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神様のメモ帳6/杉井光

ガリアの軌跡


戦場のヴァルキュリア3』というゲームが気になってたので、今日体験版をDLしてプレイしてみました。
↓これね。
戦場のヴァルキュリア3戦場のヴァルキュリア3

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ところでこのゲームには主人公たちが守るべき国として、『ガリア公国』という架空の国が登場するのですが、この名前の由来はなんだろうと少し気になりました。
パッと思いついたのが『ガリア戦争』ですね。
けれどどうも『ガリア人』に由来してる部分が強いみたいです。『ガリア戦争』はどちらかというと、ストーリーの土台になってるんじゃないかと。

『ガリア人』はかつて、同部族でありながら互いに対立し合い、統一は成されてなかったのですが、紀元前58年に始まるローマ帝国によるガリア地区への進軍を契機に、ガリア人は一致団結をしてローマ軍に対し大反乱を起こしました。それがのちに『ガリア戦争』と呼ばれる長期にわたる戦争ですね。
結局ガリア人は負けてしまうのですが、彼らの戦いの軌跡には『どんな苦難にも屈しない』『憎しみを捨て心を通わし、敵に立ち向かう』という姿勢が見られたそうです。
それがこのゲームのテーマでもあるらしく、おそらくガリア人の信念を尊重して『ガリア公国』という名前がつけられたのではないでしょうか。

ちなみに体験版は難しくてなかなかクリアできません。やっぱりゲーム下手だなー、私は。
でも面白いです。






神様のメモ帳〈6〉 (電撃文庫)神様のメモ帳〈6〉 (電撃文庫)
杉井 光 岸田 メル

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「おれはぜったいに認めない。なにをやってでも止めるよ。だから、アリス」
「……む、む?」
 あまりの事態に、幼いニート探偵はぬいぐるみの山の中で目を白黒させる。
「おれからの依頼。いくらでも払う。ミンさんの婚約をぶっ壊してくれ」



――あらすじ――
高校の文化祭が押し迫る晩秋、ラーメンはなまるにやってきたのは、チャイナマフィアの後継者兄妹。なんとミンさんの親戚だという。ミン父・花田勝の引き起こした事件をきっかけに、なぜか持ち上がるミンさんの縁談。それに憤然と立ち上がったのは、ヒロさんだった。「おれからの依頼。この婚約、ぶっ壊してくれ」ヒモのくせして、ついにミンさんに本気!二転三転の結婚騒動を描いた「電撃文庫MAGAZINE」掲載作に、ヒロさんの師匠初登場の書き下ろし短編『ジゴロ先生、最後の授業』を加えた、大ボリュームのニートティーン・ストーリー第6弾。


――感想――
アニメ化も決定して勢いのあるシリーズ最新刊。
本来なら電撃大賞の受賞作2作目を読むところだったんだけど、急に神メモ成分を体が欲し始めたので先んじて読みました。我慢よくない。

どうでもいいことだけど、ニートの定義忘れちゃったから6巻読む前に1巻のあらすじを再確認したら、またもや特攻野郎Aチームネタで笑わされた。初読のときも吹いたんだよ。
ニート探偵団のキャラって特攻野郎モチーフにしてんのかなー? って本気で考えてしまうぐらい設定に作為的なものを感じる。てか、あのシリーズのドラマ版見たいのに古い作品だからどこにもレンタル置いてないんだよね。
本当にどうでもいいな、この話。

くだらないこと書いてないでそろそろ感想綴っていきますか。『コロラド・ブルドッグ』を聞きながら。
短編と分けて書かせてもらいます。

電マガ連載時に読んでるから一応再読ってことになるのかな?
でもやっぱり、一冊の本としての繋がりあってこそこの感動は何倍にも膨れ上がるんだと思う。電マガだと2ヶ月空いちゃうから、微妙にテンションが保てないんだよ。

そんなわけで2度目でもめちゃくちゃ感動しました。
杉井先生の書く物語は人の脆い部分に本当に痛いほど食いこんでくるなぁ。心に纏ったうろこを一枚一枚剥がされていく感覚。徐々に剥き出しになっていって、全部剥がし落とされたときには内なる感情を抑えきれず、それが涙という形で体外に押し出されていく。
嫌いじゃないんだなー、こういう読後感。
むしろ癖になるからこそ、私は杉井先生の書く物語が大好きなんだ。

