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星空に予知して 第二回/つかボン

4000HIT御礼!


ってな訳で早くも4000HIT達成です!
毎日訪問してくださるみなさん、

本当にありがとうございます!!

恒例のお礼ですが、今回も申し訳ないことに自作小説の紹介ということになります。私には小説ぐらいしか書けないので。
だいぶ間が空いてしまいましたが、書きかけだった『星空に予知して』の続きとなります。

ただ、今回は実はそれだけではないのです。
以前に予告していた通り、自作小説公開専門のブログをついに立ち上げました! これがお礼になるのかは分かりませんが。
ブログ名はその名も、『WRITINGDAYs!』
同じテンプレの使い回しという手抜き作業になってしまって見苦しいのですが、今後小説を公開する時は、そちらのブログにて紹介しようと思います。
ちなみに、ブログ内で名前は斐文時頃(ひふみ じごろ)となります。由来は特にないです。
「一二三四五六」にしようとしたらすでに使われていたので、漢字を当て字にしただけです。「つかボン」という名前からも分かる通り、結構適当です。
『WRITINGDAYs!』の方では、「つかボン」でも「斐文時頃」でも「斐文」でも「時頃」でもどんな風に読んでくれても構いません。
まだ実験段階なので、これからちょくちょくブログの形は変えていくかもしれません。みなさんも何か意見がありましたら遠慮なく言ってください。

そして、さらにさらにお知らせは続くのですが、自作小説ブログ立ち上げに際して、本格的に私つかボンは、作家を目指そうかと思います。
実は、少し前から考えていたことで、新人賞に向けて執筆も開始しています。
口にするのは簡単で、その道のりは険しいことは重々承知しています。
しかし、せっかくの大学生活、時間もあり余ってますし、何か新しいことに挑戦しないと損じゃないですか。それに、今は小説を書いている時が一番楽しいです。
なので、もしかしたら今後更新頻度が落ちてしまうかもしれません。その辺りはご容赦していただけると嬉しいです。

そしてこの機会に、原点回帰というか、一般書籍も少しづつ読んでいこうかなと思います。ラノベ以外にも読みたい本がたくさんあるので。

まだ何か伝えなければならないことがあるような気がしますが、思いついたらその都度報告していきます。

それでは、「続きを読む」からどうぞ!


