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やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。②/渡航

※重要なお知らせ


突然ですが、9月いっぱいでこのブログをリニューアルしようかと考えています。というより、マイナーチェンジです。
というのも、私は現在大学三回生なのでこれからは本格的に就活が忙しくなりますし、残りわずかな大学生活を使って新人賞にもより一層力を入れなければならなくなります。さらにはバイトもありますし、現在は教習所にも通ってるので、更新率が著しく低下する可能性があるんですよね。最近あまり更新できていないのもそういった理由があってのことで、今後はそれが顕著になると思うので、この際ブログの方向性を見直そうかと考えました。

このブログが日記系のブログなら一週間に一度の更新率でもよかったのかもしれませんが、感想系のブログだと、更新率が低下すれば読書ペースに更新ペースが追いつけなくなってしまいます。今ですら一ヶ月前に読んだ本の感想を書いているありさまですし。
最初は閉鎖するつもりでいました。実はブログを始めるとき、更新が滞るようならすっぱりやめようと考えていたのです。ですが最近相互リンクしてくださった方もいますし、ブログが便利な情報発信ツールであることをこの一年半で学んだので、ひとまずブログの形を改めて、しばらく様子を見てみようかという結論に至ったしだいです。

少し言い訳がましくなってしまいましたが、どのみちこのままの状態でブログを続けられないのは事実です。私の拙い感想を楽しみにして訪問してくださっている方々には大変申し訳ないんですが、快く理解してもらえると嬉しいです。

で、どんな風なマイナーチェンジを考えてるかというと、総合的なジャンルを扱ったブログにしようかと模索中です。日々あった事柄に触れたり、本の感想を書いたり(今までみたいに読んだ本すべての感想を書くことはできませんが)。あとはゲームの感想や動画紹介、メモ代わりに雑多な思考を書き散らすといっただれも得しないようなことも書くかもしれません。総合的というより、ただ節操がないだけですね。
あくまで予定の段階なので、まだどうなるかはわかりませ。もしかしたら、ブログ自体続けることが困難だと判断して本当に閉鎖する可能性もあります。このように、楽しみにして待つようなことでもないので、「へー、そうなんだ」程度の意識で留めておいてください。

一応9月の間は今のままで更新を続けるつもりです。
あと何回更新できるかはわかりませんが、勘弁願います。






やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。2 (ガガガ文庫)やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。2 (ガガガ文庫)
渡 航 ぽんかん⑧

小学館 2011-07-20
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「で、あなたのほうは?」
「悪い、犯人の手掛かりは摑めなかった」
「……そう」
 てっきり罵倒されるかと思ったが、雪ノ下は諦めたように吐息を漏らすだけだった。そして、とても憐れんだ感じの目で俺を見る。
「……誰も話を聞いてくれなかったのね」
「いやそうじゃねぇよ……」



――あらすじ――
美少女ふたりと部活をしても、ラブコメ展開にはちっともならない。携帯アドレス交換しても、メールの返事が返ってこない。とっても可愛いあのコは男子。個性という名の残念さをそれぞれ抱え、相変わらずリア充の欠片もない0点の学校生活を送る奉仕部の部員たち―冷血な完璧美少女・雪乃、見た目ビッチの天然少女・結衣、そして「ひねくれぼっち」では右に出るもののいない八幡。そんな青春の隔離病棟・奉仕部に初めて事件な依頼が飛び込んで―?八幡の妹・小町、新キャラも登場の第二弾。俺の青春のダメさが今、加速する―。


――感想――
おもしれー。前巻が自分の中ですごく好評価だった記憶はあるけど、ここまで面白かっただろうか。
それぞれのキャラがさらに磨かれていて、絶妙なテンポを生むポジションが確立されてきたという感じ。特に八幡のやさぐれ具合は「主人公してていいの?」と思わず疑問を浮かべてしまうほどラブコメ向きじゃなくて、それがまた新鮮だった。

