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煉獄姫/藤原祐

『このラノ文庫』!


来月9月10日といえば、ラノベ読者ならもちろんのこと電撃文庫の発売日だということは、真っ先に脳に思い浮かぶことでしょうが、実は『このラノ文庫』の記念すべき初発売日だったりします。
いや、ラノベ読者だからこそこういった情報はいち早く掴んでいるのでしょうね。

まぁ、それはそうとして。

『このラノ文庫』。そう、『このラノ文庫』です。
ラノベファンの皆さんはこの新レーベルに対してどんな風におもっているのでしょうか。みなさんの意識を知りたいものですが、個人的にはかなり期待しています。いえむしろ、発売予定の作品群を見て期待するなと言うほうが無理かと。
公式サイトのほうで立ち読みさせてもらいましたが、何だか知らないけどどれも才能に溢れている。
ラノベとしても新境地と言えるものばかり。
一応、『ラージン×コード』と『ファンダ・メンダ・マウス』と『伝説兄妹!』は買うつもり。せっかくの第一回受賞作なので全て買おうかとも画策中。

それにしても、電撃文庫と発売日を同じにするなんて、挑戦的というかなんというか。ともかく私のお財布事情を考えてください(真顔)
呼び名は『このラノ文庫』で安定? それとも表紙に『KL』って表記されているから『KL文庫』?

まぁ何にせよ、盛り上がってきたねラノベ界。


煉獄姫 (電撃文庫)煉獄姫 (電撃文庫)
藤原 祐 kaya8

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 そして彼女は、
「だったらめいれいするわ、フォグ」
 彼がここへ来て初めて、年相応の、幼い笑みを浮かべ。
 嬉しそうに、本当に嬉しそうに――言ったのだった。

「わたしと……ともだちになって」



――あらすじ――
現世のひとつ下の階層に位置する異世界“煉獄”。そこに満ちる大気は有害であり、一方で人の意志に干渉して森羅万象へと変化する性質を持っている。瑩国第一王女であるアルテミシア―アルトは、その煉獄へ繋がる扉を身の裡に孕む特異体質の持ち主だった。常に毒気を身に纏い近寄る者すべてを殺してしまうが故、普段は呪われた子として城の地下牢に幽閉されている。しかし彼女は時折、外の世界へ出る。従者である少年騎士フォグと共に、王家の密命を受けて。煉獄の毒気を練り超常を操る“煉術師”として―。策謀と毒気が渦巻く都市“匍都”で繰り広げられる薄闇の幻想物語、開幕。


――感想――
これは良質なファンタジー。

藤原さんの作品は今回が初めて。『アカイロ/ロマンス』はイラストが好きだったから何度も読もうとしたんだけどなー。決して着物姿に惹かれたわけじゃないよ!
でもこのアルトのような甲冑ドレスもいいよねー。ダリアってて。
ダリアる……。何だか新語が発明されたけど気にしない。

これはわざとなのか分からないけど、扉絵がほとんど本編とは関係なかったね。まったく関係なかったわけじゃないけど、厳密に言うと扉絵の場面は一つも本編になかった。これは意地が悪いw

しかし黒いなー。
藤原さん経験者から言わせるとまだまだこんなもんじゃないらしいけど、これは本当に良いダークファンタジーだよ。
ダークファンタジーで心に残っている作品と言えば、もちろんのことダリアン。あと『シュガー&ダーク』。……あれ、『シュガー&ダーク』の続刊は?

それは置いといて。

内容が黒い割りに、心地よさを覚えるというこの矛盾はいかに。
おそらく土台がしっかりしているから、読んでいて苦にならないからだろうなー。
産業革命期のイギリスを舞台にしているのだろうけど、物語はまったくの別世界。『煉術』とか、根本から設定を加えなければならないにもかかわらず、その説得力はすごい。腑に落ちないことが一つもない。
この辺りは、著者の力量の成せる技なんだろうね。

しかし卓越した文章力が故に、理不尽な運命を背負わされたアルトとフォグの痛々しさがもろに押し出されている。何だかんだで、やっぱりこの黒さを売りにしていることがありありと分かる。

暗い地下牢に閉じ込められ、第一王女であるが故に殺されもせず、近づく者は皆殺してしまう。
大切なものは、その大切さ故に触れることもかなわない。
アルトはその体質のせいで孤独で居続けるしかなかった。
だけどそんなときに、アルトに歩み寄ってくれて、手を握ってくれるものがいた。アルトにとってフォグの存在は、あの明りの灯らない地下牢の中で一筋の光に映っただろう。

仕事で外の世界に出たがるのは、フォグと手を繋げるから。本当は外の世界も怖いし、他人も怖い。怯えて足がすくんで動けなくなってしまうほど怖いのに、フォグと一緒に居られることが嬉しくてアルトは外に出たがる。
いくら強大な力を持っていても、中身はまだまだ幼さが残っている。けどフォグと外に出るというのはつまり、仕事で人を殺すことを意味していて、まだ年端もいかない少女の純粋さと、躊躇わず人を殺す姿との二面性はやっぱり、ダークファンタジーなんだなって思う。正直、やるせないよね。

だけど、アルトがどれだけフォグのことを大切に思っているかを考えると、胸に熱い何かが滲んで広がっていく。
ダークファンタジーが好まれる理由って、残酷さ故に際立つ美しさが紛れ込んでいるからじゃないかな。丁度、アルトとフォグの関係みたいに。

ただフォグが何でアルトを第一優先に考えるかの心理描写がちょっと足りなかった気がするかな。
まだシリーズ一巻目だし、後々描かれるならそれでいいとはお思うけど。

とにかく一巻目から謎がたくさんで早くも続刊が気になるので、ぷりーずすーん!


