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空をサカナが泳ぐ頃/浅葉なつ

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ダ・ヴィンチ 2011年 04月号 [雑誌]ダ・ヴィンチ 2011年 04月号 [雑誌]

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ダヴィンチは気に入った内容のときにしか買わないのですが、今月は西尾維新特集だったので先日購入して早速読ませてもらいました。
その特集ですが、インタビューや、福嶋亮大さん・辻村深月さん・栗山千明さんによる寄稿や、海堂尊さんとの対談など予想以上に充実した内容となっていたので驚きました。
西尾維新が好きな方には嬉しい内容が盛りだくさんだったのではないでしょうか。まだ読んでないという方はぜひ最寄りの書店で一読あれ。『戯言日和』さんでも紹介されていますので参考にしてみてください。

特集の中で、来年から講談社ノベルスで新シリーズを開始するという情報がありました。しかもミステリー。
西尾維新の書く講談社ノベルスでのミステリー。いやー、楽しみですね。
あと、今月発売の『花物語』の表紙と簡単なあらすじが紹介されいていました。
驚いたことに、『花物語』は阿良々木くんが卒業したあとなんですね。しかしあらすじを読む限りでは非常に面白そうです。

もちろん西尾維新特集以外も楽しめます。
個人的には新星ミステリー作家クロニクルが面白かったです。
ただ、先日購入した『放課後探偵団』が紹介されていたのに、肝心の似鳥鶏先生が紹介されていなかったのが残念でした。知人によると似鳥先生の作品は面白いということなので気になっているのですが。

来月号は『図書館戦争シリーズ』文庫化記念で有川浩特集なので、どうやらまた買わないといけないようです。
図書館戦争文庫化嬉しいですね。何度もハードカバーを買おうとして我慢してきた甲斐がありました。






空をサカナが泳ぐ頃 (メディアワークス文庫)空をサカナが泳ぐ頃 (メディアワークス文庫)
浅葉 なつ

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「いつか魚が視界を埋め尽くしたら、その人は死んでしまうの」



――あらすじ――
出版社で多忙な毎日を送る中津藍。そんな彼が、煙草を吸いながら空を見上げると、一匹の魚が泳いでいた。目をこすっても魚は消えることなく優雅にヒレを揺らして通り過ぎていく。オフィスを街を家の中を悠々と泳ぐ魚たち。この鬱陶しい現象はなに?藍は魚を消す方法を探し始めるが、魚は増える一方で、しかも視界を埋め尽くすときに訪れる運命を聞かされ…。さまざまな想いを交差させ、ちょっと変な仲間たちが繰り広げる、未来を賭けた大騒動。第17回電撃小説大賞・メディアワークス文庫賞受賞作。


――感想――
先に謝っておかなければいけないことがあります。
以前『おちゃらけ王』の記事で「『メディアワークス文庫賞』は二つ」と書きましたが、正しくは三つでした(汗)。『典医の女房』を忘れていました。
大変失礼な間違いでしたね。申し訳ありません。

というわけで、第17回電撃大賞『二つ目』の『メディアワークス文庫賞』受賞作を読ませてもらいました。
その名も『空をサカナが泳ぐ頃』、略して『をサカナ』です。(←今考えた)

おー、よかった。
『おちゃらけ王』とはまったく違うジャンルだったけど、こちらもMW文庫らしい受賞作
無茶がなく、非常に堅実に作り込まれている。その分、『おちゃらけ王』の何が飛び出てくるかわからないビックリ箱のようなワクワク感はなかったけれど、代わりに物語に厚みがある。層が何重にも重なって、掘れば掘るほど味わい深くなっていく
どちらも充分に好みの作品だった。

ヒューマンドラマという言葉が打ってつけの作品だろうね。
とあることがきっかけで空中を泳ぐサカナが見えるようになってしまった中津藍は、アンラッキー男や元ダイバーや恋愛依存症のストーカー女など、同じくサカナが見えるようになってしまった人間たちと一緒に、サカナを視界から消す方法を探し始めるのだけど、その過程でそれぞれが自分のコンプレックスや悩みと向き合うようになり越えていくという構図がとても好きでした。

サカナが視界を埋め尽くしたら死んでしまうというのに、ともに行動する仲間たちはみんなどこか抜けていて、まるで危機感のない呑気な姿にときにはイラついてしまう藍だったけど、彼らの生き方が無気力と無感動しかなかった藍の生活に色を足してくれた。
時間を費やすだけの非生産的な毎日を送りながらも、昔の夢は諦め切れない。そんな気持ちを誤魔化して、自分にまで嘘をついて、才能がないからと言い訳してなにもかもをなかったことにしていた藍。
けれどサカナが見えるようになってから色々な人の空気に触れ、また、自分とは違う価値観や考え方を突きつけられることで物事を広く見つめられるようになっていく。視界を遊泳するサカナに空の広さを教えられ、少しずつ今まで見ていなかったものに目を向けるようになっていく。
最後に彼が見た空は、きっと澄み渡っていたんだろうなと思う。
そんな風に、それぞれがなにかを振り切って、なにかを取り戻してく姿が素敵でした。

