FC2ブログ

僕たちは監視されている/里田和登

9000HIT御礼!


早いもんですねー。
ついこの前8000HITしたかと思えばもう9000HITです。毎度ながらみなさんのおかげです。感謝しても感謝しきれません。
どうかこれからも応援していただければ嬉しいです。

9000HITありがとうございました!!!


僕たちは監視されている (このライトノベルがすごい!文庫) (このライトノベルがすごい!文庫)僕たちは監視されている (このライトノベルがすごい!文庫) (このライトノベルがすごい!文庫)
里田 和登 国道12号

宝島社 2010-09-10
売り上げランキング : 8876

Amazonで詳しく見る
by G-Tools



 この人だけには負けたくない。絶対に、絶対に、対等でいたいんだ。



――あらすじ――
「IPI症候群」と呼ばれる病の治療者「IPI配信者」として、小日向祭は自活しながら日々騒がしい高校生活を送っていた。そこに、同じく「IPI配信者」であるテラノ・ユイガが転校してきたことにより、祭たちの高校生活は波乱含みの変化を余儀なくされていく…。親友の一葉も交え、思春期の心が織りなす友情と秘密の近未来青春ドラマがはじまる。現代社会への寓意も込められた、第1回『このライトノベルがすごい!』大賞金賞作品。


――感想――
このラノ三冊目、第1回『このライトノベルがすごい!』大賞金賞受賞作『僕たちは監視されている』。
ちょっと時間かかっちゃったけどようやく読み終わりました。

これは面白い。
公式サイトのトレーラー映像の出来栄えが良かったから内容に興味津々だったんだけど、見事に予想を外された。このラノのことだから変化球は当然と勘繰っていたら魔球がきたみたいな感じ。
魔球は言いすぎかもしんないけど、例えるならテニプリの赤也のナックルサーブ。このラノって、実際に読むまで何が飛び出してくるのかまったく分からないということを、この作品を以て確信させられたね。(赤也のナックルサーブを知らない人は意味不明で本当に申し訳ないです)

ファンダに続き異色と呼べる本作品。こっちもこっちで本当にラノベなのか怪しいぐらい。むしろこっちのほうが一般文芸で通用するんじゃないのかと思う。情報社会となった日本の現状を、深くまでよく捉えていると思う。

『IPI症候群』、通称クローラと呼ばれるそれは、周囲の秘密を知りたがる病気。依存症に似たようなもので、禁断症状も危ぶまれている病なのだ。
情報社会によって産まれた負の産物のようなその病気が拡大していく中、日本政府は『IPI症候群』罹患者の治療として、個人のプライバシーをリアルタイムに動画で配信するという計画を発案した。コンテンツと呼ばれるIPI配信者たちは、レベルに応じて個々のプライバシーを患者に向けて配信しながら生きていく。
コンテンツである祭、祭の幼い頃からの親友である一葉、そして同じくコンテンツであるユイガ。本作は彼女ら三人がメインとなって物語を彩っていきます。

つまりは、USTREAMが国単位で公式に制度化された日本で、少女たちが過去の痛みや現実の辛さに立ち向かっていく青春小説ってことです。
タイトルだけだと暗いイメージがあるけど、全然そんなことはない。本当に真っ直ぐな少女たちの気持ちが描かれている。設定や世界観はラノベにしては異色かもしれないけど、展開だけ見るなら良い意味で王道と言える。
決して折れ曲がらない、何度転んだって立ち上がる屈強な真っ直ぐ少女たちが、青春の舞台を脇目もふらず突っ走っている。そんな印象だろうか。

けどタイトルのちぐはぐさがあからさま過ぎるんじゃないかと思うんだよなぁ。プライベートをこちらから進んで提供してるわけだから、「監視されている」のとは違う気がするけど。
例えば千坂のような第三者から見れば監視されているように映るんだろうけど、どうも納得いかない部分は残る。些細なことなんだけどね。

個人的に一葉はすごく好きです。
発言がいちいち真理を穿っているというか、人間の汚れた部分の代弁者みたいで小憎たらしいんですけど、そんな一面が人間臭くて好感が持てる。千坂や宇留野とのやり取りとか謎に鳥肌が立つし。ああいうセンスのある会話が描けるのって羨ましいなぁ。

少しだけ気になった点を言わせてもらうと、最後のユイガの「これからは私が祭ちゃんを守るんだ」という言葉には少し首を捻ってしまった。祭はユイガと対等でありたいと願って、自らの秘密も明かしてそう呼びかけたはずで、ユイガ自身も対等でありたいと思ったはずなのに『守る』だと完全に上下関係が出来あがってしまうんじゃ……。
でもそういうのって、二人の中で形作られている『対等』の定義にもよるよね。祭とユイガの間には若干の理解の齟齬があるのかもしれない……ということにしておこうか。