だから話の中で杉井先生がミスチルを引用してくれてたことがすごく嬉しかったり。
『自分らしさの檻』。『名もなき詩』ですな。
杉井先生が好きかどうかはともかく、やっぱり嬉しいよね。

あらすじを読むと、今回の物語の主役はヒロさんとミンさんだろうと推測はつくと思う。
まぁ、間違いではないんだけど、それについては後述します。
ヒロさんとミンさんは意外な取り合わせのように思えるけど、確かに伏線っぽいのは今までにあったんだよな。
でもまさか本気だとは思ってなかったからさ、あのジゴロが。ヒロさんというかヒモさんなあの男がミンさんに本気だってことが発覚してしまうんだから、のっけから惹きつけられるなー。

ミンさんの父である花田勝が起こしたとある事件をきっかけに、ある日『はなまる』にチャイナマフィアが訪れる。
やくざの次はチャイマフィと、どんどん裏社会に足を踏み入れてるんだけど、ニート探偵団はともかくナルミは大丈夫なのか? しかもチャイマフィのボスを次期後継することになる人間に顔ばれまでしてる始末。今まで関わった事件の影の立役者として一目置かれてるらしいのだから、ナルミはもう普通の高校生じゃないな。自分が今までどれだけのことをしてきたのかを自覚しないと、危なっかしくて仕方がない。

チャイマフィの登場で明らかになっていくミンさんの事実には驚かされたけど、最後の結末は薄ら予想できただけになんとも言えない切なさが込み上げてきた。
杉井先生はこういうやるせなく、ろくでもない話を書くのが本当に上手いと思う。まるで、すべてがハッピーエンドで丸く収まるほど、世界は優しくないんだよと訴えかけているみたいだ。

ろくでもないと言えば、ナルミの閃いた策もろくでもなかったのだけど、ヒロさんがジゴロとしての信念を貫き通してたから可能だった策なわけだし、この物語には相応しい終わり方だったんだと思う。
愛と恋の違いを語るヒロさんがとても印象的で、というかヒロさんが言うからこそ意味を持つ締めの言葉がすごくよかった。
「だから、真正面から向き合えないんだけどね。向き合える人が見つかっちゃったら、おれヒモじゃなくなっちゃう」

きっとこれからもヒロさんはヒモとして生きていくんだろうけど、いつかミンさんと真正面から向き合えたらいいなって思う。
いつの日か本当にミンさんが結婚する日がきたら、その相手がヒロさんだろうとそうでなかろうと、それは大きな転機をもたらすんじゃないだろうか。花田勝の想いを知ったからこそ、きっと誰よりも家族の尊さを知るべき人間なんだろう。

ナルミとアリスも少しずつ距離を縮めている様子。
ミンさんを「友達じゃない」と言い切るほどなのに、ナルミを「ぼくのワトスン」と称したアリスに胸が詰まった。
物語の中ではナルミとアリスが出会っておよそ1年。色々な人が変わる中で、きっと一番変わったのはアリスなんだろう。それはたぶん、とてもいいことなんだと思う。
それにしても、ナルミが順調に詐欺師としての才能を開花させてるのが面白かったなー。でも鈍感さは相変わらず。ヒロさんの恋事情を知った風な口で語るナルミに対してアリスが「むむむむむ」と唸る仕草が可愛いですね。
可愛いと言えば、不思議の国のアリスとホームズのコスプレしたアリスがものすごく可愛かった。電マガだと挿絵がないから、これも文庫化の楽しみなのです。
でも実は彩夏のコスプレのほうが可愛いと思った。というか笑顔に目を奪われたね。

結局この物語の主役は誰だったのかという話ですが。
実はあとがきでも述べられてる通り、これは花田勝のための物語です。一度だって姿は現さないけど、彼の存在は絶大。彼が物語のすべてを掌握しているのです。
つまりナルミやアリス、今回活躍したヒロさんやミンさんですら花田勝という舞台の上で踊る役者にすぎなかった。
でも私は、こうも思う。彼ら役者がいなければ、舞台に光が当たることはない。誰もがちょっとずつ力を添えて、物語を作り上げているのだ、と。
神様のメモ帳にはそんな風に書かれてるんじゃないかな。






