多かったり。中国人は礼儀正しいと聞きますが、やっぱり異性の好みは内面重視なんですかね。ジャニーズのようなイケメンはお気に召さないのだとか。

結構話題を呼んでるみたいで、今度月がラジオに出ることになったとか。どんだけ有名なんだ。
なにはともあれ、末永く爆発してください。






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「運動不足なやつめ。体育をサボるからこうなるんだよ。お前が体育をサボるのって、はい二人一組になってー、が嫌なんだろ? お前友達いないから」
「――っ!」
 瀬谷が体を起こし、手を振りかざしておれを引っぱたこうとする。
 おれはその手を、摑んだ。
「だから、おれと友達になろうぜ」



――あらすじ――
生徒の「能力」の研究・開発を目的とする高校・織乃学園。中でも数人しか居ないSランク特待生である猫目の美少女・瀬谷伊音は、何の能力も持たない「おれ」こと佐々木理久を妙に敵視している。理由は理久がみんなに吐いている、ある『嘘』…。そんな中、「異常者の集まる織乃学園に罰を」という血文字の落書きが出現して―!?『嘘』が分かる彼女と、みんなを『騙』しているおれ―ふたりの微妙な関係は、学園に潜む悪意に呑み込まれていく。


――感想――
BOX-AiRで1話読んだときは「そこまでかなー?」という感想だったけど、単行本で一冊読み終えてみるとこれが意外にも面白かった。良質なライトミステリー。

オムニバス形式だけど、個々の物語でも十分に楽しめるようになっている。
能力者の集う学園で起こる事件を、無能力だが探偵したがりの主人公理久が解決するというのが基本的な形。謎に異能力が絡んでくるというのが面白い。
超自然的な力を利用した謎解きというのは、ミステリーを成立させるという意味で一見難しそうだけど、この作品はその難点を巧みにカバーしている。むしろ能力が存在するからこそ面白くなるような技巧が凝らされているところがすごい。
短い話の中でよくまとめられてるなと思った。

キャラもよく立っているし、かけ合いもよし。仮初めの友達から始めた瀬谷が少しずつ理久に心を許していく様子を、さりげない描写でそれとわかるように示してるところにくすぐられるものがある。鈍感を装って瀬谷の希望に応える理久もグッド。
瀬谷の嘘がわかるという能力も一枚噛んでいて、外箱記載の「青春探偵譚」とはまさにこのことだなと。青春といえば恋と謎です!
釣り目で、本編でもよく猫にたとえられる瀬谷だけど、瀬谷の抱える能力の秘密なんかまさに猫っぽくて、あーもうどんだけニヤニヤさせてくれるんだろうね。この二人好きだなあ。

お気に入りのお話は『ホワイダニット』。事件にかかわる人物がみんな可愛い。木口を除いて、だけど。
今まで友達がいなかったせいでクラスメイトとの距離感に悩んで、理久に対しても貸し借りを気にしちゃう瀬谷の不器用さが堪りませんな。それになんか犬っぽいボクっ子レオタード娘が出てくるし。自ら悪役を演じて事件を解決する理久もお人好しだなあ。彼の場合は抑えきれない探偵脳のせいだろうけど。

一つ気になったのは、異能力があまりに自然に存在していることかな。異能力に対して物語の世界が無関心すぎる印象を受けた。能力者と無能力者の差別的なテーマも扱っていたが、「ないと困る設定」であっても、「なくてはならない設定」というわけではなかったような……。わずかに蛇足に感じられた。
もう少し掘り下げてくれるとまた印象が変わったかもしれない。
そう意味でも続刊希望です!


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ギリシア神話を知っていますか&私のギリシャ神話/阿刀田高

ポメラ




先日『ポメラ』を購入しました。
ツイッター上で作家志望者たちの間で話題に上がっていたのでついほしくなっちゃいまして……。もともとノートパソコンよりお手軽に携帯できるワープロを求めていたし、価格も二万円に満たないということだったので購入を決心しました。
実際に使ってみると、噂通りの性能のよさ。画面も大きくキーボードも幅広なので、慣れればPCに打つのと変わらない感覚で打鍵できるようになります。それになにより、文章を作成するという点において特化された機能が便利便利。PCとの互換性も高いですし、もっと潜在能力を引き出せば値段に見合った活躍が期待できそうです。

これで教習の待ち時間、電車に移動中、大学での講義の合間に気軽に執筆できるようになったのはとても嬉しいです。俄然やる気がわいてきました。






ギリシア神話を知っていますか (新潮文庫)ギリシア神話を知っていますか (新潮文庫)
阿刀田 高

新潮社 1984-02
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――あらすじ――
聖書と並ぶ古典中の古典、ギリシア神話は、世界の思想、芸術、文芸に多大の影響を及ぼしている。本書では、多彩豊富な物語の膨大な枝葉を巧みに整理し、著名なエピソードを取りあげてわかりやすく解説する。エロス、オイディプス、パンドラ、アンドロメダ……神話中のヒーローとヒロインの運命を、作家的想像力で興味深く語ったこの一冊で、あなたはもう“ギリシア神話通”。