『星空に予知して』
 
 
第二回
 
 
 門限が夕方五時と決められているタマちゃんを玄関先で見送ったぼくは、自分の部屋に戻るなりすぐに、小学校入学と同時にお父さんに買ってもらった国語辞典でヨチノーリョクについて引いてみた。
「ふへー。『予知』って書くんだ」
 また一つ賢くなっちゃった。ぼくぐらいの歳になると知識が増えることに喜びを見出すようになる。
 辞典の記述から引用すると、『予知』とはつまり、これから起こることを前もって知ることなんだってさ。タマちゃんの説明と大方合致しているけど、辞典に知らされると重みが変わってくる。辞典は偉いからなー。ぼくと違って何でも知ってるんだもん。
 だからこそ、ぼくの心は黒く淀み始める。雨上がりの小川のように濁りが胸中を満たしていく。ふらっ、と目眩がした。
 タマちゃんが昼間言っていたことは本当なんだ。タマちゃんは夏休みが終わったら、どこか遠くに引っ越しちゃうんだ。その事実を改めて突き付けられて泣きそうになった。下唇をぐっと噛んで必死に堪える。
 壁に吊るされた鏡を目が捉える。そこには、絶望と恐怖がない交ぜになった色を浮かべる瞳で、こちらを覗き込む弱々しい一人の幼い少年が映っていた。
 唐突に身体が脱力感に苛まれて、ぼくはコテン、と床に倒れそのまま仰向けに転がった。ヒンヤリと冷たい感触が肌に染み渡る。
 結局、タマちゃんの予知を聞いたぼくは、その後その発言について触れることが出来なかった。どうしても信じることが出来なかった。いや、信じたくなかったんだと思う。信じてしまうと、その瞬間にタマちゃんが目の前から消え去ってしまう恐ろしい想像をしてしまったから。
『予知』の意味をちゃんと理解出来ていなかったその時のぼくは、タマちゃんがぼくをからかっているに違いないと、自分に言い聞かせた。
 それでも事の真相が気になってしまったから、今しがた辞典で探ってみたんだ。結果は芳しくなかった。
 予知能力は未来を知る力。だから、タマちゃんが引っ越しするのは未来に絶対起こること。未来は変えられないのかな? そもそも未来を変える方法なんてあるのかな? ……んーん、それよりももっと根幹の部分で、ぼくなんかじゃ未来なんて変えられないんじゃないの?
 そんなことを考えると、張り付いた床から真っ黒なカーテン状の闇が、ぼくを包んで飲み込むイメージが頭に去来して、「うぇ、うぇ」と慌てて更に床を転がって反動で起き上がった。
 よそう。もうこんなことを考えるのはやめよう。大丈夫、何とかなる。何とかなるよきっと。前向きに前向きに。
 勉強机の上の目覚まし時計に目を遣る。
 五時半まであと五分とちょっと。
「およ? そういえば今日って……」
 脳に埋もれた記憶の一端を思い起こして、咄嗟に立ち上がる。残像を置いてきぼりにする勢いで、辞書を床に広げっぱなしにしたままぼくは部屋を飛び出した。
 リビングの扉を開けて真っ直ぐにテレビの前のソファを目指す。三人がけのソファを一人で占領してちょっと得意顔。普段のお父さんの目には、こんな風に部屋が見えているのかぁ。
「ちびっこお父さんたいけーん」
 馬鹿丸出しの呟きで、くつくつと含み笑いを漏らす。ちょっと気味悪いかも。
 でもこのソファはお父さんがいつも真ん中を陣取るから、こんな時じゃないとこの感覚は経験し得ない。お父さんに無断で座っているのがバレちゃうと、「俺が誰だか言ってみろ!」とお父さんは喚き出したことがある。「お、お父さん!」って答えたら、「せ、い、か、い、だー!」ジャイアントスイングされた。
 かんわきゅーだい。一度使ってみたかった。
 丸型のテーブルの上に置かれたリモコンを手に取って、テレビの電源を付ける。
 年季の入ったスーツを着たおじさんが紙を手に難しい言葉の羅列を呪文のように唱えている。カブとかカワセとか、よく分からない。野菜? 野鳥図鑑にも似たような名前の鳥が載っていたような気がする。
 ニュースを視聴することが目的じゃないので、チャンネルを順々に回していく。するとすぐに、目的の番組に行き当たった。
 右上の辺りに、『夏休み特集』と銘打たれたテロップが表示されていて、画面の中ではレポーターのお姉さんが専門家と呼ばれるお爺さんと一緒に、望遠鏡を使って夜空を眺めている。
 この番組は、いわゆる『自由研究』という夏休みのメジャー課題作成の手助けをする、小学生向けに作られた番組なのだ。一応、毎年この時期になると放送されているらしいけど、ぼくは今年初めて見る。それなりに好評らしく、クラスの友達に教えてもらったのが知るきっかけとなった。
 今年の番組のテーマは、見て分かる通り『天体観測』。
 そしてぼくの今年の自由研究のテーマも『天体観測』。
 天体、ことさら星座の知識に関しては、同年代の子供たちに比べて一日の長があると自己分析している。季節ごとに、メジャーな星座からマイナーなものまで星空を見上げて指し示すことも出来るし、星座にまつわる話だっていくつか知っている。最近では夏の大三角形すら、星空の下でどれだか判別が付かない子供も少なくはなく、ぼくからしたら信じられないことだった。ナゲかわしいナゲかわしい。
 だからこそ、今年は天体観測を題材に取り上げようと思った。ぼくの作った自由研究をクラスの友達に見てもらって、星座に興味を持ってもらいたいから。それに、自分の好きなことなら宿題でも辛くはないと思うし。
 テレビの中では、望遠鏡から覗き見えるとある星座の解説がなされている。あれならぼくも知っている。いて座だ。夏の星座の中じゃ、さそり座と並んでちょー有名。
 番組内では他にも、観測するにおいて用意すべき器具や観測のポイント、更には観測日記の記録の仕方の説明まであって、予想をはるかに上回る充実度に目が回りそうになった。ぼくはその全てをメモした。
 あと、今年は八月十一日にペルセウス座流星群が極大を迎える、とレポーターのお姉さんが喋っていたので、「ほぅほぅ、ペルセウス座流星群とな。ロマンですなー」としっかりメモ帳に記載しておいた。その横に「ロマン」と書き足すのも忘れずに。
六時前になって、エンディングの音楽が流れ始めたところで、玄関から「ただいまー」と声が飛んできた。お母さんが帰ってきたみたい。「おかえりー」と玄関まで届くようにぼくは声を張り上げる。
 スーパーで働いているお母さんは、いつも五時に仕事を切り上げて、簡単な買い物を済ましてこの時間帯には帰宅する。
 だけど、何故かリビングに入ってきた人影は一つではなくて二つだった。
「あれ、二人……」
 もう一つの人影はお父さんだった。
「家の前で偶然鉢合わせて。お父さん、今日は早く退勤出来たみたい」
 そう言いながら、お母さんは買い物袋の中身を手際よく冷蔵庫の中に仕舞っていく。会社勤めのお父さんがこの時間帯に帰ってくるのは珍しい。最近は忙しくて一緒に夜ご飯を食べることもままならない状況だったのだ。久しぶりに家族揃って夜ご飯を食べれるから、お母さんもどこか嬉しそう。
「なに見てたの?」
「たぶん星の番組みたいなっぽいのかもしれない」
「どんだけ自信が伴ってない言い方なのよ」
 お母さんがエプロンを首から掛けながら呆れた眼差しでぼくを一瞥する。とりあえず「人生に迷う年頃だから」と自分でも意味の分からない言い訳をしておいた。
「どうでもいいけど、背後には気をつけなさい」
「背後?」とぼくはお母さんを振り返る。「んん?」そういえばリビングに入って来た筈のお父さんの姿がどこにも見当たらない。ねぇお父さんはぁ? と言いかけたところで、ぼくの頭に一つの推測が生まれた。
 お母さんは背後と言った。
 ぼくはオイルを塗り忘れて錆びついた機械のように、角ばった動きで首を後方に曲げる。ガキンガキンと金属音が聞こえきそうだった。
 背後を振り返って目に映った光景から、ぼくは自分の推測が的中したことを知る。出来れば的中してほしくなかったけど。
「じゃりんこせなおぉ。君は一体そこで何してるのかなぁ?」
 ぼくはじゃりんこじゃないし、ついでに言うならせなおという名前でもない。でも、そんなことをコーギしている余裕がないことは、口元だけ笑って、目が全く笑っていないお父さんの表情を見れば明白だったので、せめてもの償いとしてポケットに入っていた飴を差し出してみた。ぎこちない笑顔を浮かべて。
 ぼくの手から飴を受け取ったお父さんは、目の前でそれを握り潰した。血の気が引いた。
「その席は俺の場所だと言っとるだろぉがぁ!!」
「ぎゃーーー!!」
 高い高いの要領で天井まで投げ飛ばされた。
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Comments