ジゴロ先生、最後の授業

こちらの短編は完全書き下ろしだから新鮮な気持ちで読めました。
そして実に面白い。杉井先生本人は短編苦手と言っているけど、読者からすると全然そんななことない。その実力は5巻ですでに如何なく発揮されてる。

内容としては本編の後日談かな。
あー、ちょっと違うか。特に本編と関係があるわけではないから。強いて言うならジゴロが活躍するぐらいか。

ついにアリスの親類登場で、アリス編の伏線かー! なんて意気込んだけどたぶんこのネタはこれっきりだな。
しかし紫苑寺の家系に凄腕のジゴロがいるなんて思わなかった。しかも老人。
ある日突然『はなまる』に現れたかと思ったら、いきなり彩夏を口説きだすわ、実はヒロさんの師匠だったりするわ、ナルミのジゴロの才能を見出して弟子にしようとするわで、意外なところからとんでもない嵐の登場ですよ。

けれどジゴロ先生の授業がたまらなく面白い。ジゴロ先生の名言集とか作りたくなる勢いだよ。
「エジソンも言っているだろう」と五郎先生は言う。「ジゴロは99パーセントまで努力だが、残り1パーセントの女運がなければだめだと」

これとか上で引用したかったぐらいだもん。
なんだかんだで授業につき合っちゃうナルミもナルミだし、やっぱりナルミには詐欺術を応用したジゴロの才能があるんだな。
最後の道化ぶりと言ったら、もう立派なジゴロが板についてるもんなー。

まぁ、そんなナルミを見たらアリスは気が気じゃないよね。将来本当にナルミがジゴロになってしまったらと思うと、アリスは不安でしょうがないでしょう。だってねぇ……。
だからってナルミに『必ず喜ばれる親愛表現25例』を言わせるのはどうかと思うのですよ。
アリスだけでなく私たち読者までベッドの上を悶え転げさせる気か!(すでに悶え転がったけど!)
思春期というか、アリスも乙女だなー。



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Comments

「ぼくのワトスン」発言はもうたまりませんでしたね…。
あれだけ頑なに「友達がいない」と言っていて「ではナルミは…?」と思わせておいた所にあの発言ですから…。
可愛いというのはもちろんですが、それほどまでに大切な存在になったんだと思うと嬉しさがこみ上げてきます…。

花田勝は…。
ボクは彼のように姿を現すことなくここまでの印象を与えて去っていった人を知りません。それほどまでに凄く、格好いい人物でした…。
月並みな言葉ですが、彼の存在は男として、父として理想だったように思います。周りの人間がどう思うかは別として。

いや素晴らしい1冊でした…。短編も含めて…w。
Posted at 2011.02.19 (22:24) by tokuP (URL) | [編集]
つかボンさん、こんばんは。
「むむむむむ」はヤバいですね~
最近の神メモはアリスが可愛すぎて困りますw

神メモは本当に雰囲気が好きです。
ニートたちがドタバタやってるだけではなく、最後にどうしようもない切なさが残るところがいいですよね。
ワイワイしてるようで、常にどこかに暗さがある独特の雰囲気はこの作品の最大の特徴だと思います。
アニメでどこまでそれを表現できるか、不安でもあり楽しみでもあります。

>彼ら役者がいなければ、舞台に光が当たることはない。誰もがちょっとずつ力を添えて、物語を作り上げているのだ、と。
神様のメモ帳にはそんな風に書かれてるんじゃないかな。
それにしても↑これすごいですね!!感動しました。
感想で感動するなんてなかなかないですよ。
やはり、つかボンさんの感想は一味違いますね。
Posted at 2011.02.19 (23:10) by じたま (URL) | [編集]
ガリア戦記。と言えばカエサルですよね。第一回三頭政治で有名な(これ見よがしに文系アピール)。

ヴァルキュリアはすべてプレイしていますが、今回の女キャラの一人イムカはマジで可愛すぎです。あと強い。
色鉛筆のような、素朴な絵が好きで、それも含めてプレイし続けています。

神メモの記事を見る度に、3,4巻を攫って行った友人に殺意が沸きます。あと自分w
なんでもミンさんの一大事とか。しかも、それすらも余興にすぎないとか。もう良いですよね? 深夜2時ですけど、請求の電話していいですよね?