私のギリシャ神話 (集英社文庫)私のギリシャ神話 (集英社文庫)
阿刀田 高

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――あらすじ――
世界の至る所に浸透し、痕跡を残しているギリシャ神話。とくに西洋の文化や芸術を味わうとき、ギリシャ神話を知っていると、10倍は楽しい!数多くの神々や英雄が活躍する広大な神話の世界を、ゼウス、ヘラクレス、アプロディテ(ヴィーナス)など、馴染み深い神々のエピソードを中心に、巧みに水先案内。満載の“挿し絵”は、世界の名画!エッセイとアートで楽しむ、おもいきり贅沢なカラー文庫。


――感想――
見ての通り、今回は二冊まとめて感想を書かせてもらいます。

作家界ではもう大御所である阿刀田先生。その著作を読ませてもらうのは初めてでしたが、いやほんとに面白いのなんのって二冊とも評判の高さも納得の出来映えだった。
ギリシア神話にかんする知識をとにかく初心者にわかるように工夫を凝らし、一冊の書物となしている。学術書や専門書で扱われるような内容を小説のような語り口で説明してくれるので、そうめんをするするすするようにすんなりと理解することができた。
入門書として、これ以上妥当な本はないのではないだろうか。

ゼウス、オリンポス十二神、トロイア戦争、ヘラクレス、パンドラ……。
個別の単語ならある程度知っている人はいるだろうけど、そこから一歩踏み込むと途端にわからなくなるのがギリシア神話ではないだろうか。私もそうだった。
けれどギリシア文化というのは、思った以上に私たちの生活に深くかかわってきているという事実がある。
「マラソン選手がアキレス腱を切り、モルヒネで激痛を抑えたが、ついにオリンピックへの出場は断念した」

たとえばこの一文。この一文に出てくる四つのカタカナはすべて古代ギリシャに起源を持っている。ギリシア神話に端を発し、今もなお私たちの周りで形を変え生き残っている文化が意外に多くあることに、私はまず驚いた。

でもなによりも、神話に登場する名だたるヒーロー&ヒロインたちの劇的な恋愛模様に創作脳を刺激されずにはいられない。
ギリシア神話の神さまというのは姿形も見えない概念のような崇高な存在ではなく、とにかく人間くさい。恋もするし嫉妬もするし、わがままだって好き放題。好色家で有名な主神ゼウスは、見初めたらすぐに神と人間見境なく事に及ぼうとする女好きで、その度に嫉妬に狂う正妻ヘラの様子も、まるで人間の夫婦のようではないか。
神と人間の、二つの存在の間で繰り広げられる激しくも美しい愛憎劇こそがギリシア神話最大の魅力なのではないかと思う。後世何世紀にもわたって文学の題材とされてきたのも納得である。

その点にかんしても阿刀田先生の切り口は絶妙で、学問的な解釈に固執せず、そこはさすが小説家、自身の想像力を駆使した独特な見解を巧みに語るところが実に愉快。
そもそもギリシア神話というのは人の創作物なだけあって、解釈が多義にわたるエピソードがたくさんある。もともとは民話だったものが派生してギリシア神話にくっついたり(ヘラクレスの十二の試練など)、これが絶対というエピソードはほとんどないに等しいのではないだろうか。
しかしだからこそ、想像する甲斐があるのではないだろうか。たとえばゼウスが神、人を問わず多くの子をなすほどの好色家だったという人格づけは、当時のギリシア人の自分が神の子であったらという願いの表れでもあったとされている。トロイア戦争は、増えすぎた人間を減らすための神の仕向けた結果ともされている。
改めて内容を整理してみると、個々の物語が時系列的にまたは因果的に繋がっているという事実が誠に面白い。ギリシャ人の想像力、芸術性、そしてストーリーテラーとしての豊穣な才能には驚かされてばかりだ。

さて、二冊まとめて感想を書いてきましたが、せっかくなので二冊の共通点と違いを簡単に紹介しておこうかと。
この二冊は刊行した時期に大きな差があるため、神話の解釈も時流とともに少しだけ変化した部分も見受けられるけど、ほとんど大差ないと言えるでしょう。

共通点としては、有名なエピソードを一話ずつピックアップして進むという形をとっています。有名と言っても、マニアックな知識や雑学を随所で交えてくるので、内容量以上に満足できるのではないかと。他の専門書にあるよな世界の創世から順に流れを追う手法より格段にわかりやすく、そしてなにより読みものとして充分に楽しむことができます。
取り扱っているエピソードにかんしては、被っているものもあればどちらか一方にしかないものもあるので、そこは自分の目で見極めてください。

違いは、『私のギリシャ神話』には豪華な世界の名画がカラーで掲載されているということでしょう。これは本当に贅沢だと思いました。読んでみた感じでは、『ギリシア神話を知っていますか』の方が若干詳しかったように思いますが、視覚でも楽しみたい方は『私のギリシア神話』をおすすめします。

阿刀田先生の古典シリーズはこれからもどんどん読んでいきたい。


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つかボン

Author:つかボン
前ブログ『BOOKDAYs!』の元管理人。
入間人間先生をこよなく愛し、自らも作家を目指す小説家志望だが、その実態は堕落人生まっしぐらのダメ学生。
しかし落ちるところまで落ちればあとは昇るだけ、それは可能性の獣。

同人誌『Spica-スピカ-』のメンバーとして活動もしています。
コメントなどはお気軽に。
どうぞよろしくお願いします。

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