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黄昏色の詠使いⅡ 奏でる少女の道行きは/細音啓

二千の歴史


※今日は前置きが長くなってます。


みなさん、もう『電撃文庫総合目録2010』は手に入れましたか?
私は今日甲斐甲斐しく街に足を運んで手に入れてきました。しかしその道は決して容易ではなかった。むしろ険しかった。
今日あったことをありのままに話します。

まず、私はいつもお世話になっている大型書店に向かいました。ラノベコーナーに立ち寄ると、今月の新刊と一緒に試し読み用の総合目録が紐で吊るされていました。私はそれを見てここで手に入ると高をくくったのですが、今思いだすとその時の私は、救いようのないアホだったのです。

ラノベの在庫を一度ざっと見渡したのち、私は購入予定していた新刊を三冊手にとってレジに向かいました。風の噂によると総合目録は、それ自体は無料配布されるのですが、電撃文庫をある一定数購入しなければもらえないようです。しかしラノベコーナーにも店頭にもそんな表記はなかったので、場合によっては新たに何冊か足せばいいだろう程度で考えていたのですが、商品を差し出された店員は特に何も言いませんでした。私は、ラッキー、などと心の中でガッツポーズを決めていたのですが、どうも店員の様子がおかしい。まったく総合目録を渡そうという気配が窺えないのです。

これは困りました。私は素早く危機を察知して店員に「あの、総合目録ってもらえないのですか?」と尋ねました。尋ねられた店員は少し困った顔をして、他の店員に聞いたり店内のどこかに連絡を取ったり、とにかくいろいろしてくれたのですが、最終的に「こちらではお客様への配布用は扱っていません」と残酷な言葉を投げつてくれました。

私は一瞬呆気に取られ、店員が購入した商品を渡してくれたことで我に返りました。え、どうしよ? と最初は戸惑っていたのですが、私は慌ててその近辺の書店に電話をかけました。しかし結果は芳しくありません。どの書店も配布用は取り扱ってないとのこと。おい、アスキーメディアワークス、などと毒づきもしましたが、私は最終手段としてアニメイトに電話をかけました。

一番近くのアニメイトで配布用を取り扱っていてくれたのは不幸中の幸い。しかし風の噂通り、そのアニメイトでは新刊・既刊関係なく電撃文庫を五冊購入した人のみに配布しているとのこと。新刊はすでに三冊購入しています。そこにさらに五冊購入など、とてもじゃないですが愛しき財布ちゃんから激烈な叱咤をされること請負です。なので私は急いで最初に電撃文庫を購入した書店に戻り、店員に返品を訴えました。

しかしこの返品がまた面倒だったのです。全国展開をしている大型書店だからなのかどうかは知りませんが、特別な理由がないと返品が効かないと言い張るではないですか。ある意味特別な理由だったのですが、いちいち事情を説明するのも何か馬鹿げているように思った私は、必死に購入間違いだと訴え続けました。気の良い店員だったおかげで面倒事にならず何とか返品は了承してもらいました。しかし私の闘いはまだ終わっていません。

一番近いと言っても、私のいた場所から目的のアニメイトは駅三つ分離れていました。私は最も安くつくJRに乗って最寄りの駅まで向かいました。携帯アプリの地図を頼りに目的のアニメイトを捜し出し、疲労を訴える足腰にも構わず勢いよく店内に乗り込みました。

実は私、アニメイトという場所に入ったのは今日が初めてだったのです。さすがにどういう場所かは知っていたのですが、実際にその店内の雰囲気を味わってみると言葉では形容できない感情が湧きあがってきました。アニメグッズとかキャラグッズを実物で見るのって本当に初めてだったのです。私は高揚感を抑え切れず、ひとしきり店内を歩き回ったあと、興奮冷めやらぬままラノベコーナーに向かいました。そして、ラノベの品ぞろえの充実ぶりを見てまた驚きました。私の知っている世間なんてまだまだちっぽけだったんだなぁ、と今考えてみるとかなり的を外した感慨にふけっていたように思います。

もっと眺めていたかったのですが、とりあえず新刊コーナーで先ほど返品した新刊を三冊と、購入を検討していた新刊を一冊、そして続きが見購入だったシリーズ作品を一冊加えて、今度こそという気概でもってレジに向かいました。

そろそろこの長ったらしい語りにも飽きてきた頃だと思いますので、その後の経過を簡単に説明させてもらいますと、そのレジでもまたもや総合目録を渡す気配が感じられなかったのでうんざりした気持ちで店員に訴えて、事なきを得ました。そして無事自宅まで戻ってきたのです。