徐々に繋がっていく人間関係も面白い。ラノベにはない大人どうしの絶妙な距離感が描かれていて、紛らわしい台詞や描写もあったりするから、もしや○○○は×××が好きなんじゃないだろうかと色々妄想すると楽しかった。

なぜサカナだったのかという疑問だけ解消されなかったのが最後にしこりを残した。一応の説明はあるけど、それだったら別にサカナじゃなくてもよかったんじゃないかと思える。
でも、根本的なことは考えても詮ないか。
それに。
見上げた空にサカナが泳ぐ光景は、きっと美しいだろうから。


関連商品
おちゃらけ王 (メディアワークス文庫)
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Comments

今回もMW文庫賞は豊作のようでなによりです。
しかしこれ、試し読みで文章に辟易して、買うのやめた作品なんですよね。
その点はどうでしたでしょうか?
またお聞かせください。
Posted at 2011.03.08 (14:11) by 稲羽 (URL) | [編集]
ダ・ヴィンチですか!
実を言うと、私も買っていたのですよ。
先の小野不由美特集で買って、面白さに気づいた私たち一家が定期購読することにしたのです。
キャラ立てのしかたとか、なかなかためになる事が書いてありました。
Posted at 2011.03.08 (17:23) by サクラ (URL) | [編集]
西尾さんの特集だったのですか。
それは今度チェックせねば。
情報ありがとうございます!

新シリーズが今から楽しみですね。
今月発売の「花物語」も待ち遠しいです。


空をサカナが泳ぐ頃は買うつもりだったのですが、MW文庫発売日のときにこれだけ置いてなかったんですよね。
そしてそれから確認してなかったです。
自分が買おうと思ったときになかったので少し買う気がなくなってしまって。
そろそろ入荷している頃だと思うので今度本屋に行ってあったら買ってみます。
Posted at 2011.03.08 (22:49) by 半熟タマゴ (URL) | [編集]
Re: 稲羽さんへ
コメントありがとうございます。

そうですね。まど先生ほどの奇才の持ち主は現れませんでしたが、どの受賞作も一つの読みものとして充分楽しめる作品ばかりでした。WEB公開されている『典医の女房』がまだ読めていないのでそちらも楽しみです。
文章については記事で触れようかどうか迷ったんですよね。
先日サクラさんのブログでもあった『独り言文学』に近いかもしれません。正直、最初は私も好きになれませんでした。
今でさえ好きというほどではありませんが、ただ不思議なことに、読み進めていると自然と引き込まれるんですよね。いつの間にか主人公と感情を共有しているんです。
独り言は多いのですが、読者を惹きつける文章ではあったと思います。


> 今回もMW文庫賞は豊作のようでなによりです。
> しかしこれ、試し読みで文章に辟易して、買うのやめた作品なんですよね。
> その点はどうでしたでしょうか?
> またお聞かせください。
Posted at 2011.03.09 (01:38) by つかボン (URL) | [編集]
Re: サクラさんへ
コメントありがとうございます。

サクラさんも読んでいましたか! ダ・ヴィンチ面白いですよねー。
小野先生の特集というと去年ですかね?(それとももっと前かな?)
そのころは小野先生のことをほとんど知らなかったので未購入でした。今なら絶対に買いますよ。
サクラさんが面白いと言うのなら、アマゾンで買っちゃってもいいんですけど……。
Posted at 2011.03.09 (01:47) by つかボン (URL) | [編集]
Re: 半熟タマゴさんへ
コメントありがとうございます。

今月号は必見ですよ!
ぜひチェックしてみてください。

新シリーズ楽しみすぎます。
どうしても戯言シリーズを意識してしまって、ちょっと浮足立ちますね。

この本だけなかったのですか。なんででしょうね?
『おちゃらけ王』とどちらが人気が出るかといったら微妙なところですけど、こちらのほうが惹きつけられるものがあったんですかね。
もし見つけましたら読んでみてください。
Posted at 2011.03.09 (02:19) by つかボン (URL) | [編集]
一つの物語の中にそれぞれの人の成長していくさまが描かれていて、構成力が高いと思いました。

皆さんに比べ大したことを語れなくてすいません汗
Posted at 2011.03.15 (14:36) by 永世來人 (URL) | [編集]
Re: 永世來人さんへ
コメントありがとうございます。

主人公だけでなく、関わり合う人がみんなそれぞれに成長していくという構成がよかったですよね。

いえいえ、たった一文でもしっかりこの作品の魅力を言い表してると思いますよ。
Posted at 2011.03.16 (01:27) by つかボン (URL) | [編集]
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つかボン

Author:つかボン
前ブログ『BOOKDAYs!』の元管理人。
入間人間先生をこよなく愛し、自らも作家を目指す小説家志望だが、その実態は堕落人生まっしぐらのダメ学生。
しかし落ちるところまで落ちればあとは昇るだけ、それは可能性の獣。

同人誌『Spica-スピカ-』のメンバーとして活動もしています。
コメントなどはお気軽に。
どうぞよろしくお願いします。

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