とにかく八幡や雪乃のぼっち精神が際立っている。職場見学に主夫を目指してるがゆえ自宅と書いてみたり、奉仕部の二人が成績優秀なのは勉強以外にすることがないからという事実が発覚したりと、読んでいて申し訳なくなるこの気持ちはなんなのだろうか。
多彩なぼっちネタは面白くもあるけど、妙にリアリティを伴う説得力があって、不思議と納得してしまいました。

そこにやたら距離感の近い結衣が加わって、友達なのかどうかよくわからない関係を展開させながら、今日も奉仕部はなにもしない。と思ったら、初の事件依頼が奉仕部に舞い込み、しかもその依頼人は爽やかイケメンの葉山隼人。
彼の持ち込んだ事件は特別変わったところもなく、一つのクラスに一つはありそうなありふれた人間関係にまつわるものだった。それが奉仕部の関係性と対比的で、なかなか面白い見せ方だと思った。
今回の葉山は準レギュラー並みの活躍を見せてくれるのだけど、前巻で彼は後々化けると睨んでいただけに嬉しいアプローチだった。なんだかんだで彼は揺るがなさそうだけど、好きなキャラです。これからもどんどん出番を増やしてほしい。

今回は八幡の妹である小町と、クラスメイトの川崎の二人が新キャラとして登場する。小町は前巻でも軽く触れられていたけど、川崎に至っては完全に初顔出し。その割にはキャラの掘り下げ方が弱く、彼女がかかわる後半からのお話もどこか印象に残らない感じ。
ただ物語の方向性はだいぶ定まってきた風であった。はっきりと、はがないとは違う作品になってるね。

何気に最後の章はラブコメとしてすごいと思うのだが、どうだろう。二人の関係性の変化が緻密に描かれている。
 だから、いつまでも、優しい女の子は嫌いだ。

八幡のこの言葉はぐさっときたよ、ぐさっと。八幡がこの場面で真意を取り違えたのって、建前で優しく接せられる辛さを過去に経験してるからなんだよね。単なる鈍感とは違う、八幡自らの拒絶がすごくやるせなさを誘うというか。
まさかこんな展開になるとは。まったく油断していた。
思ったより早く恋愛面に進展があったけど、暗雲立ち込める幕引きでした。
二人が今後どうなるのかとてもとても気になる。



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やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。 (ガガガ文庫)
おまえをオタクにしてやるから、俺をリア充にしてくれ! (富士見ファンタジア文庫)
僕の妹は漢字が読める (HJ文庫)
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脱兎リベンンジ/秀章

僕が幸せだったころ……


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こんなものが届きましたよー。
『“文学少女”』&『ヒカル』記念キャンペーンでもらえる小冊子です。応募者全員だから正直なところ簡素なものだと思っていたんですが、思った以上に凝った作りになっていました。ページ数も10ページぐらいかと思えばその2倍を超える28ページ。装丁も綺麗で、表紙の肌触りがすごくいいんです。

内容は、幽霊になっちゃった心葉くんがヒカルと是光に出逢うというクロスオーバーもの。予想してたことだけど、やっぱりこの二つの物語って同一世界の出来事なんだね。心葉くんの学校と是光たちの学校が三駅分の距離っって、意外と近い。
久しぶりの遠子先輩も可愛くて、最後のオチなんて甘すぎて頬がとろけるかと思いました。

幸せをありがとー。ヒカルシリーズの2巻も楽しみです。






脱兎リベンジ (ガガガ文庫)脱兎リベンジ (ガガガ文庫)
秀章 ky

小学館 2011-07-20
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「自分が正しいと思うなら屈するな。立ち向かえ。見下されたなら見下してやれ。足蹴にされたなら足蹴にしてやれ。自分を認めない世界への復讐心を焚きつけて、世界なんてねじ伏せろ!」