はじめまして
まず、4000HITおめでとうございます。
新設されたブログの方で自作小説を読ましていただいたんですが、面白かったです。お世辞じゃないですよ?
なので次の更新を確認するのが日課に追加っと。

作家になるには楽な道のりではないですけど、その執筆が“楽しい”という気持ちがあれば百人力ですね。
是非デビューして欲しいです。がんばってください!
Posted at 2010.06.16 (22:20) by umeawn (URL) | [編集]
Re: はじめまして
umeawnさん、コメントありがとうございます。

はじめまして。ブログいつも拝見させてもらっています。

新設したブログの方も見ていただいたのですね。ありがとうございます。
また、小説の方も読んでいただけたようで。しかも面白いだなんて最高の謝辞をいただけて本当に嬉しいです。
あちらのブログの方は不定期更新になると思うのですが、次の更新を楽しみしていただけるということなので、出来るだけ早く更新しようと思います。

「楽しいことがしたい」なんて、正直甘い考えだとはお思うのですが、それが人間の理想だと思いますし、理想を追い求めることが悪いことだとは思いませんので、その気持ちを糧に頑張っていこうと思います。
応援ありがとうございます。
Posted at 2010.06.17 (00:52) by つかボン (URL) | [編集]
コメントありがとうございました。
 ほう……本格的に作家を目指すことにしましたか。
 これにて、私のライバルですな。

 で、ブログ形式で小説を公開する点について、ひとつだけアドバイスを。
 ブログの場合、新しい記事が先頭になります。
 小説を読むとき、古い記事から読むことになるので、多少誘導が難しいです。
 小説を見やすくするテンプレもあるようですし、そういう小説を公開するサイトもあります。そのサイトのブログパーツを使うと、新作小説の宣伝を本ブログの方でも楽にできますよ。

 つかボンさんのラノベが発売したら、真っ先に買わせてくださいね。
 月次なことしか言えませんが、頑張ってください。
Posted at 2010.06.17 (04:22) by サイと (URL) | [編集]
つかボンさん、こんばんは。
4000HITおめでとうございます。
更新は早いわ、小説は面白いわ、レビューは参考になるわでこのサイトには、すごくお世話になってます。
これからも頑張って下さい。

