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とある飛空士への恋歌5/犬村小六

僕と契約すればいいよ! byキュウベエ


アニメの話題でも一つ。
『放浪息子』と『魔法少女まどか☆マギカ』が面白すぎやしませんか?
話題というか、これが伝えたかっただけなのですが、しかし本当に面白いんです。
まったくジャンルの違う両作品ですが、見事に私の好みを射抜いてくれました。
放浪息子はノイタミナということで放送前から期待はしていたのですが、まどマギはとんだダークホースでした。今となっては今期最も注目している作品です。
やはり新房×シャフトに外れはないのでしょうか?
いえ、今回に限っては脚本を務める虚淵玄先生の力が強大なのでしょう。
まどマギを見てから虚淵さんに惹かれ、星海社文庫の『Fate/Zero』を購入しました。ガガガ文庫のブラックラグーンも買ってみるつもりです。
まどマギは今後の展開がまったく読めない。下手をすれば駄作へと成り下がる可能性も大いにありますが、同程度に傑作の展望も望めます。
毎週先が気になって仕方ないです。

今期のノイタミナは放浪息子に加え、フラクタルも放送してますが、当初期待していたフラクタルよりは今は放浪息子でしょうか。もちろんフラクタルも面白いです。
しかし放浪息子は、爽やかさの中の異常性と言うのでしょうか。これが私の目指す作風像に近いんですよね。
漫画作品ではありますが、どうしたらこんな雰囲気が出せるんだろうと勉強もかねて視聴していると、どんどん物語の中に引き込まれていきました。
同じくこれからの展開が楽しみな作品です。
佐々ちゃん可愛い。

今期のアニメは次いで、GOSICK、レベルE、これゾン、フラクタルが面白いです。
それぞれ評価できる点に違いはありますが、共通して言えることは、構成がしっかりしているということでしょうね。ストーリーラインにぶれがないので、見ていて違和感を覚えません。
いわゆる「どうしてこうなった」状況がないということです。

なんにせよまだ3分の1が終わったところ。先はわかりません。
ゆるーりと楽しんでいこうかなと思います。







とある飛空士への恋歌 5 (ガガガ文庫)

とある飛空士への恋歌 5 (ガガガ文庫)





「きみを奪い返しに、必ず行くから!!」



――あらすじ――
イスラとの休戦交渉の座に就いた空の一族の要求は、風呼びの少女ニナ・ヴィエントの身柄だった。イグナシオの取りなしにより機会を得たカルエルは、出立の日、想いの丈を彼女にぶつける。「このまま逃げよう、クレア。ふたりで。空の果てまで――」かつての力を取り戻し、愛すべき人を救った風呼びの少女。革命によりすべてを失い、追放劇の果てにかけがえのない生を得た元皇子。ふたりの選ぶ道、未来は……!? そしてイスラは「空の果て」にたどり着く。すべての謎が解き明かされる! 超弩級スカイ・オペラ「恋歌」、感動のフィナーレ!!


――感想――
なぜだか私がいつも利用している画像リンクサイトに『とある飛空士への恋歌5』の画像がないので、今回は別のものを使わせてもらっています。形式がいつもと違うのはそういう経緯からです。

さて。
テストやらなんやらでまったく小説が読めてなかったのですが、とにかく何よりも早く読みたかった一冊を読ませてもらいました。

とある飛空士への恋歌、ついにシリーズ最終巻。
この日をずっと待ち望んでいた。でも同時に、読み終わってしまうことで文字通り物語に終止符を打つことがどうしようもなく悲しかった。それでも読みました。
今はただただ余韻に浸るばかり。上手く言葉が紡げません。

今月のラノベ新刊では、『嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん10』の次に楽しみにしていた作品だけれど、書店で手に取ったとき抑えきれない切なさが込み上げてきた。また、みーまーを読み終わったときに味わったあの虚無感を味わわないといけないのかと思うと、酷く怖くなりました。
でもきっと、私はその虚無感を味わいたいんだと思う。
最終巻まで読み終えることが、この『とある飛空士への恋歌』という物語へのハナムケとなるはずだから。

結果的に言えば、今すごく悲しいです。
彼らの世界で彼らの物語はまだ続いているのに、読者である私たちはもうそれを知ることができない。一緒に物語を追いかけることができない。
そんなときは著者の気持ちを考えます。
著者である犬村先生の心の中では、この物語の続きの世界が広がっているのだろうかとか。
詮なきことなのかもしれませんが、そうやって作者の気持ちを想像しながら、自分なりに物語の続きを空想したりするのって楽しいですよね。