――あらすじ――
「宇宙人」と揶揄され、友達もいない内気な高校生・兎田晃吉。軽音楽部に所属する彼の唯一の趣味はギター。文化祭を控えるも、彼にはバンドを組む仲間もなく、イケメン部長・志鷹の嫌がらせで練習場所もない。そんな兎田と偶然出会い、事情と実力を知った漫研の部長・兎毛成結奈は、彼にリベンジを達成させるため、なにやら妙な友達を集め始めるのだが……。軽音部の笑われ者と、漫研の実力者、ふたりの残念な出会いが新しい才能を開花させる! クソッタレな世界をねじ伏せろ!! 第5回小学館ライトノベル大賞・ガガガ賞受賞作!!


――感想――
ガガガ受賞作ラッシュのラスト! 第5回小学館ライトノベル大賞『ガガガ賞』受賞作!

これはすごく面白い! 大取に相応しい素晴らしい出来でした!
リズム、テンポ、疾走感と爽快感、下克上のうちに潜ませる青春の情熱、そのどれもが感嘆するレベル仕上がっている。先へ先へと読み進ませる技術と才能には羨望と嫉妬すら感じてしまった。

恵まれた容姿でもなく、性格も陰気で、あまつさえプライドすら持ち合わせていない兎田晃吉。クラスメイトに嘲笑されても自分はそういう人間だから仕方ないと、理不尽を受け入れてしまう彼の姿がとにかく情けない。唯一、ギターにだけはだれにも負けない情熱を傾けているけど、兎田とは対照的なイケメンかつ人気者の軽音部長の志鷹に練習場所を奪われ途方に暮れる毎日を送っている。

そんな彼が偶然漫研部長の兎毛成と出逢い、彼女と彼女の友人たちに感化され少しずつ自信と勇気を培っていく様子に心の底から胸を熱くさせられた。
性同一性障害を抱える巨漢のお菊、過去の冤罪から犯罪者扱いされる金シュロ、茶道の家元の跡継ぎとしてわずかな期間だけ自由を許された学園アイドルの乃ノ香、そしてプロの漫画家を目指す兎毛成。
才能があるのに世間から見放され不遇な扱いを受けながらも、立ち向かうことをやめない彼ら。その不滅の反骨心に兎田もまた心をを動かされ、今まで仕方ないと受け入れてきたものを跳ね返すかのように、
「……僕のほうが、絶対に、上手いんです」

と涙を流して本心を吐露した場面はなかなか忘れられそうにない名シーンだった。

正当な評価を得られず埋もれていくだけだった才人たちの、名誉と正義の復讐劇。復讐の舞台は、最優秀バンドに選ばれた者のみが立てる後夜祭ステージを賭けた文化祭。名誉挽回、いや、名誉奪還のための涙と苦悩と情熱のすべてが心に響いた。
最後には決して完全に報われたわけではない。でも確かな形で評価された彼らの姿はもう腐っていたときとは違う、崇高な輝きを放っていた。

本当に面白かった。
わずかな謎が残っているような気がするので、続きがあるならぜひ読みたい。


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寄生彼女サナ (ガガガ文庫)
やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。2 (ガガガ文庫)
テルミー 2 きみをおもうきもち (集英社スーパーダッシュ文庫)
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寄生彼女サナ/砂義出雲

沖縄旅行その3(ラスト)


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4日目は午前中ビーチで泳ぎ、午後からは海の側にあるカフェで昼食をとりました。そのときの写真です。
思いっ切り逆光になってるけど、店の正面に海が広がっています。

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そこで飲んだパパイヤバニラスムージー。独特の甘味が癖になる美味しさでした。

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備瀬のフクギ並木にある散歩ロードで撮った一枚。周りには防風林が並んでいます。
本来は水牛車に乗る予定だったんですが、思いのほかコースが短かったので小一時間ほど歩くことにしました。このとき気温はとても高かったのですが、防風林が日ざしを遮ってくれて快適でした。

