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ファンダ・メンダ・マウス/大間九郎

星海社


みなさん星海社という出版社はご存知ですか? 今年の4月に講談社の子会社として発足した出版社です。
その星海社が9月15日、つまり明日、書き下ろしの小説・マンガのデジタル版を全て無料で提供するウェブサイト『最前線』をプレオープンするらしいです。また、そこで発表したコンテンツを講談社が発売元となり紙の本でも出版とのこと。
なんだかよく分かりませんが、とにかくすっごい出版社を講談社は立ちあげてきたということです。

そしてなんとなんと!
このじゃじゃ馬出版社(褒め言葉です)はそれでは飽き足らず、紙の本の出版にあたって今年11月に『星海社FICTIONS』と『星海社文庫』、来春には『星海社コミックス』と『星海社新書』というまったく新しいレーベルを立ち上げるそうなのです!
私が注目してもらいたいのは『星海社FICTIONS』!
こちらの刊行リストはすでに発表されているので紹介しますと、

虚淵玄×高河ゆん『金の瞳と鉄の剣』
元長柾木×moz『星海大戦』
犬村小六×片山若子『サクラコ・アトミカ』


なにこの豪華ラインナップ!! 一瞬目を疑いましたよ!
イラストレーター付きということなのでおそらくラノベに近いレーベルだと思うのですが、てかラノベなのかな?
そんなことよりも! 飛空士シリーズで有名な犬村小六先生ですよ犬村小六先生!
この情報を私は今日の朝見たのですが、もうそれだけで世界はバラ色に変化しました。そのあと届いた電撃文庫の秋の祭典の入間先生サイン会の落選通知を見て世界は灰色に変化しましたけどね!
この傷には触れないで。嘘、どんどん触れていいよ。俺当選しちゃったぜー! とかいう人も遠慮なくコメしてきて。全力でお祝いと羨みの言葉を差し上げましょう。

うぉっほん! 話を戻します。
イラストを担当する片山若子さんですが、名前だけだと分からない人もいると思います。ですが『春期限定いちごタルト事件』や『夏期限定トロピカルパフェ事件』の表紙絵を担当した人だと言えば分かる人も多いのでは?
絵の傾向からすると、もしかしたらラノベとは少し違うのかもしれませんね。講談社BOXみたいな感じかもしれません。とにかく犬村小六×片山若子『サクラコ・アトミカ』は要チェックです。

ちなみに、虚淵玄×高河ゆん『金の瞳と鉄の剣』は明日プレオープンのウェブサイト『最前線』にて連載が開始されるらしいのでなんと無料で読めちゃうのです。こりゃ驚きだ。
↓星海社のリンク貼っときます。
http://www.seikaisha.co.jp/information/2010/09/01-pre-open.html
リンク先に『最前線』というコーナーがありますので、おそらくそちらで読めるのでしょう。

この際なので、今分かっている情報を一通り紹介しておきます。
どうやら新作小説中心に刊行していくのが『星海社FICTIONS』で、同時に発足する『星海社文庫』は名作小説を中心に刊行していくらしいです。どちらも月刊ペーストのこと。
現在分かっている限りでは、『星海社文庫』では『ひぐらしのなく頃に』(竜騎士07・Illustration/ともひ)が文庫化刊行されるみたいです。これまた随分な名作を出してきましたね。

あと、これはちょっと私もまだよく分かっていないのですが、坂本真綾さんの企画で『坂本真綾×宮沢賢治『銀河鉄道の夜』×竹×ufotable』なるものがあるらしいです。
坂本真綾、銀河鉄道の夜、竹というキーワードだけでも期待に胸が躍るのですが、ufotableということはアニメーションか何かかな。おそらく『銀河鉄道の夜』をアニメーション化して、その映像に沿って真綾さんが朗読するのだと思います。
うむむ、これも要チェックですな。

いい加減長くなってきましたが、最後にもう一つ情報を。
星海社では新人賞として、『星海社FICTIONS新人賞』を立ち上げる予定らしいです。賞金は星海社の新レーベル、『星海社FICTIONS』の売上の1%が原資になるとか。
詳しい応募要項などはまだ未発表のようですが、近々発表されることでしょう。
私としてはやはりこの新人賞という情報が一番重要ですね。このラノといい、今の出版界、とくにラノベレーベルは盛り上がってきてますので、作家を目指す身分として嬉しい限りです。
レーベルの傾向が合えば、『星海社FICTIONS新人賞』にも応募してみようと思います。

長くなりましたが、今日の前置きはこの辺で。


ファンダ・メンダ・マウス (このライトノベルがすごい!文庫) (このライトノベルがすごい!文庫)ファンダ・メンダ・マウス (このライトノベルがすごい!文庫) (このライトノベルがすごい!文庫)
大間 九郎 ヤスダ スズヒト

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「訛りはいいのその子は訛ってないし、みんなと仲良く楽しく暮らしてるから。マウスの変態的萌ホロ―はいらないの」
「変態的ってきみ! 僕はだね! 彼女が持ち合わせていない男性目線でだね! 彼女が持っている小さな心の傷を最大のチャームポイントに変えようとしているのだよ! この崇高な精神のどこが変態的か! どこが!」
「中学一年生を男性目線で見るところが変態的よ」



――あらすじ――
おれはマウス。しみったれた倉庫でくそったれなAIシステム相手に終日ダラ~っと、家に帰ればネーネがべったり。そんな毎日。でも、おれは今の自分にかなり満足。いい女はべらして万ケンシャンパンドンペリジャンジャンBMベンツにPMゲッツーみたいなことが必要だとは思わない―のに!「嫁に!」とか言い出すジャリ娘の登場から怒涛の急展開だよ!独特で中毒性の高い文体、鳥肌ものの展開。全選考過程で物議を醸した作品が登場!第1回『このライトノベルがすごい!』大賞栗山千明賞受賞。