久しぶりでイマイチ感想の形式を忘れつつあるので、どんな感想を綴ろうかと現在書きながら悩んでいるところですが、まずは表紙やカラー絵について。

表紙がネットで公開されたときは歓喜したものです。
カル&ニナ→カル&クレア&アリー→カル&アリー→クレア→カル……といった順番で1~5巻まで描かれているのですが、前巻のクレアソロから今巻のカルソロへの繋がり方がいいなーと。
夕陽を背景に飛空機へ向かうカル。身長も伸び、わずかにこちらを振り返った顔には精悍さが窺える。
つまり成長したカルが描かれている。
人の成長って、喜びと同時に悲しさも孕んでるように思う。なんとなく別れを意識してしまう。
夕陽のモノトーンと相成って、寂寞の風景を浮かび上がらせています。
実はこの表紙にはまだ小さな秘密があるのですが、それは後述します。

そして表紙を開けば待っているのは、このシリーズの象徴とも言える青き大空と、今まで紡がれてきた思い出の場面。
クレアの言葉とともに走馬灯のように流れる思い出の数々が否応なく涙を誘う。
楽しいことも悲しいことも、読者である私たちも彼らと一緒に歩んできたのだと思うと、まさに感無量。
もう一つ3つ折りの大きいカラー絵があるのですが、こちらはネタばれになりかねないので触れないでおきましょう。私個人としてはこちらのぜひとも注目してもらいたいのですが。
両面のイラストとも、森沢さんの死力が伝わってくる素晴らしい出来になっています。

挿絵については軽くしか触れないつもりです。
なぜなら犬村先生がツイッター上で、挿絵には一部ネタばれが含まれていると読者に注意を促していたからです。
これから読もうという方、要注意です。

では本編へ。
物語は次巻の展開を不安にさせる衝撃の引きを見せた前巻の続きから始まる。
読む前に色々と予想を立ててみたけど、なるほどそっちの方向に進むのか、と思わせる始まり方。
こればっかりは仕方ないんだろうなぁ。
誰もが望むことだけど、誰も喜んで口言することのできない望み。
犠牲のもとに成り立つ平和なんて悲しいだけだけど、史上ではいくらだって成り立ってきた。戦争がいい例だな。
それにクレアなら、必ずこの道を選ぶだろうから。

しかし出だしから泣かしにかかってくるなぁ、犬村先生は。
カル、クレア、アリー、イグナ、寮生のみんな、それにルイスやアメリア。それぞれの想いがぶつかって、吐き出されて、今自分が何をすべきなのかと悩んでいる。
苦渋の決断を前に自らの選択に迷う面々。
そんな中、カルとアリーのやり取りが印象的だった。
別れ際にカルがアリーに抱いた感情の正体は定かでないけど、なんとも狂おしく甘酸っぱい描写だ。

クレアの一件にはカルやアリーだけでなく、多くの人間の活躍が根にあった。
クレアをめぐるイスラと空族の外交において、アメリアの活躍には目を見張るものがあった。イスラのすべてを託された彼女だからこそ、イスラのことを何よりも想って、考え得る限り最高の見返りをイスラにもたらした。彼女の手腕には感謝を告げたくなる。
個人的にはMVPを捧げたくなる一人である。
そしてイグナ。
前巻から通して、彼がカルやアリーに与えてくれたものはとても大きく、大切な意味を持っていた。
イグナがいたからこそ、カルはまたクレアに出会うことができたのだから。

カルとクレアが交わした言葉。カルが最後にクレアに叫んだ言葉。
クレアの返事も含めて、涙が止まらなくなる最高の場面。
あんな状況下で、クレアが見せた表情に心を打たれた。
あの挿絵は全巻を通してベストだったと思います。最高の笑顔を見せてくれました。

空の果てを目指すイスラの上で、それぞれは自分の夢へと邁進していく。死んでいった者たちの分まで努力に努力を重ねて。
飛空士を目指す者。通信士を目指す者。整備士を目指す者。作家を目指す者。
各人の道は出会ったころから随分と変わってしまったけれど、すごしてきた時間は同じ。
だからみんな諦めない。チハルがミツオにたむけた言葉や想いが、そのことをより顕著に表してると思う。
それらの想いを乗せて、イスラはついに空の果てへと辿り着く。
世界の謎が解き明かされるときが来る。
そこでカルたちが目にしたもの、それはみなさん自身の目で確かめてもらいたい。

