Colorful Concrete
おもしろき ことなき世を おもしろく 高杉晋作
デュラララ!!×8/成田良悟
- Posted at 2010.06.27
- l電撃文庫
『星空に予知して』第三回更新だよ!
『WRITINGDAYs!』の更新情報です。
本日『星空に予知して』の第三回を更新いたしました。
お暇な方はどうぞ読んでいただきたい。
コメントもどしどし募集してます。
一応、当ブログのプロフィールの欄でも更新情報は書いておきます。
ではでは。
――あらすじ――
「最近、帝人君の様子がおかしいんです。まるで…紀田君がいた時みたいに―」
東京・池袋。表面上は何も変化のないこの街も、夏を迎え、水面下で熱い歪みを抱えていた。孤独な戦いに身を溺れさせる帝人。過去を清算するべく池袋に戻ってきた正臣。帝人を心配しセルティに悩みを相談する杏里。それぞれの思惑で動き始めた三人の行方とは―。さらにその裏側で大人達は別の事件に絡んでいく。ストーカーの影に怯える聖辺ルリと彼女を心配する羽島幽平。弟の悩みを何故かセルティに相談する静雄。杏里と静雄という友人達の悩みの狭間で、首無しライダーが起こす行動とは―。そして、情報屋も静かに動き始める。
――感想――
誰か帝人を助けてやってくれー!!
このシリーズの勢いに驚愕。
確かに前巻の短編集で休憩は間に挟んでいたものの、5、6巻の息の詰まる池袋の攻防戦でギアは全開だと思っていた。……思っていたのに。
ここにきてまだ余力を残していたのか!
例えるなら、怒涛のように押し寄せる津波。
新たな展開、伏線、そして物語の裏側に潜む真実を、これでもかというぐらい何重にも重ねてぶつけてくる。
津波に飲まれた被害者=読者は堪ったもんじゃない。
一度飲まれれば抜け出せない。
成田先生の描く物語は、災害に匹敵する凶悪な魅力を孕んでいるのだ。
バッカーノといい、デュラララといい、成田先生の読者を魅了する手腕には惚れ惚れとする。
もうこの人がいれば、電撃文庫は安泰じゃないの? とさえ思えてくる。
それはいくらなんでも誇張が過ぎるにしても、原作にしろアニメにしろ、評価の高さは認めざるを得ないだろう。
それにしても辛い。読むのが辛い。
帝人、正臣、杏里の三人のすれ違いが痛々しい。
ブルースクウェアの連中とつるみ始めて、帝人は変わった。いや、戻った。
正臣がいた頃のように、明るく振舞って、冗談を言って笑う。
それは嬉しいことの筈なのに、どうしても違和感を感じずにはいられない。何かが違う。
帝人は、正臣が望まなかった『こちら側』へと、少しずつ足を染めていく。
ダラーズを自浄することで、理想を形にするために。
正臣と杏里の居場所を自らの手で築くために。
帝人のしていることは間違っていない。だけど、正臣と杏里はそれを望んでいなかった。
お互いの気持ちを満足に伝えることができず、泥沼化していく三人の関係。
歪に絡み合い、どこに向かっていくのか。
このシリーズにおいて、現段階の最大の問題だろう。
そして、幽とルリ。4巻以来、御無沙汰の面子。
ルリが最近ストーカー行為を受けていると相談された幽は、兄の静雄のもとを訪れる。
弟に相談された静雄は、数少ない頼れる存在であるセルティにもとへ。
幽の話によると、ストーカーはダラーズのメンバーではないかということ。
たかがストーカーと事態を軽く見ていたセルティだったが、その事件の裏側には常軌を逸した狂気が潜んでいた。
アニメを見ていてふと思ったけど、原作は本当に登場人物が増えた。
この巻でも新キャラ続々登場で、そのうちレギュラーメンバーが三十人超えそうだな。それでも、誰ひとりとして忘れられないのは、やはり成田先生の地力があってこそのものなのだろう。
てか、澱切こえー。
ここまでの危険人物だったとは。臨也を出し抜いた時点でタダものじゃないとは思っていたけど。
ある意味臨也や静雄より危険だと思う。
今後の展開はこの男の動きがでかいだろうな。
全体的な印象としては、何だか煮え切らない感じ。いや、いい意味で。
短編集を挟んで新展開を迎えたというか、今巻で長いプロローグが終わった、そんな印象。いい感じに次巻への期待を促している。
臨也への反感は多いだろうけど、こいつがいないとやっぱりこの物語は始まらないよ。それこそ、「やっぱりみんな、俺がいないと駄目なんだから」ですよ!