――感想――
あ、傑作です。


















だけで終わらせたいんだけど、どう思う? ……嘘ですごめんなさい調子に乗ってました。

このラノ文庫二冊目は、第1回『このライトノベルがすごい!』大賞栗山千明賞作『ファンダ・メンダ・マウス』です。
以前書いた記事で私が最も期待していると言ったアレです。そうコレ。
発売前から表紙ピンクで目立ちそうだねーとか思ってて、いざ店頭に並んでるの見ると本当に蛍光ピンクであらビックリ。当然なのにね。
左マコチン右ネーネの2トップヒロインs。マコチン可愛いよマコチン。無個性万歳! もはや無個性が個性万歳!

私は発売前から各所でこの作品に対する期待を声高々に叫んでいたんだけど、実のところ不安もあったんだよね。先読みした人たちの話によるとかなり癖の強い作品らしかったから。癖の強い作品は大好物なんだけど、だからって何でもかんでも好きなわけじゃないから、癖が強ければそれだけ合わない可能性も高かった。
けど読んでみるとすっとこどっこい、普通に期待通りだった。なにこれ、スゲー面白い。
さすがに期待は越えてくれなかったけどね。私の期待のハードルは3776mだから。ちなみにこの高さは入間先生のMW文庫と電マガのオリジナル短編への期待と同じです。

多くの人が言ってる通り、文章は舞城風味。まぁ、大間先生本人が舞城作品を読んでるらしいから影響されてるところはあるんだろう。けど劣化じゃないよ!
なんて言うのかな、調理の仕方が違う感じ? 同じ材料から違う料理を目指して調理してるみたいな。元の材料が同じだから味やジャンルは似通ってるけど、料理が違うんだからやっぱり別物だよ。

しかしまぁ、なんともユニークな文章だこと。
くそったれがくそったれにくそったれくそったれと連呼するくそったれ小説ですよこれは。全部褒め言葉。
私はあまり感じなかったけど、読みにくいだろうなぁ。褒めるならテンポ最高! 貶すなら句読点と接続助詞使えやコラァ! ってね。
でもいいよぉ。中毒性抜群。思いっきり中毒ですわ、私は。

確かにラノベの枠をはみ出した無茶な内容ではあるけど、ラノベじゃないと成り立たなかったのも確かだろうなぁ。ラノベの定義とか知らんけど、一般文芸じゃ通用しないでしょ。
典型的なヤンキーでしがない倉庫番のマウスの下にある日突然かつての恩師の娘、じゃりん子マコチンが現れ「お嫁にしてくれ」なんて頼んでから、途中まではどんな方向に物語が向かうのか分からないまま進むんだけど、動き出してからの超展開ぶりは凄い。
スピーディかつファンタジック。物語を構成するあらゆる要素が魅せる。読者を引き込むというのはまさにこれだよ。

そしてその物語の中核を成すマウスがね。母親との誓いだけしか信じず、母親の言葉に則ってすべてのものを受け入れ愛するファンダメンダリストマウス。そのプラトニックさは異常だし、その行動原理は素敵なくらい狂ってるけど、「主人公」っていう根幹の部分は変わらないわけで、だからこそみんながマウスの下に集まって寄り添うんだろうな。私も読み終わった後はマウスなしでは生きられない体に!

愛で人を殺すネーネとか。
年に二度ネーネ巡礼するネーネ愛しまくりのびがろとか。
世の中のありとあらゆる事象を0と1の記号でのみ解釈するミチルとか。
ほいしところにほしいリアクションをくれる美月とか。
狂ったり狂ってなかったりいろんなキャラ出てくるけど、こう見るとホントマコチン個性ないなー。そこがいいんだけどね。

けど実をいうと一番可愛いのはくそったれAIというこのくそったれな事実。まさかロボ萌なんて領域があるとは。いや、最近はそういうのも増えてるけど、言ってしまえば初音ミクだって同じようなもんでしょ?
けど人型でもない純然たるロボットに萌えるなんてそんなことが……!
それでも私は意地でもマコチン派です。

ついでにあとがきの話すると。
だいたいはインタビューにもあった話と被ってるんだけど、執筆における基本的なルールを知らなかったのはさすがに驚いた。いくら処女作とはいえ、腐るほど本を読んできたのなら分かりそうなもんだけど。でも本読む人でも、三点リーダーは二個つなげるとか、鍵かっこは段落を下げないとか知らない人って案外いるから、そういうレベルで捉えていいの……かな?
でも段落なしで応募規定枚数書いたってことは、修正前はとんでもない文量だったんだなきっと。詩文的要素とか最初からあったのか知りたいなー。脳のどこら辺からこのアイディアは漏れ出てきてんだろ。

一言言っておくと、本当に読者を選ぶ。それは確か。
それでも、次回がファンダの続刊になるのか新作になるのか分かんないけど、てかそもそも大間先生が次を書くのかどうかも怪しいけど、私は大間先生の軌跡を追い続ける!
次回作心よりお待ちしております。


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Author:つかボン
前ブログ『BOOKDAYs!』の元管理人。
入間人間先生をこよなく愛し、自らも作家を目指す小説家志望だが、その実態は堕落人生まっしぐらのダメ学生。
しかし落ちるところまで落ちればあとは昇るだけ、それは可能性の獣。

同人誌『Spica-スピカ-』のメンバーとして活動もしています。
コメントなどはお気軽に。
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