この長旅で、本当に多くのことがあった。
悲しい出来事の方が多かったのかもしれない。でも、嬉しいことも楽しいことも確かにあったのだ。
イスラが辿り着いた空の果てを刮目したとき、あーこの為だったんだな、と心の奥底で自然に納得した自分がいて、じわぁ、と温かい気持ちに包まれた。
思えばカルにとってこの度は、ニナへの復讐から始まった旅だった。
クレアにとっては孤独から始まった旅だった。
でも旅を通じて、二人はあらゆる悲しみを乗り越えたのだ。
その答えがクレアの笑顔であり、そしてカルはあんなにも憎しみに満ちた自分の本名を意外な形で利用することで、その答えを見せてくれた。
どうしてこんなにも真っ直ぐなんだろうと、胸が詰まり涙をこぼしてしまう。
彼らの純粋さに触れられたことを、読者として誇りに思いたい。
彼らの恋の歌は、ずっと空に響き続けてたんだろう。

けれど報われる恋の歌があるなら、報われない恋の歌もあるのが辛い現実。
カルと出会ったときを除けば、シリーズを通してほとんど描かれなかったアリーの心情を、こんな形で描くなんて。いっそ犬村先生を恨んでしまいたくなるほど胸が張り裂けそうになった。
一体今まで、どんな感情を胸の内で押し殺していたんだろう。
近くにいすぎたからこそ、間に引いてしまった越えられない一線。
違う未来もあったのだろうかと考えれば考えるほど、悲嘆に暮れてしまう。
前述した表紙の秘密だけど、この場面を読んだ後に表紙を見返せば気づいてもらえると思う。
 ――歌えない恋の歌もある。

この文章で以て初めて、本書のタイトルの意味を理解し切れた気がするなぁ。
私としてはやっぱり、シリーズの中でアリーが何よりもかけがえのないヒロインだった。
彼女に幸あれ。

物語全体的には1巻を思わせる静かな雰囲気だったと思う。
けれどその中にどれだけの想いが込められていたのだろうと思う。
カルたちだけではない。犬村先生や森沢さん、それに私たち読者の気持ちもだ。

振り返ってみれば、追憶に心を鷲掴みにされ読み始めたシリーズだけど、今となっては追憶よりも思い入れが深くなってしまった。
気持ちは募りに募って、もっと読んでいたいという衝動に苛まれてしまう。
でももう終わりだ。物語は始まりと終わりがあって物語と言うんだと思うから。
今はとにかく、犬村先生、森沢晴行さん、そしてカルたちみんなにありがとう。
本当に素晴らしい幕引きを飾ってくれた。もう言葉もない。
色々な人や場面に感謝を告げて、本を閉じたいと思います。




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とある飛空士への恋歌5(ガガガ文庫)
とある飛空士への恋歌 5 (ガガガ文庫) (2011/01/18) 犬村 小六 商品詳細を見る ついに完結。カルエル達の最後の雄姿を、しかと目に焼き付けましょう。 「とある飛空士への恋歌5」(犬村小六著/ガガガ文庫)
Posted at 2011.02.07 (23:21) by 読書感想未満、駄文以上。

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Comments

クレアについては多く語られませんでしたが、カルたちの長く楽しく辛い旅路に焦点を当て、登場人物たちの成長を書きたかったのでしょう。

クレアについて書かなかったのも、読者に彼女の想いや状況を教えずに、カルと同じように会える日へ思いを募らせるためかもしれませんね。
Posted at 2011.01.31 (17:37) by OwlRR (URL) | [編集]
ぬぬっ。
放浪息子は面白いのですか!?
題材に共感できる物があったので惹かれていたのですが、漫画も何も手付かずでした。
爽やかの中の異常性とは、確かに惹かれるものがありますね。
というより、実質異常なものが爽やかに描写されていたりするんですけどね。
Posted at 2011.01.31 (18:17) by サクラ (URL) | [編集]
ここまで読んだのですから、今さら私から言うことはないですよね。というか、分かりますよねw