私は臨也の動きに期待するぜ。
次巻の発売はおそらく秋以降になるだろうとのこと。
その前に、秋にかけて『ヴぁんぷ!』や『5656』などの他のシリーズの続刊が出るらしいので、この機会に他のシリーズも読んでみようかな。
あと、MW文庫での刊行も予定されているらしい。
成田先生の群像劇が、MW文庫にてどんな輝きを放つのか、今から非常に楽しみです。
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本日『星空に予知して』の第三回を更新いたしました。
お暇な方はどうぞ読んでいただきたい。
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ではでは。
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「でも、園原さんがなんだろうと、君の居場所は、きっと作ってあげられるよ」
「……」
何か問いかけようとしたのだが、言葉が上手く見つからない。
そんな杏里の沈黙を、彼女が不安がっていると受け取ったのだろうか。帝人は更に明るい笑顔を顔に貼り付け、自信に満ちた顔で口を開いた。
「僕が――正臣も、またここに戻ってこられるようにするよ。みんなが居られる場所を作るから……園原さんも安心していいよ」
――あらすじ――
「最近、帝人君の様子がおかしいんです。まるで…紀田君がいた時みたいに―」
東京・池袋。表面上は何も変化のないこの街も、夏を迎え、水面下で熱い歪みを抱えていた。孤独な戦いに身を溺れさせる帝人。過去を清算するべく池袋に戻ってきた正臣。帝人を心配しセルティに悩みを相談する杏里。それぞれの思惑で動き始めた三人の行方とは―。さらにその裏側で大人達は別の事件に絡んでいく。ストーカーの影に怯える聖辺ルリと彼女を心配する羽島幽平。弟の悩みを何故かセルティに相談する静雄。杏里と静雄という友人達の悩みの狭間で、首無しライダーが起こす行動とは―。そして、情報屋も静かに動き始める。
――感想――
誰か帝人を助けてやってくれー!!
このシリーズの勢いに驚愕。
確かに前巻の短編集で休憩は間に挟んでいたものの、5、6巻の息の詰まる池袋の攻防戦でギアは全開だと思っていた。……思っていたのに。
ここにきてまだ余力を残していたのか!
例えるなら、怒涛のように押し寄せる津波。
新たな展開、伏線、そして物語の裏側に潜む真実を、これでもかというぐらい何重にも重ねてぶつけてくる。
津波に飲まれた被害者=読者は堪ったもんじゃない。
一度飲まれれば抜け出せない。
成田先生の描く物語は、災害に匹敵する凶悪な魅力を孕んでいるのだ。
バッカーノといい、デュラララといい、成田先生の読者を魅了する手腕には惚れ惚れとする。
もうこの人がいれば、電撃文庫は安泰じゃないの? とさえ思えてくる。
それはいくらなんでも誇張が過ぎるにしても、原作にしろアニメにしろ、評価の高さは認めざるを得ないだろう。
それにしても辛い。読むのが辛い。
帝人、正臣、杏里の三人のすれ違いが痛々しい。
ブルースクウェアの連中とつるみ始めて、帝人は変わった。いや、戻った。
正臣がいた頃のように、明るく振舞って、冗談を言って笑う。
それは嬉しいことの筈なのに、どうしても違和感を感じずにはいられない。何かが違う。
帝人は、正臣が望まなかった『こちら側』へと、少しずつ足を染めていく。
ダラーズを自浄することで、理想を形にするために。
正臣と杏里の居場所を自らの手で築くために。
帝人のしていることは間違っていない。だけど、正臣と杏里はそれを望んでいなかった。
お互いの気持ちを満足に伝えることができず、泥沼化していく三人の関係。
歪に絡み合い、どこに向かっていくのか。
このシリーズにおいて、現段階の最大の問題だろう。
そして、幽とルリ。4巻以来、御無沙汰の面子。
ルリが最近ストーカー行為を受けていると相談された幽は、兄の静雄のもとを訪れる。
弟に相談された静雄は、数少ない頼れる存在であるセルティにもとへ。
幽の話によると、ストーカーはダラーズのメンバーではないかということ。
たかがストーカーと事態を軽く見ていたセルティだったが、その事件の裏側には常軌を逸した狂気が潜んでいた。
アニメを見ていてふと思ったけど、原作は本当に登場人物が増えた。
この巻でも新キャラ続々登場で、そのうちレギュラーメンバーが三十人超えそうだな。それでも、誰ひとりとして忘れられないのは、やはり成田先生の地力があってこそのものなのだろう。
てか、澱切こえー。
ここまでの危険人物だったとは。臨也を出し抜いた時点でタダものじゃないとは思っていたけど。
ある意味臨也や静雄より危険だと思う。
今後の展開はこの男の動きがでかいだろうな。
全体的な印象としては、何だか煮え切らない感じ。いや、いい意味で。
短編集を挟んで新展開を迎えたというか、今巻で長いプロローグが終わった、そんな印象。いい感じに次巻への期待を促している。
臨也への反感は多いだろうけど、こいつがいないとやっぱりこの物語は始まらないよ。それこそ、「やっぱりみんな、俺がいないと駄目なんだから」ですよ!
私は臨也の動きに期待するぜ。
次巻の発売はおそらく秋以降になるだろうとのこと。
その前に、秋にかけて『ヴぁんぷ!』や『5656』などの他のシリーズの続刊が出るらしいので、この機会に他のシリーズも読んでみようかな。
あと、MW文庫での刊行も予定されているらしい。
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