ちなみにこれは続刊出るのかな? 回収されてない伏線とかある気がするけど。
結局、体育の授業前に謙吾が「見た状況」ってなんだったんだろう。もしかして、私が読み足りなくて気づいてないだけ? だれか知っている人がいたらご一報よろしくです。

心スカッとする良作でした。


関連商品
ランジーン×コード (このライトノベルがすごい!文庫) (このライトノベルがすごい!文庫)
暴走少女と妄想少年 (このライトノベルがすごい!文庫) (このライトノベルがすごい!文庫)
ファンダ・メンダ・マウス (このライトノベルがすごい!文庫) (このライトノベルがすごい!文庫)
伝説兄妹! (このライトノベルがすごい!文庫) (このライトノベルがすごい!文庫)
ゴールデンタイム〈1〉春にしてブラックアウト (電撃文庫)
by G-Tools


スポンサーサイト



Leave a comment

Private :

Comments

いる鹿さんこんばんはです。携帯から失礼w

どうも煮え切らないんですよね~(汗
序盤にあった抜群の安定感が次第に薄れ始め、そこから崩れた気がします。ですが逆に考えると、目を見張るほどのものだったから崩れるのも目立った。とも取れます。要するに面白かったんです。だからこそ惜しい。って印象です。自分でもよく分かってませんが…

今手元に本が無いのでうろ覚えですが、その件は恐らく。
ユイガが責められているのを見て『同じ』(的なニュアンスの何か)を発言したのでは。コンテンツとして同様の存在という意味で…。
箇所間違えてたら華麗なるスルー宜しくですw
Posted at 2010.09.19 (23:43) by ask (URL) | [編集]
Re: タイトルなし
askさん、コメントありがとうございます。

どうもいる鹿です。どうでもいいですが、「いる鹿」って「いるか」って読むんですかねw

私は逆に後半で盛り上がった印象でしたね。確かに序盤の安定感は凄まじく、後半にかけて崩れてはいましたが、安定感が崩れたからこそのあの山場っだったかなーって思います。
でも惜しいと言えば惜しい。もっと別の切り口もあったでしょうから、序盤の安定感を保つこともきっとできたでしょうね。
一つの作品に対し、「もっとここはこうするべき!」と思えることはすごく素晴らしいことですよ。

あ、なるほど。あとの展開を読めば一目瞭然でしたね。
つまり謙吾の見た状況というのは、保健室でクラスメイトに迷惑をかけまいと一人勉強していたユイガのことだったのですね。
あー、これで謎が解けてスッキリしました。ありがとうございます。
やっぱり、私の読みが浅かっただけでしたねw
Posted at 2010.09.20 (00:06) by つかボン (URL) | [編集]
このライトノベルがすごい文庫の存在を初めて認識しました。
世の中にはたくさんの文庫があるのだなぁとまだまだ自分の視野の狭さに嘆くばかりです。
Posted at 2010.09.21 (22:27) by 朝日悠 (URL) | [編集]
Re: タイトルなし
朝日さん、コメントありがとうございます。

このラノ文庫は今月の10日に刊行されたばかりの新レーベルですからね。かなりPR活動に勤しんでいるようですが、知らなくても仕方がないかもしれません。
ですが、今回刊行された5冊はどれも面白いのでぜひ読んでみてはいかがでしょうか? 特にオススメは大間九朗先生著作『ファンダ・メンダ・マウス』です。
Posted at 2010.09.21 (23:46) by つかボン (URL) | [編集]
- - - - - - 1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31 - - - - -
04 06
FC2カウンター
ブログランキング

FC2Blog Ranking

応援とか色々
プロフィール

つかボン

Author:つかボン
前ブログ『BOOKDAYs!』の元管理人。
入間人間先生をこよなく愛し、自らも作家を目指す小説家志望だが、その実態は堕落人生まっしぐらのダメ学生。
しかし落ちるところまで落ちればあとは昇るだけ、それは可能性の獣。

同人誌『Spica-スピカ-』のメンバーとして活動もしています。
コメントなどはお気軽に。
どうぞよろしくお願いします。

MY読書メーター
つかボンさんの読書メーター つかボンの最近読んだ本
検索フォーム
カテゴリ
最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
リンク
RSSリンクの表示
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QRコード