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GOSICKⅡ ―ゴシック・その罪は名もなき―/桜庭一樹

アニメGOSICKとか他のアニメとか


予告通りアニメ放送前にもう一冊読みましたー。あ、原作GOSICKの話です。
え、アニメはもう始まってるって? 何を仰る関東のみなさん。関西では今日からなのです。

もうアニメ見た方たちの意見を聞くと概ね好評のようです。
今期『フラクタル』、『みつどもえ』、『レベルE』に並んで期待している作品なのでこれは吉報。

今期は不作なんて言われてますが、実際に視聴してみるとそうでもないように思います。
今までに見た作品は、『Rio』、『魔法少女まどかマギカ』、『夢喰いメリー』、『みつどもえ』、『お兄ちゃん(以下略)』、『これはゾンビですか?』かな。放送されたものは一通り見ています。あ、『ドラゴンクライシス』は放送時間被ってたのでまだ未視聴ですが。
で、正直に言うと『Rio』は残念だったと言わざるを得ませんが、それ以外は1話を見る限りでは悪くありませんでした。
アニメでもドラマでもなんでもそうですが、1話は視聴者を引き込むために当然力を入れるものなのでこの先はわかりません。
ですが逆に言えば、1話がよければそれだけ製作側が力を入れているということなので、成功を期待できる要因にはなり得るのではないでしょうか。
全話見終わったあとで、「悪くなかった」が「良かった」に変わることを願いたいです。






GOSICKII  ―ゴシック・その罪は名もなき― (角川文庫)GOSICKII ―ゴシック・その罪は名もなき― (角川文庫)
桜庭 一樹

角川書店(角川グループパブリッシング) 2009-11-25
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「久城、君、落ちてもいいやと思っただろう」
「えっ、えっと…………」
 ヴィクトリカの声はとても怒っていた。一弥は頭を掻いた。なんと答えようか困っていると、ヴィクトリカは怒った声のままで短く言った。
「落ちたら駄目だ」
「……そうだよね」
「………………………………ばか」



――あらすじ――
「“灰色狼の末裔”に告ぐ。近く夏至祭。我らは子孫を歓迎する」不思議なその広告を見たヴィクトリカは夜、学園を抜けだし山間の小さな村にやってきた。時が止まったようなこの地で、またも起こった惨劇。それは、かつて彼女の母・コルデリアが巻き込まれた事件と呼応するかのように続いてゆく。そして、最後にヴィクトリカが見抜いた真実とは…!?直木賞作家がおくるダーク・ミステリ待望の第2巻登場。


――感想――
その読んだ2巻です。

今回は前巻に比べてなげー、と思ったら案外すらすら読めた。
やっぱり文章が関係してんのかね? 2巻を読んで再度桜庭先生は文章が上手いのか下手なのかわからなくなった。
でも、決して読みにくいわけじゃない。むしろ読みやすいからこそ、400P近くをすんなり読み切れたわけで。
簡素と言うよりは、単純のニュアンスに近いのかな?
必要以上でも必要以下でもなく、巧妙な言い回しで飾ってるわけでもない。読者が知りたい情報を最短距離で伝えているイメージ。
こういう作家さんにはあまり出会ったことがないから実に興味深い。

内容は面白かった。んーやっぱり、このタイプのお話が好みなんだなーって思う。
とある新聞記事に載せられた奇妙な広告。
なぜかその広告にヴィクトリカが異様な興味を示す。いつもの退屈しのぎではなく、なにか切羽詰まったような表情で。
その広告に示された場所へ、一人で勝手に向かおうとするヴィクトリカを一弥は追いかけ、二人は外の世界から隔絶され独自の文化を築く『名もなき村』を訪れる。
それはヴィクトリカの実の母親の過去へと繋がる旅路。
ヴィクトリカは言う。「ある人の無実を晴らしにきたのだ」と。

全体的なストーリーラインはやや途中で中弛みして失速してた印象は受ける。1巻のあの、不要な部分を削ぎ落して磨きのかかったダイヤモンドのような清廉さは感じられなかった。
でもこっちの方が好きかもしれない。