DSC_0050a.jpg
古風な建物も。おそらく民家でしょうが、周囲の空間に馴染んでいて素敵でした。

DSCF0019a.jpg
夕方、ホテルに帰ると空が夕焼けに染まって綺麗だったので、庭をパノラマ写真でパシャリ。
お気に入りの一枚です。

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夜はホテル近くの小さな居酒屋に出かけました。そこでは1時間ごとに店員さんが三琴を使った演奏を披露してくれたのですが、最終的にはこんなありさま。みんな動いていたので画像が粗いですが、お客総出でとにかく歌うわ踊るわのどんちゃん騒ぎ。
とても楽しいひとときをすごせました。

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最後に、私たち家族が泊まっていたホテルのコテージです。ちなみに名前は『ホワイトロード in 長浜』。
とてもゆったりとくつろぐことができました。また来たい。


そんなわけで5日目の朝に飛行機で大阪に戻り、私たち家族の沖縄旅行は幕を閉じました。
家族旅行はさほど珍しいことではないですし、沖縄を訪れることも慣れたものなので、「初めての○○」みたいな感覚はなかったのですが、普段とは違う生活をできるというただそれだけのことでも楽しいものです。
個人的に沖縄は第二のふるさとだと思ってるので、地元に帰るつもりでいずれまた行けたらなと思います。人生で何度行けるか記録を作ってみてもいいかもしれません。






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砂義 出雲 瑠奈璃亜

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「世代を超えて、腸越えて! 腹から飛び出て宿主を守る!」
 少女は、すうと息を吸い込んでからにっこりと笑って言った。
「日本海烈頭条虫のパラシスタンス、サナだ! 突然だが、今日からお前の腹に寄生することになった。よろしくな!」



――あらすじ――
「今日からお前の腹に寄生することになった!よろしくな!」平凡な高校生の僕の腹から、突然全裸で飛び出してきた謎の美少女・サナ。その少女は寄生虫が進化した新しい生命体「パラシスタンス」で、僕から栄養をもらう代わりに、僕を守ってくれるらしい…。さらに、いつも一緒にいるために僕の「彼女」にもなってくれるって!?いや、可愛いんだけど、寄生虫の彼女なんて、ぶっちゃけありえないって。平穏を望んでいた僕の生活はとんでもないことに。第5回小学館ライトノベル大賞・優秀賞受賞作。キセイ系ラブコメ!?―。


――感想――
受賞作ラッシュの4作目!

ガガガだからニッチな作品かもと神経を尖らせながら読んだけど、心配むなしく(むしろ安心?)王道のラブコメものでした。そんな第5回小学館ライトノベル大賞『優秀賞』受賞作の規制……じゃなくて『寄生彼女サナ』、とても面白かったです。受賞が決まってからずっと楽しみにしていた作品でもあったから満足。

最近奇をてらわないラブコメを読むことが少なくなっていたので、たまには王道に還るのも悪くない。王道とはいえ、ネタ自体はとても新鮮、というかもはやイレギュラーのレベル。
「お腹の中から飛び出してきた女の子は超絶美少女!」
「だが寄生虫だ」

うむ、いいじゃないか。

「平穏と孤独を願う主人公の前に現れた日常崩壊の種」というよくあるメソッドだけど、学園ラブコメで収まるのかと思ったところでバトル展開に移ったのは驚いた。非現実的すぎて呆気にとられる場面が度々あったが、バトルを通したテーマへのつなげ方は上手いなと思った。
自分の存在価値を認めてもらおうと頑張って、でもそれが裏目に出てしまう辛さ。その障害を乗り越えて、パラシスタンスだとか関係なく心を通わせていく唐人とサナの二人にはしんみりとさせられるね。
一途だけど空回りしちゃうサナちゃん可愛いです。

