FC2ブログ

ゴールデンタイム1 春にしてブラックアウト/竹宮ゆゆこ

電撃秋の祭典のレポートが予想以上に長くなったので前置きと感想を分けました。なので今回は感想だけ。


ゴールデンタイム〈1〉春にしてブラックアウト (電撃文庫)ゴールデンタイム〈1〉春にしてブラックアウト (電撃文庫)
竹宮 ゆゆこ 駒都 えーじ

アスキーメディアワークス 2010-09-10
売り上げランキング : 33

Amazonで詳しく見る
by G-Tools



「だから消えたりしないで。死んだりしないで。そんなことを怖がらないで。そんなことにはならないよ。だって私は、絶対に、多田くんのことを忘れない。そして私を、私のこと、こんなにばかで、恥ずかしくて、どうしようもない今夜の私を、たった一度のこの春の私を――」
 ぐっ、と一度、香子が息を深く詰めた理由はわからない。
「私を、どうか、忘れないで……!」



――あらすじ――
晴れて大学に合格し上京してきた多田万里。大学デビュー、東京デビュー、ひとり暮らしデビュー、と初めてのことづくしで浮足立つ彼は、入学式当日、不意打ちにあう。圧倒的なお嬢様オーラ、完璧な人生のシナリオ、得意なのは一人相撲。襲撃者の名は加賀香子。薔薇の花束を万里に叩きつけた彼女は、万里の友達でもある幼馴染みの柳澤を追いかけて、同じ大学に入学してきたという。そんな眩しくも危うい香子が気にかかり、放っておけない万里だが―?竹宮ゆゆこ&駒都えーじの強力タッグが贈る青春ラブコメ。


――感想――
とらドラ全部読んでないけど、先に読んじゃったよ。

期待していた竹宮先生の『とらドラ!』以来の新作です。
ちなみに、本作品が記念すべき電撃文庫2000タイトル目だそうです。

なんだかスゲー面白い。飛び抜けてというわけじゃないけど、読んでいると心地が良い。ずっと読み続けていたくなるような、続きをひたすらに渇望してしまうようなそんな感覚。
一言で言うと、物語が柔らかい。
羽毛布団に包まれがごとき温かさが、本を持つ手から伝わってくる。読了後は、さざ波に揺られるような余韻が胸一杯に広がった。

あらすじを読んだ限りでは、とらドラと設定が似通っていて多少の不安はあったけど、なんのその。竹宮先生はきっちり新たな風を吹かせてくれました。

序盤は何がなんだかよく分からなくて読んでいて退屈だったけど、万里が香子に話しかけてからは急激に面白さが増して、どんどんと読まされる。ガラッ、と物語の雰囲気が様変わりするんだよな。
正直、大河より香子のほうが好きだな。理不尽じゃないし、暴言も吐かないし。
ラノベにおいて大学生と高校生の焦点の当て方の違いは、常識を弁えているかどうかってところにあると思うんだよ。ぶっ飛んだキャラも好きだけど、理解不能に陥らず安心して見られるという点で、私は大学生の話が大好きです。

とにかく香子ですよ香子。
無神経でヤナっさん命でヤナっさん以外のものなんて何も見えていなかった香子が、少しずつ万里に心を開いていく様子が実に良い。
そこに恋愛感情は生まれないのかもしれないけど、でも友達ではなく、それ以上の特別な絆で繋がる二人の関係が見ていて心地よさをくれる。
他人の前では見せない素の姿を自分にだけ見せられたら、やっぱ男としては気になっちゃうよなぁ。

相も変わらず波乱万丈な恋愛模様が描かれているけど、でもどこまでも等身大でリアル。
それはきっと、登場人物たちがリアルに描かれているからだと思う。会話から庶民臭がぐんぐん漂ってくるし、とんでもキャラとかも出てこないし。そういう意味では、ラノベらしくないと言えるかもしれない。
香子は微妙だけど、それ以外のキャラなら実際にいてもおかしくない。てか、探せばきっといるよ。それぐらいリアル。
だからこそ共感もしやすいし、まるで日常の一コマのように、くだらないけどどこか大切に思ってしまう。
こういう大学生活送りたかったなー。
ちなみに千波は(シャレみたいになった)、私の頭の中でCV阿澄佳奈で勝手に脳内変換されてます。

一巻ではまだまだ物語の方向性が定まりきっていない印象。若干のファンタジー要素もあったし、リンダ先輩もこれから関わってきて恋模様も荒れに荒れるだろうと予想できる。
ただ残念なことに、続刊は来年の春ごろだそうな! 本気で泣きそうになった。
できるだけ早目の刊行を期待してるよ! 頑張れ竹宮先生!