そう思えるのは、一弥とヴィクトリカのお互いに対する認識の変化が見て取れるようになったからだと考察する。変化と言うより、進展と言うべきかな。
前巻から一弥に懐いていたヴィクトリカだけど、今巻ではさらに、一弥を慕うヴィクトリカの感情の奥が覗けたような気がする。
本来なら混乱の言語化に報酬を要求するが(その所為でブロワ警部はヴィクトリカに直接頼むことができない)、一弥には無償で行うヴィクトリカ。
一弥に目を瞑ってと言われたら、何があっても目を開けず一弥に身を任せるヴィクトリカ。
そして、大事にしていたペンダントよりも一弥の手を取ったヴィクトリカ。
自分の命を預けてもいいと思えるほど、ヴィクトリカは一弥に全幅の信頼を寄せている。

でもそれは、ヴィクトリカに限ったことではない。
一弥も、村長に未来を予言されるときにヴィクトリカとの関係のことを口にしたり、ときには苛立って腹を立てることがあっても、何よりもヴィクトリカのことを第一に考えている。例え自分の命が危なくても、ヴィクトリカを優先するほどに。
その背景には男として立派な父や兄の影があるのかもしれない。
でもそれは要因の一つにすぎなくて、久城一弥という一人の人間がヴィクトリカを守りたいと思っている面もあるはずなんだ。

この二人の信頼関係が眩しいほど羨ましい。
結局この信頼関係はお互いとも、
「……本より友達のほうが大事だ」

この言葉にすべて集約するのかなーって。
願わくばこの二人がずっとともにいられたらいいけど、不吉な予言の所為でこの先を色々考えちゃうんだ。

その予言だけど、ヴィクトリカは最初背のことを言っていたのに、その時点で「可愛いなうりうりぃ」なんて思ってはいないけど(ええ、本当に)、実は……って裏の真相があってニヤニヤでした。ベタだけどね、二人の関係性を表すには重要なネタ。
あと、お風呂で歌うヴィクトリカが、可愛いと言うか意表を突かれて呆然。
でもユーモラスで好きだなー。想像したら笑えちゃう。

今巻も謎のトリックは易しい。事細かくはわからなくても、犯人は容易に特定できる。
けれど解説にもあった通り、ミステリの入門編としてはこれ以上にない適切な出来だと思う。シャーロック・ホームズのような探偵ものを気軽な気持ちで楽しんでもらいたい。そんな桜庭先生の想いが込められた本なんだということが実感できた。

ところでアブリルが可愛い。

さて!(え)
アニメには追いつかれたくないので(そう言って今までに幾度となく追い抜かれてきたけど)、あまり時間を空けずにシリーズを読んでいくつもりです。
原作ではなくアニメを楽しむつもりの方も、一緒にこのビューティフルワールドを堪能していきましょう。



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Comments

こちらもアニメ1話見ましたよ~
ごろごろ転がるヴィクトリカにやられました。
あんなところ小説ではなかったぞ!やるなスタッフ! とスタッフを褒めてあげたいくらいです。
声は個人的にはお気に入りなのですけど、賛否両論あるみたいですね(・ω・`)
本当にしわがれ声にしちゃうとアニメとしてダメだろうし、丁度良いところに落ち着いたかな とは思うのですけど。
何にせよアニメではここからが本番、あの2人の活躍が見れるのは楽しみでなりませんw

そして2巻、2人の関係がだいぶ発展してきたみたいですね~
一弥がいじられっぱなしだったのが、いじりいじられになってて…もう見てて可愛くて仕方ありません。
全体的にヴィクトリカの天然っぽさが出てたせいもあるのですかね?
何にせよ私もこれから3巻突入です。2人の活躍を見守ってみることにします。そして出来れば、2人が離ればなれにならないことを祈って…
Posted at 2011.01.12 (00:16) by 茶ネコ (URL) | [編集]
ああ、アニメもう始まってたんですか。
今日はもう間がないのですが、明日にでも見てみます。
ヴィクトリカは本当にお爺さんの声なのか――。

ほんと、桜庭一樹は上手いのやら下手なのやら。
私は、上手いのにあえて色々装飾しているんだと思うのですが。
普通に電報をうつシーンでも、情報が光の尾を引いて夜の空を駆け~とか書きますから。
けれどそういう書き方をしても、変に思えないんですよね。
それを考えると、やっぱ上手いんでしょう。
Posted at 2011.01.12 (20:56) by サクラ (URL) | [編集]
Re: タイトルなし
茶ネコさん、コメントありがとうございます。