個人的には櫂実さんの恭しさに心惹かれるが、しかし私は会長の成長に期待するぞ。
従妹は……まあなんだ、いいお嫁さんになってください。

話の展開と収束のお手軽さが少々鼻についたけど、テーマのスタートからゴールまでを一直線に突き進むストーリーラインはとっつきやすくてよかったと思う。
最近よく思うことは、難しい言葉や哲学をこねくり回すのではなく、常に読者の目線に立ったわかりやすい物語を書いた本が商品になり得るんだなってこと。近年の新人賞受賞作を読んでると、テーマの一貫性と明確性という点で共通している気がする。
うーむ、あらためて勉強させてもらった。


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赤鬼はもう泣かない/明坂つづり

51歳、恋をする。


娚の一生 1 (フラワーコミックスアルファ)娚の一生 1 (フラワーコミックスアルファ)
西 炯子

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最近読んだ漫画ですが、作者も含めて大好きになりました。
『このマンガを読め!2010』で第5位となった作品らしいのですが、そんなことはまったく知りませんでした。でもこんな傑作を知らなかったなんて恥ずかしいなあ。

とにかく男性キャラの描き方がエロイ。相手は51歳なのになんだよこのセクシーなおじさまは! 素敵すぎて惚れるかと思いました。
主人公は30代半ばの女性で、奇妙な出逢いを果たした二人が一つ屋根の下で奇妙な共同生活を始める、って話なんですが、一人は結婚適齢期を越え、もう一人は人生の折り返し。でも恋模様がとても若々しくて、そのギャップがねえ。かと思えば大人の事情もしっかり介入してくるから、その間で板挟みになってみたいなところがまたいい。

しかしなによりも私を痺れさせたのがこの一言、「“恋”なので仕方ありませんでした」
うぎゃー! 一度は言ってみてー!
たとえいくつになろうと、こんな恋ができる人間であれたらいいなあ。

シリーズは全3巻で、私はもう読み切っているのですが、これは本当に読めてよかった。
みなさんも、もし興味を持っていただければ幸いです。






赤鬼はもう泣かない (ガガガ文庫)赤鬼はもう泣かない (ガガガ文庫)
明坂 つづり 白身魚

小学館 2011-06-17
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 ここめはぼくの指をちゅーちゅーした。
 ぼくはここめにちゅーちゅーされた。



――あらすじ――
女子の二の腕をなめてしまったヘンタイ中学生(?)・西遺大豪は単身、地方の学校へと転校させられる。奇妙な担任やクラスメイトたちに囲まれながらも転校生活を慎重に送ろうとするのだが、いきなり隣の席の女生徒・喪庭ここめに指を吸われてしまってドキドキ。しかし村中の人々からは、なぜだか「垢嘗」という妖怪あつかいをうけてしまう大豪。対するここめは大豪の血を吸ったせいなのか、徐々に変化していくのだが…!?第5回小学館ライトノベル大賞、審査員特別賞受賞作。


――感想――
毎月新刊から目が離せないガガガ。受賞作ラッシュはまだ続くということで、今回は『審査員特別賞』受賞作。
審査員特別賞に惜しげもなく白身魚さんを起用しちゃうあたり、ガガガはやっぱり違うね。

冒頭一文目で「こやつ、できるな!」と思わず臨戦態勢を取らされてしまった。なかなか興味深い作品だった。
読み終わってみれば内容は期待してたほどではなかったけれど、とにかく文章が読みやすい。青臭くとも目に痛くなく、鼻につかない程度に軽い。シーンに合わせて雰囲気もコントロールできている。描写力も高く、ラノベ一人称のお手本のような文章だと思った。テンポを重視したお話を書く場合は参考になりそうだ。