さて、作家を目指されるということであれば、私は全身全霊全力フルパワーMAXで応援しますよ!!!!
といっても出来ることは無い気もしますが…
まぁ、デビューした時には10冊くらいは買いますよ。
そのときにはサインくださいね。

「星空に予知して」を読みました。
まだ序章といった感じで、物語が動くのはもう少し先ですかね?
続きが楽しみです。
あと、「誕生日を祝って」も読みました。
すんげーーーーー面白かったです。
キャラも良かったし、内容もすごく良かったともいます。

つかボンさんの更なるご活躍に期待しています。では。

Posted at 2010.06.18 (02:27) by じたま (URL) | [編集]
Re: タイトルなし
サイとさん、コメントありがとうございます。

サイとさんのライバルになれるなんて……恐縮です。
ですが、ライバルになった以上負けませんよ!

サイトさんのアドバイスを受けて、テンプレを小説公開用に変えました。
少しは見やすくなったかと思います。
探したら見つかるもんなんだなと、FC2ブログの充実度に感心してしまいました。
貴重な意見ありがとうございました。

何年後になるか分かりませんが、私の作品を世に出すことができた時は、すぐさまサイトさんに報告しにいきますね。
サイトさんの小説が発売することになった場合は、私が真っ先に購入します。
お互い頑張りましょう。

じたまさん、コメントありがとうございます。

> 4000HITおめでとうございます。
ありがとうございます。
じたまさんがいつも訪問してくださるおかげですよ。

いやいや、そんなに褒めても何も出ませんよ?
私なんてまだまだ未熟ですから。
でも、だからこそこれからも頑張っていきます。
応援よろしくです。

いえいえ、そうやって応援の言葉をいただけるだけで充分励みになります。
自分にはデビューできる力があるのかないのか、出来たとしても何年後になるのか。
いろいろ不安は尽きませんが、じたまさんのように応援してくださる方がいる限り、私は地に這いつくばってでも夢に向かって前進していこうと思います。

お察しの通り、『星空に予知して』はまだまだ序章で、物語が動くのはもう少し後です。
といっても、派手に動くのではなく、徐々に変化していくという感じですが。
予定としては、七、八回程度に収めるつもりです。
続き楽しみにしていてください。

『誕生日を祝って』シリーズは本当に勢いで書いている作品なので、無意識のうちに自分の書きたい物語やキャラが出てくるんですよね。
なので、それを面白いと言っていただけると非常に嬉しいです。

じたまさんも応援に応えて、これからも活躍していくでー!
Posted at 2010.06.18 (23:30) by つかボン (URL) | [編集]
まずは4000おめでとうございます。これからも頑張ってください!!

ついに立ち上げましたか! WRITINGDAYs!が実りあるブログになりますよう、僭越ながら私からも応援させていただきます。
私もとりあえずLHRで将来の夢・作家と言って爆笑されましたので、目指していこうかなと思っています。いつ本格始動するやら検討もつきませんが(笑)

前回とは打って変わって、コメディ色の強い話でしたね。しかし違和感など皆無で、むしろ重過ぎなくていいと思いました。
次回もすごーーーーーーーーーーい楽しみにしているので、更新頑張ってください!
Posted at 2010.06.19 (19:55) by ask (URL) | [編集]
Re: タイトルなし
askさん、コメントありがとうございます。

> まずは4000おめでとうございます。これからも頑張ってください!!
ありがとうございます。
askさんにはいつも訪問してもらっているので、本当に感謝していますよ。

おかげさまで、ようやく立ち上げることができました。
小説を公開すること以外汎用性はなさそうですが、askさんの応援に応えて充実したブログにしていきます。
askさんも作家を志すのですか?
いやー、それだとライバルが増えて大変です。でも、負けませんから!
askさんも頑張ってくださいね!

私の場合小説を書く時って結構勢いで書いていることが多いので、変になってなくてよかったです。
次回も楽しみにしていてください。
すごーーーーーーーーーーく頑張りますので。……たぶんw
Posted at 2010.06.20 (12:31) by つかボン (URL) | [編集]
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つかボン

Author:つかボン
前ブログ『BOOKDAYs!』の元管理人。
入間人間先生をこよなく愛し、自らも作家を目指す小説家志望だが、その実態は堕落人生まっしぐらのダメ学生。
しかし落ちるところまで落ちればあとは昇るだけ、それは可能性の獣。

同人誌『Spica-スピカ-』のメンバーとして活動もしています。
コメントなどはお気軽に。
どうぞよろしくお願いします。

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