まずは手元にある1巻を再読して、感想載せて、それから徐々に追いつこうかとw その後また来ますw
Posted at 2011.02.20 (01:28) by ask (URL) | [編集]
Re: tokuPさんへ
コメントありがとうございます。

あの発言は素晴らしかったですね。
ホームズの逸話があったからこそ、アリスがナルミのことをどれだけ大切に思っているのかわりました。アリスにとってもナルミにとっても重要な意味を持つ発言だったのでしょう。

人物を一度も登場させないのに、読者にここまで強い印象を与える杉井先生の筆力には恐れ入ります。
結局、花田勝は最後まで父でありたかっただけなんですね。父らしいことを何もしてあげられなかったから、せめて娘を悲しませるような父にはならないようにと。
どこまでもカッコいい父親でした。

短編あってこその一冊でしたねw
Posted at 2011.02.20 (13:52) by つかボン (URL) | [編集]
Re: じたまさんへ
コメントありがとうございます。

アリスがどんどん乙女化してますよねw それもきっとナルミのおかげなんでしょう。ナルミと出会う前のアリスはそんな感情を持ち合わせていなかったでしょうから。
ナルミと出会ってからアリスの心は随分柔軟になったと思います。

私も大好きです。
優しさあふれる人情と、どうしようもないやるせなさが上手く混ざり合ってますよね。
アニメにはその辺りをしっかり理解して製作にあたってほしいです。

おー、感動までしてもらえましたか。
それはなんというか……めちゃくちゃ嬉しいですねw
やっぱり感想書いてて一番嬉しいのは、じたまさんが言うような言葉をかけてもらったときですね。ありがとうございます。
Posted at 2011.02.20 (14:06) by つかボン (URL) | [編集]
Re: askさんへ
コメントありがとうございます。

さすが現役w
世界史は苦手だったのでもう細かいことは忘れました。カエサルがガリア戦記を書いて、第一回三頭政治の人物であったことしか覚えてないです。

ヴァルキュリアは今回が初プレイです。面白いですねこれ。
イムカって、あの青髪の子でしたっけ?(まだちゃんと覚えてない)
確かに絵のデザインはいいですよねー。私も好きです。

そうですね、ミンさんとヒロさんの一大事です。
余興というわけではないですよ。彼らあってこその物語でしたから。ただそれを踏まえた上で、衝撃の結末が待っていただけです。
とにかく早く友人さんに電話してください。もうしましたか?
大至急読むべき作品ですよ、これは。
Posted at 2011.02.20 (14:23) by つかボン (URL) | [編集]
アリスやばいです!!
めちゃくちゃ可愛いです☆

一家に一人アリス…考えてみたけど駄目ですね。
ドクペ要求されまくったら困るし、何食べるかわからないし、お風呂に入れるの大変だし…
観賞用ですね、アリスはww
Posted at 2011.02.20 (23:06) by 灰理 (URL) | [編集]
Re: 灰里さんへ
コメントありがとうございます。

アリスは巻を増すごとにどんどん可愛くなっていきますね。
彼女も少し変わっていっているのでしょう。

……………………っと、ついボーっとしてしまいました。
い、いや別に、家にアリスがいる風景を想像してたわけじゃないですからね! 本当ですよ!
んー、でも確かに大変そうですねw 見ているだけでいいです。
Posted at 2011.02.21 (19:42) by つかボン (URL) | [編集]
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前ブログ『BOOKDAYs!』の元管理人。
入間人間先生をこよなく愛し、自らも作家を目指す小説家志望だが、その実態は堕落人生まっしぐらのダメ学生。
しかし落ちるところまで落ちればあとは昇るだけ、それは可能性の獣。

同人誌『Spica-スピカ-』のメンバーとして活動もしています。
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