家に帰って、総合目録を両手に持って目の前に掲げてみました。苦労して手に入れただけあってその姿は、最初に立ち寄った書店に置いてあったお試し用とは比べ物にならないぐらい輝いて見えました。そして早速中身を確認させてもらったのですが、もうとにかくすごい! これを無料で配布するなんて(厳密には無料ではなかったのだけど)、AMWもなかなかやるじゃん。

特にAMWの作家さんたちが140字で描いた『でんげきったー』は一見の価値があります。綾崎先生もイイ。入間先生もイイ。鴨志田先生もイイ。紅玉先生もイイ。時雨沢先生もイイ。杉井先生もイイ。成田先生もイイ。支倉先生もイイ。あと、個人的にはキノのポスターがご褒美中のご褒美かななんて思う。電撃文庫ファンなら間違いなくどんなに苦労してでも手にいれるべきです。

どうも書店などでは配布されていないみたいですので、最善を尽くしたい方はぜひアニメイトに立ち寄ってください。以上、アニメイト初心者からの事後報告でした。


余談だけど、アニメイトで貰える透明のブックカバーってどうやってつけるの?


奏でる少女の道行きは―黄昏色の詠使い〈2〉 (富士見ファンタジア文庫)奏でる少女の道行きは―黄昏色の詠使い〈2〉 (富士見ファンタジア文庫)
細音 啓 竹岡 美穂

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 この道は、きっと誰かを……



――あらすじ――
わたしは逃げた。世界から目を背けて。大切な人を救わずに、逃げろと言われて、ただ怯えて。…でも。それからずっと心の中で、声が響いている。―本当に何も、できなかったの?―心に想い描いた世界を招き寄せる召喚術・名詠式。その専修学校トレミア・アカデミーの夏期移動教室で、原因不明の石化事件が発生した。類希な名詠式の力を持つクルーエルは、強すぎる己の力を使うのをためらっていた。しかし、彼女は級友たちの危機に直面し、ある選択を迫られる。そして、もうひとり。名詠式を学びながら、名詠士ならざる才能を秘めたエイダ。彼女もまた、事件を通じて自分の生い立ちと向き合うことになる…。自分の進むべき道を探す、召喚ファンタジー第2弾。


――感想――
感動をもう一度。傑作中の傑作第2弾。

やはりこのシリーズは面白い。
すべてにおいてあらゆるファンタジー作品を凌駕する、純粋にして精彩、言うなれば人の心を具現化したような一冊。
鍛えこまれた精巧な芸術品とも言える。しかしそれは、触れることあたわぬ文化財ではく、もっと身近なありふれた、例えば名匠の作った陶磁器のようなの芸術品に近い。

書き記された物語はあまりに綺麗で、ともすれば鼻で笑われるほどに綺麗事が並べられている。
しかしそれがなんだと言うのだ。綺麗事を言ってなにが悪いと言うのか。綺麗事もままならないこんな世の中だからこそ、物語の中だけでもせめて綺麗に生きたいではないか。

前作では極めてサブキャラ的なポジションだったエイダに焦点を当てたのには驚いた。それだけ作者がメイン・サブ分け隔てなく、この物語の登場人物たちを愛しているのだろう。あとがきによると、作者はどうやらクラウスが好きみたいだし。(え)

しかし前作であれほどの完成度を誇っておきながら、期待される続刊でまったく衰えないのは素晴らしい。
『祓名民』の家系に生まれながら、生まれたときから与えられていた道に嫌気が差し『名詠士』として生きるエイダ。しかし彼女は後悔していた。競演会の夜に起こったあの悪夢のような事件で、彼女は守られる側ではなく守る側に立てたはずなのに、ちっぽけなプライドが邪魔をして、結果生徒や友人が怪我をした。彼女はそのことを夢に見るほどに後悔していた。
でも『祓名民』には戻りたくない。あの孤独だったときには戻りたくないと、泣き叫ぶようなエイダの気持ちが痛いほどに伝わってくる。なのに『祓名民』としての誇りも捨てられないという苦悩もまた、流氷にように透き通る文章で鮮明に描かれている。