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また新たなレーベルが、ライトノベルに参入ですか。 「BOOKDAYs!」の記事で知りました。 『このライトノベルがすごい!』大賞...
Posted at 2010.08.23 (23:53) by 読書感想未満、駄文以上。

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Comments

なんだか煉獄姫、いろんな人読んでますね!
アカイロ/ロマンスが途中で止まっているので、そっちをなんとかしてからこのシリーズに入りたいなぁと思ってるのですが……(´ω`)

とにもかくにも、藤原さんらしさはじわじわ染み出しているようなので、私も読むの楽しみですー!
Posted at 2010.08.22 (22:53) by ふぇにあ (URL) | [編集]
ふぇにあさん早過ぎるッ…
早速他コメに絡みに行きました、藤原さん経験者兼藤原厨のaskです。ダリアンと聞いてw
実は私、ダリアる使います。パソも携帯も変換順応してるくらいにはw 格の違いを見せ付けようと躍起です。アニメ化が嬉し過ぎてメーター振り切ってます

まだまだこんなもんではないです。ルナティック、アカイロに比べりゃ足りません。その不足分をアルトで補うのは自明の理。
アルトの心情のほうはまぁワザとかな、と思うようにしました。神秘性ありますからねアルトは。

このラノは全て買うつもりですが、奈々さんのオーケストラライブに向けて資金を集めなければなりません。困った困った。
あ、私は期待してるということで~。
Posted at 2010.08.22 (23:06) by ask (URL) | [編集]
だめだ、実家にいると情弱すぎるorz
このラノで出すなんて知らんかった・・・・


にしてもここ2ヶ月ほどラノベ買ってないよどうしよう
Posted at 2010.08.22 (23:14) by rove (URL) | [編集]
ボクも期待してます
正直「このラノ」の認知度はかなりのものだと思うので
しかも大賞500万って…もの凄いですよね?
大賞~栗山千明賞の3つは気になってます
ランジーン×コードとファンダ・メンダ・マウスは買いです
絶対です
ヤスダさんがイラストとか…絶対に買うしかないです

煉獄姫って藤原裕さんだったんですね知りませんでした
読んで見たいのは山々なんですがアカイロ/ロマンスを読まないと…
ああ…読みたい物と読まないとイケナイもんが多すぎる…
Posted at 2010.08.22 (23:26) by tokuP (URL) | [編集]
Re: タイトルなし
ふぇにあさん、コメントありがとうございます。

確かに、結構人気みたいですよ。電撃の新作は後退気味だったので嬉しいです。やはり力のある作家さんは新作出しても言って以上の面白さは出せますよね。

私は逆にこれを読んで『アカイロ/ロマンス』が読みたくなりました。
藤原さん初心者の私でも非常に面白いと思えましたので、ぜひ一度読んでみてください。

askさん、コメントありがとうございます。

ふぇにあさんの早さには私も驚きました。一度更新したらもうすでにコメントしていただいていたので。

なんと! すでにaskさんが使っていらっしゃいましたか。そうとも知らず新語だなんてお恥ずかしい。
いやはやさすがaskさん。ダリアンに関してはぬかりないですねw
askさんに張り合おうなどと決して思っていませんので。敗北が目に見えていますw

なるほどー。まだまだ黒さが増すのですね。それは楽しみです。
ますますアカイロ読みたくなりますね。今度見かけたら買ってみようかなー。……あぁ、また積み本が……。

私もやっぱり全部買おうかと考えなおしています。やっぱりどれも面白そうですよ。特に『ファンダ・メンダ・マウス』! 立ち読みだけでもう虜です。
奈々さんのための資金集め頑張ってくださいね!

roveさん、コメントありがとうございます。

『このラノ文庫』来月発売です。これは要チェックですよ!
二か月も買ってないのでしたら、ぜひこの機会に『このラノ』を買ってみましょうよ(^^)

tokuPさん、コメントありがとうございます。

認知度もさることながら、PR活動も凄いみたいですよ。ツイッターでもその凄まじさは窺えます。
賞金500万は確かに驚きました。
実は第二回に応募しようかと考えてるんですよね。一次審査の結果が出るのも来月なので、もしだめでも電撃には間にあいそうですし。それに賞金云々はともかく、チャンスですしね。
『ファンダ・メンダ・マウス』は本当に期待しています。ヤスダ先生というのもありますが、立ち読みしただけでもその面白さは尋常じゃないです。早く発売してほしいです。

そうなんです! 読みたいものと読まなきゃいけないものが多いんですよね。
『煉獄姫』のおかげで『アカイロ/ロマンス』も読みたくなっちゃいまいたし。
アカイロの後でも構いませんので、tokuPさんもぜひ煉獄姫読んでみてください。
Posted at 2010.08.23 (23:26) by つかボン (URL) | [編集]
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前ブログ『BOOKDAYs!』の元管理人。
入間人間先生をこよなく愛し、自らも作家を目指す小説家志望だが、その実態は堕落人生まっしぐらのダメ学生。
しかし落ちるところまで落ちればあとは昇るだけ、それは可能性の獣。

同人誌『Spica-スピカ-』のメンバーとして活動もしています。
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