私も昨日見ました。OPがすごく気に入っています。
転がるヴィクトリカには参りましたよ。人形というか、ぬいぐるみみたいに抱きしめたくなりますw
悠木さんよかったですね。
私としてはしわがれ声がよかったですけど、それだと原作読んでいる人にしか受けなくて、アニメとしては成り立たないでしょからね。
でも悠木さんはヴィクトリカのミステリアスな雰囲気やときおり見せるあどけなさを上手く表現できていたと思います。
アブリルの登場と、アブリルが話す船名の伏線がカットされていたのが残念でしたが、全体的にかなりいい出来だったと思います。今後が楽しみですね。

ヴィクトリカの人間臭さがところどころに出ていた巻でしたね。
それを一弥が指摘して、でも結局最後には言い負かされるやり取りが面白かったです。シュンとなる一弥も可愛いなとw
私は何冊か他作品を読んでから次巻の3巻を読み進めたいと思います。
楽しみです。

サクラさん、コメントありがとうございます。

私は昨日見ました。
重要なネタばれではないと思いますので声のことについて言っておくと、しわがれ声ではありませんでした。
私はしわがれ声を期待したのですが、やはりアニメでは無理があったみたいです。
さすがにしわがれ声だと原作を読んでいる人にしか受け入れられないでしょうから、正しい判断ではあったと思います。
それでも個人的にはよかったなーと感じましたよ。ぜひ見てみてください。

上手いのか下手なのか謎ですよね。
作品によって書き分けているのでしょうか? 意識的にこういう文章を書いているのだとすると、それはやはり上手いのだと思います。
ますます興味が湧いてきちゃいますw
Posted at 2011.01.13 (00:53) by つかボン (URL) | [編集]
アニメ、ヴィクトリカ可愛かったですよね
ただもう少し掠れた声と思っていたので
アニメのは結構予想外でした
近いうちに自分も今期のアニメの感想書くので
どうぞ見に来てやってください
Posted at 2011.01.14 (23:51) by シャモ (URL) | [編集]
Re: シャモさんへ
コメントありがとうございます。

ヴィクトリカ可愛かったですね。
私も原作通りしわがれ声がよかったのですが、それだと原作既読者に受け入れられませんからね。アニメとして成り立たせるためには仕方なかったのでしょう。
それでも悠木さんはよかったと思います。しわがれ声でなくても、ヴィクトリカの雰囲気を上手く表現できたと思います。
アニメの感想記事見させてもらいました。
コメントも書きましたのでよろしくお願いします。
Posted at 2011.01.15 (22:06) by つかボン (URL) | [編集]
桜庭先生の文章は上手だと思いますよ。作品にあわせて文体を変えているのではないかと、私は思います。GOSICKの場合は海外ミステリーの翻訳調の文体ですね。他の作品を読んでみるとわかりやすいかもしれません。最初、私も抵抗があったのですがなんだか慣れてしまいました。
Posted at 2011.01.23 (18:24) by 西由記 (URL) | [編集]
Re: 西由記さんへ
コメントありがとうございます。

私はまったく抵抗ないんですが、というかむしろ好きなんですが、本当に特殊なんで興味深いんですよね。
やはり海外文学の翻訳調の文体ですよね。
他の方とも議論してたのですが、もし作品よって使い分けるように意識的に変えているのだとしたら、これは正真正銘上手い文章だという結論に至りました。
なんにせよ他の作品も読んで研究したいと思います。
取り急ぎ、積んでる砂糖菓子ですかね。
Posted at 2011.01.24 (02:54) by つかボン (URL) | [編集]
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前ブログ『BOOKDAYs!』の元管理人。
入間人間先生をこよなく愛し、自らも作家を目指す小説家志望だが、その実態は堕落人生まっしぐらのダメ学生。
しかし落ちるところまで落ちればあとは昇るだけ、それは可能性の獣。

同人誌『Spica-スピカ-』のメンバーとして活動もしています。
コメントなどはお気軽に。
どうぞよろしくお願いします。

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