今回はメインのネイトとクルーエルが一歩引いた位置に立っているが、誰もが確かな役割をもって無駄なく物語に絡んでいる。ゼッセルやエンネやケイトといった教師陣ですら、物語を動かす重要な役柄を担っている。これはこのシリーズの一つの魅力であり、大きな魅力だろう。
そしてそのメインであるエイダ。一度は自分の道から逃げ出したが、その道はきっと誰かを守れることを知った彼女は、もう二度と道に迷わないだろう。サージェスやネイトやクルーエルが灯してくれた光を頼りに、確かな足取りで踏みしめていくはずだ。

「いくぞ真精! 我を以て、祓戈の到極者が故と知れ!」

この言葉が、エイダの決意の印である。

明確な敵の出現。「三年前」を合言葉に、錯綜するそれぞれの思惑。
物語はようやく本格的な始動の準備が整ったという感じ。残った謎も次巻から徐々に明かされていくだろう。
次巻にも期待である。



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Comments

つかボンさん、こんばんは。
『電撃文庫総合目録2010』滅茶苦茶欲しいですね。
情報ありがとうございます。全く知らなかったので、かなり助かりました。
なんとしても手に入れたいです。

この作品は本当にきれいですよね。
私は現在6巻まで読んでいますが、ここまできれいな作品はないと思います。
Posted at 2010.08.08 (03:06) by じたま (URL) | [編集]
私は二年前の苦い苦い思い出があるのでwww
というか私の近くでは、三重だからでしょうか、フラゲできるような場所がありませんw 困った困ったw
去年は里帰り中だったので、東京にて入手しましたが、それでも初めて入手方法を知った時は唖然としましたね。タダじゃねぇじゃん!? みたいな。

さて2巻ということですが。
エイダ好きです。キャラ的に。反する2つを兼ね合わせた人物、というのは非常にキーになることが多いです。エイダもまた然り。
皆が輪のように信頼し、連なっているからこそ、この透明感だと思います。
第1部では、個人的に3巻が1番好みだったり。特にあるシーンでは鳥肌総立ちでした。どうぞ期待をw

こんなに綺麗に文章化してくださるなんて。私だけが薦めたわけではないでしょうが、推薦側の一員になれたことを誇らしく思えました。
Posted at 2010.08.08 (12:54) by ask (URL) | [編集]
追記です。先ほど電撃廃人である友人に問い合わせたところ、大型書店でなくとも、取り扱っているところはあるらしく、何と場合によれば店員に「くれ」と言ったら、頬に目録の角を押し付けられながらくださることもあるそうです。

注:やや表現に行き過ぎたところがあります
Posted at 2010.08.08 (13:04) by ask (URL) | [編集]
Re: タイトルなし
じたまさん、コメントありがとうございます。

総合目録はぜひ手に入れてください。購入数制限は店舗によって様々らしいですが、たとえ私のように5冊買わなくてはもらえないのだとしても、それだけの金銭的犠牲を払って手に入れる価値はあります。
私の無駄な独白がじたまさんの為になってよかったです。

本当に綺麗ですね。
文字の羅列でここまで綺麗な雰囲気を出せるんだと、感激してしまいます。

askさん、コメントありがとうございます。

追記も含めてコメ返させてもらいます。

私の場合、目録を手に入れるのは今年が初めてでした。だから私も驚きましたよ。公式サイトに思いっきり無料配布と書いていますからね。言葉のマジックですねw
しかし真の意味で無料でくれる店もあるのですね。まぁ、それが一般だとは思うのですが、そんな店に行き当たった人はラッキーですね。頬に角を押しつけられてもいいので私も無料で欲しかったですw

エイダいいですよね。ここまでの魅力をもったキャラだとは思いませんでした。ラストの真精との戦いは興奮しっぱなしでした。
最後のお父さんとの会話も良かったですね。お父さんのあのカッコよさを見たら、細音先生がクラウスを好きになるのも納得できるような気もしますw
個人的には二巻が凄く好きだったのですが、askさんの三巻も楽しみにしたいと思います。

askさんには本当に感謝していますよ。私もこんな素敵な作品と出会えて嬉しいです。
Posted at 2010.08.10 (01:24) by つかボン (URL) | [編集]
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つかボン

Author:つかボン
前ブログ『BOOKDAYs!』の元管理人。
入間人間先生をこよなく愛し、自らも作家を目指す小説家志望だが、その実態は堕落人生まっしぐらのダメ学生。
しかし落ちるところまで落ちればあとは昇るだけ、それは可能性の獣。

同人誌『Spica-スピカ-』のメンバーとして活動もしています。
コメントなどはお気軽に。
どうぞよろしくお願いします。

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