関連商品
電波女と青春男〈6〉 (電撃文庫)
狼と香辛料〈15〉 太陽の金貨<上> (電撃文庫)
月光 (電撃文庫)
小春原日和の育成日記〈2〉 (電撃文庫)
花×華〈2〉 (電撃文庫)
by G-Tools


スポンサーサイト



Leave a comment

Private :

Comments

とらドラの二番煎じを危惧していましたが、とんだ杞憂でしたw
私は読破組なので大河を贔屓目で見てしまいますが、いや、こちらはこちらでしっかりしてましたね。整然理路な性格と、周りで起こる出来事のズレ具合。この差が堪らなかったです。不安定故に安心して見ていられるというか。
「こんな大学生活を送りたかったなー」って、今あなた何歳ですかw
Posted at 2010.09.29 (06:10) by ask (URL) | [編集]
ボクも読破組なんで大河をひいき目で見ちゃいますね。
でも、香子はとらドラに出てきたキャラクターにはない「綺麗」って印象を受けますね。何というかどことなく優雅な雰囲気がします。
おそらくこのシリーズもとらドラ並に続くんでしょうけど、そう考えるとその1巻目としたら凄い面白さですよね。
個人的な希望としてはあみたんみたいなキャラクターが…w。
Posted at 2010.09.29 (06:41) by tokuP (URL) | [編集]
つかボンさん、こんばんは。
つかボンさんも、この作品読まれたといっていたので、感想楽しみにしてました。
分かります!こういう大学生活送りたいですよね~
竹宮先生の描く世界は非常にリアルなんで、こんな大学生いそうですよね。
竹宮先生がこれからどんなキャンパスライフを書くのか楽しみです。
Posted at 2010.09.30 (03:46) by じたま (URL) | [編集]
Re: タイトルなし
askさん、コメントありがとうございます。

そうですよね。私も危惧してましたがまさに杞憂。竹宮先生を侮っていたことが恥ずかしいです。
やはり読破組の大河への愛は大きいのですね。私も早く読まないとなー。
歯車の噛み合ってない感じが本当に堪らないですよね。どんな方向に向かっているのか分からないのに、自然と読まされる。これが不安定故の安心なのですね。

いや、人間二十歳を過ぎれば衰退していく一方ですからw すでにティーンエイジが懐かしいです。
去年までは私も精一杯大学生活をエンジョイしてた気がしますけど、今となっては男とつるむばかり。正直、人生のパートナーを見つけるのは社会人になってからでいいか、って気分ですw 見つかるかそうかはさておき。

tokuPさん、コメントありがとうございます。

tokuPさんも大河派ですか。ていうかなんですか! 読破すれば誰もが大河贔屓なるようなその言い草は! 私はみのりん派だ!w
いえでも、マジで早く読まないとですね。
実態はどうか分かりませんが、香子は一応お嬢様設定ですしね。綺麗で優雅な雰囲気は存分に出てましたね。だからこそあの乱れようが深く印象に刻みつけられましたw

今回もおそらく長寿シリーズとなりそうですね。どれだけこのテンションを保つことができるか。今後が楽しみですね。
亜美みたいなキャラいいですね。私はリンダ先輩の覚醒を信じてますw

じたまさん、コメントありがとうございます。

楽しみにしていてもらったのに、書いてる最中眠くて、内容は酷いものとなってしまって申し訳ないです。最近妙に眠いんですよね。
それでも分かっていただけて嬉しいです。私はまだ在学中ですが、もう手遅れなんですよねw あぁー、入学式からやり直してー。
絶対に私の大学とかにいますよ、こういう大学生。羨ましい限りです。千波いないかな千波w
本当に次巻が楽しみですね。
Posted at 2010.09.30 (20:52) by つかボン (URL) | [編集]
- - - - - - 1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31 - - - - -
04 06
FC2カウンター
ブログランキング

FC2Blog Ranking

応援とか色々
プロフィール

つかボン

Author:つかボン
前ブログ『BOOKDAYs!』の元管理人。
入間人間先生をこよなく愛し、自らも作家を目指す小説家志望だが、その実態は堕落人生まっしぐらのダメ学生。
しかし落ちるところまで落ちればあとは昇るだけ、それは可能性の獣。

同人誌『Spica-スピカ-』のメンバーとして活動もしています。
コメントなどはお気軽に。
どうぞよろしくお願いします。

MY読書メーター
つかボンさんの読書メーター つかボンの最近読んだ本
検索フォーム
カテゴリ
最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
リンク
RSSリンクの表示
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QRコード