主人公が性春(青春違うよ!)真っ盛りの中学生ということで、年相応のパトスをところどころで発揮してたりと、どこか某変態王子の匂いがした。いや、さすがにあそこまでではないけど。
序盤は主人公である大豪のそんな変態性を楽しんでいたが、へんぴな村にある転校先に訪れると、待っていたのは奇妙なクラスメイトたちと出会い頭に指を吸おうとする女の子で、いきなりすぎる展開に呆気にとられてしまった。
なぜか妖怪の名前で呼ばれるし、村人はなにかを隠してるみたいだしと、核心部分を上手い具合にはぐらかされてるのはなんだろう、大豪が作中で感じてる奇妙な食い違いを読者にも味わわせるためなのかな。だとしたら成功だね。印象的な出逢いから徐々に距離を縮めていくボーイ・ミーツ・ガールのお約束は守られてるものの、途中まで話の向かう先がとんと予想できなかったもんな。

置いてけぼりを食らってる感覚は些かわだかまったけど、平易な文章とクスッとくるギャグのおかげでうんざりさせられることはなかったのが少し驚き。これがこの作家の才能なんだろうな。
あと、キャラがいいね。ここめ可愛いよ、ここめ。大豪に文字を教わるシーンとかぐっときた。

このまま変態チックな青春学園ものが続くのかと思ったらところがどっこい、後半からは随分と意表を突いた流れに。麻枝さんの評価も帯の宣伝文句も間違いではないけど、誤解は生みそうだなと。しかしもう慣れたよ。だってこれガガガだもの。いやほんと、みんな騙されないでね。

ただ、どうにも物語運びに力不足を感じる。その証拠に、クライマックスに近づくにつれストーリーラインにやや綻びが見え始めた。「結局その設定必要だったの?」とか、「結局そのキャラ必要だったの?」みたいに、物語に奉仕しきれてない無駄が目立ってたんだよね。
でも一方で、物語に吸い込まれるような引力を感じたのも事実だし、なかなか評価が難しい作品だった。そういう意味で興味深い。
キャラも下手な新人賞より魅力的だし、文章も磨けば光りそう。ギャグも主食を彩る副菜としていい役割を果たしてるのだから、作家としての魅力はあると思う。

この作品が続くかは知らないけど、今後に期待という意味で注目しておこうかな。


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放課後あいどる (ガガガ文庫)
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キミとは致命的なズレがある/赤月カケヤ

四国というところ


知らない人も多いでしょうし、どうでもいいと思う人も多いでしょうけど、私は四国の愛媛県出身です。
みなさんは四国に『四国八十八ヶ所』を巡る『四国遍路』という習わしがあることをご存じでしょうか?
まあ、それはウィキやらなんやらで調べてもらうとして。
今日知ったことなんですけど、四国には八十八ヶ所とは別に『四国別格二十霊場』というものがあるそうで、最初私は、別格というぐらいだから八十八ヶ所の中で特に神聖な二十の霊場を指しているのだと勘違いしていたのですが、調べてみると弘法大師にゆかりのある番外霊場なのだそうで。
面白いのが、八十八と二十ということはつまり、足すと百八となり煩悩の数と一緒になるのです。
これは、百八の霊場を遍路することで煩悩を滅するためだと言われています。

四国は弘法大師の伝説が数多く残る伝奇的な土地です。創作意欲を掻き立てられるというか、新鮮な発想をもらえそうな不思議がたくさん溢れています。
せっかく四国出身なのですから、このアドバンテージを創作で活かしたいところです。

四国を題材にした創作物にはこんなものがありましたね。
死国 (角川文庫)死国 (角川文庫)
坂東 真砂子

角川書店 1996-08
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確か映画化もしてたはず。
未読ですが、四国に伝わる慣習に対するオリジナルの解釈が、裏話として実在するのではと思えるほど説得力があると評判の作品なので、一度読んでみたいです。






キミとは致命的なズレがある (ガガガ文庫)キミとは致命的なズレがある (ガガガ文庫)
赤月 カケヤ 晩杯あきら

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「うーみん、時間は前にしか進まないっす。もう、あとには戻れないっすよ」