全体がエピローグのような形式をとった一冊でしたが、どんな場面ですらも蛇足に感じませんでした。盲目と揶揄されるような状態になるほど、私はこのシリーズが大好きだったんだなぁと本を閉じて思いました。

あぁ、あと。ヒロインについてはあのお二方で揺るぎありませんが、もし私のような者の立場で助演男優、女優賞を与えられるのならば、ミツオとチハルにあげたいなぁと思う私です。2人に流した涙の量は、カルのシーンの数々にも比肩するほどですw

Posted at 2011.01.31 (20:21) by ask (URL) | [編集]
ホント素晴らしい最終巻でした。犬村先生と森沢さんには感謝をしてもし切れません。

やはりつかボンさんも泣いたんですね…。こうして見ると泣かずにほとんどを笑顔で読み切った人間は自分くらいしか目撃していないような…w。
あの「恋歌」についてはボクもつかボンさんと同じでした…。そうですよね。あの場面までアリーの心情にはほとんど触れられていませんでしたよね。
そうして考えると最初から最後まで犬村先生の心の内にはそのヴィジョンがはっきりあったと言うこと…。憎らしいお人です…w。

askじゃありませんが、ミツオとチハルの二人はボクの中で最も心に残った二人でしたね…。最後のアリーを除いてこの巻で唯一泣いた場面が彼の実家でしたから。
確実にあの二人がボクに一番涙を流させた二人です。もしかしたら初めて作品を読んで泣いた場面だったかも知れないです。

つかボンさんの感想でこのシリーズの終幕と言う物を改めて感じました…。
何度も言っていますがお二人には感謝の言葉しかありません。
犬村先生、森沢さんありがとー!!!
Posted at 2011.01.31 (21:51) by tokuP (URL) | [編集]
Re: OwlRRさんへ
コメントありがとうございます。

クレアの詳しい描写はなかったからこそ、あのラストの余韻を残せたのかなと思います。
中には不満に思う人もいるかもしれませんが、少なくとも私は期待通りの終わり方を見せてくれたと思いました。
Posted at 2011.02.01 (01:31) by つかボン (URL) | [編集]
Re: サクラさんへ
コメントありがとうございます。

放浪息子面白いですよ。
ぜひともサクラさんにも視聴してもらって感想を窺いたいものです。
そうですね。サクラさんの言う通り、どちらかと言えば異常であるのに、それを爽やかに見せる技術に長けているんだと思います。私も参考にしたいです。
原作漫画も絵が好きなので気になってはいますので、いずれ読んでみようと思っています。
Posted at 2011.02.01 (01:34) by つかボン (URL) | [編集]
Re: タイトルなし
コメントありがとうございます。

askさんが言っていた通り素晴らしかったです。なんの心配もしていませんでしたが、これは本当に期待を裏切らない幕引きを飾ってくれたと思います。

終わりに向けて綺麗に話がまとまっていましたよね。どの場面も好きになれる愛おしいものばかりでした。
ミツオとチハルには私からも助演男優、女優与えたいです。彼らの描写が登場するたびに私も泣かされましたよ。
Posted at 2011.02.01 (02:40) by つかボン (URL) | [編集]
Re: tokuPさんへ
コメントありがとうございます。

これはどうしたって泣きますよ。泣かせるために犬村先生も書いているでしょうからね。
だから笑顔で読み切ったというのはすごいことだと思います。どういう心境だったのかちょっと気になります。
犬村先生の頭の中では、はっきりとしたアリーの位置づけが決まっていたのでしょうね。
尚更悲しくなってきます。

ミツオとチハルは物語の中でも大きな役割を持っていましたね。
彼らがいなければこんなにも重厚な物語は生まれなかったでしょう。
彼らに出会えてよかった。そう心から言える二人でした。
askさんやtokuPさんと同じく、私も最も涙した二人でした。

犬村先生と森沢先生、そして本を作るまでに関係したすべての人たちには本当に感謝してもし尽くせません。
最高の物語を届けてくれて心の底から感謝しています。
Posted at 2011.02.01 (02:50) by つかボン (URL) | [編集]
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Author:つかボン
前ブログ『BOOKDAYs!』の元管理人。
入間人間先生をこよなく愛し、自らも作家を目指す小説家志望だが、その実態は堕落人生まっしぐらのダメ学生。
しかし落ちるところまで落ちればあとは昇るだけ、それは可能性の獣。

同人誌『Spica-スピカ-』のメンバーとして活動もしています。
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