――あらすじ――
海里克也は保健室で目を覚ました。なぜここにいるのか?保健医の鏡司によると、階段で転んで気を失っていたらしい。…覚えていない。十歳のとき、大きな事故で両親と記憶を失ってしまった克也には、ここ数年の記憶しかない。また記憶が消えてしまったのだろうか。「見えないモノが見えてないか?」そんな司の問い掛けにドキリとする。―自販機の陰から伸びる少女の姿態―突如現れ克也を責める不幸の手紙―少女の死の映像と命を狩る指の感触。これは幻覚?それとも―?第5回小学館ライトノベル大賞・優秀賞受賞作。


――感想――
第5回小学館ライトノベル大賞『優秀賞』受賞作。

これは素晴らしかった。期待していた作品ではあったけど、ここまでとは。
ややもすればガガガの真骨頂と呼ぶべき作品。近年の新人賞受賞作の中でも屈指の面白さだった。
内容はサイコ・サスペンスとミステリのハイブリッドといった感じ。ダークで重々しく、晩杯あきらさんの雰囲気あるイラストも相まって、なかなかに名作の趣があるものに仕上がっていました。
ラノベらしからぬ作品に惜しげもなく賞を与えてしまうあたり、さすがガガガ。

余談だけど、ガガガは絵師さん選びに他のレーベルにはない懸け離れたセンスを有している気がする。

記憶や価値観、罪悪感と罰の認識、果ては倫理観念における『ズレ』をテーマに、半生の記憶を失った少年がある日届いた不幸の手紙をきっかけとして、じわじわと現実から乖離していく様が力感あふれる文章で描かれている。
突然見え始めた幻覚。断片的に蘇る記憶の中で、もしかしたら自分は人を殺したのかもしれないと、不気味な恐怖に追い詰められていく主人公の姿がサスペンスフルな不安を誘う。事情を知る周りの人々は自分を人殺しではないと主張し、自分でもそれを信じたいけれど、自身の手には少女の首に毒牙をかけた感触が確かに残っていて、安心を逃げ場にできぬまま罪の意識に押し潰されていく。
日常の風景に重なる過去に見た鮮烈なシーンに苛まれ、主人公がズレていく過程は圧巻ものだった。

もちろん面白いのだけど、どちらかといえば「上手い」と評したほうがしっくりくる。読者の視点がしっかりと意識されていて、自然な流れのままミスリードする技術は新人とは思えない。気づいたら騙されてるんだからお手上げだよ。
ラストでは期待をいい方向に裏切るどんでん返しの波濤が待ち受けていて、その内容も内容なだけに心が激しく揺さぶられた。恥ずかしながら、割と前半のほうで「真相は見えた!」とか思って鼻を鳴らしてました。穴があったら入りたいと羞恥心に悶えると同時に、目いっぱい感動しました。

見えているものが正しいとは限らない。真実が目に映るとは限らない。
ズレていたのは私たち読者のほうだったんだね。改めてタイトルと帯の意味を考えてみたら鳥肌が立った。

それにしてもヒロインである美鳥とひなたのキャラ立てに心底唸らされた。一言で表せるような大々的な面から所作や言動に表れる些細な面まで。うーみん(主人公)から見た二人の違いが、微々たるところまで丹念に作り込まれてる。
うーみんに対する美鳥とひなたとの微妙な立ち位置の違いとか、人物の相関関係や台詞回しに作者の並々ならない才能と洗練されたこだわりを感じた。

内容的にシリーズものは難しそうだから単巻完結だと思うけど、私はどちらでもいい。続いたとしても、この作者なら納得のいくものを書いてくれる気がする。
期待のニューカマー登場です。


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つかボン

Author:つかボン
前ブログ『BOOKDAYs!』の元管理人。
入間人間先生をこよなく愛し、自らも作家を目指す小説家志望だが、その実態は堕落人生まっしぐらのダメ学生。
しかし落ちるところまで落ちればあとは昇るだけ、それは可能性の獣。

同人誌『Spica-スピカ-』のメンバーとして活動もしています。
コメントなどはお気軽に。
どうぞよろしくお願いします。

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