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丘ルトロジック 沈丁花桜のカンタータ/耳目口司

腫れものに触るよう


首筋のリンパ腺あたりが思いっきり腫れました。それはもう、見たらすぐにわかるぐらい異様な大きさに。なんて言いつつ、私は一昨日友達に言われないと気づかなかったのですが。
触ってみたら、自分に鈍感属性でもあるのかと勘繰ってしまうぐらい巨大な腫れものができていました。鏡で見たら右首筋が顎のラインに沿ってボコっと膨れているんです。
明らかにおかしいので昨日総合市民病院に駆け込みました。歯科以外で病院に行ったのは何年ぶりだろう。
耳鼻科で診察してもらったところ、耳下腺炎とかおたふくとか、風邪から来る症状ではないらしい。
原因は不明で、機器とかを使った詳しい検査が必要みたいだったので、とりあえず再診になりました。

そもそも私が気づかなかった理由というのが、痛みがまったくなかったからです。
ビビりまくってた私は独自に調べてみたのですが、リンパ腺の腫れは痛みを伴うほうがいいらしい。なぜなら、その場合は風邪による腫れの可能性が高く、放っておけば治ることもよくあるほど軽いものらしいから。
逆に痛みがないと危険らしい。悪性の可能性も出てきて、本当に最悪の場合がんの可能性もあるとか。

私としては悪性というだけで勘弁してほしい。小学生のとき以来、大きな病気どころかインフルエンザにも罹っていないので、今更病気を患うのは辛いです。なにより独り暮らしの病気は致命的なので。
こう見えて(どう見えて?)、私は冷えぴたクール信者なので、大抵の病気は冷えぴたクールを貼っておけば治ると信じていますが、病気かすらもわからないので今回は冷えぴたクールの出番はなさそうですね。
ひとまず医者を信じて再診のときを待とうと思います。






丘ルトロジック  沈丁花桜のカンタータ (角川スニーカー文庫)丘ルトロジック 沈丁花桜のカンタータ (角川スニーカー文庫)
耳目口 司 まごまご

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「……どうしてそんなにまで支配したいんですか?」
「決まっているだろう?」暴君が朗らかに笑う。
「世界は美しい。その世界を、私は人間から取り返したいのさ」



――あらすじ――
神楽咲高校に入学した咲丘は、「丘研」の入部案内を見て直感した。これこそ“風景”を愛する俺のための部活だと!部室に向かった咲丘は、代表・沈丁花桜と意気投合、早速入部。だが、丘研の正体は「オカルト研究会」、沈丁花の世界征服の野望のために日々活動していたのだ。「君は完膚無きまでに自分を知られたことはあるかい?」知ること=支配すること。世界を知るための戦いが始まる!第15回スニーカー大賞“優秀賞”。


――感想――
うおぉ……、なんだこれ……。
評判がいいのは知っていたけどまさかここまでか、第15回スニーカー大賞『優秀賞』!

これだよ、私が常々ラノベで読みたいと思っているのはこれ。
現実では絶対にあり得ない創作上だけの狂気! 二つの世界を分け隔てる歪な境界線!
あぁ、興奮するなぁ、一昨日読み終わってのにまだ冷めないもんなぁ。
ちなみにこの感想は、オルフの『カルミナ・ブラーナ』を聴きながら書いています。

一言で言うならとにかく好み!
文章も好み! 物語も好み! 絵も好み!
そしてなによりキャラが好み! 
どいつもこいつもいい具合につき抜けて狂っている。
人を支配したがったり、前に進みたがったり、化学兵器を作ったり、なんでもかんでもエロい方向に持って行ったり、異常なまでに風景を愛していたり。まったく正気の沙汰じゃない。
異質な人間たちに囲まれて常時つっこみに徹している主人公だけど、実は咲丘が一番……ってな部分が堪りませんでした。

そんな彼ら『オカルト研究会』の部員たちが、町に蔓延る都市伝説の正体を暴くため奔走するというストーリーは、特別珍しいわけでもないのになぜか別世界のことのように新鮮に感じられる。
それこそ飛び降り男やツチノコを探したり、切り裂きジャックとバトったりと、オカルトものではよくあるネタだと思う。そもそもオカルトを追い求める理由が世界のあらゆることを知って支配するためなのだから色々と間違っている。
なのにどうして、こんなに魅力的なんだろう。

オカルトの真相が解かれるたびに、不意打ちのごとく明かされて行くそれぞれの抱える不和と歪みが本当に痛々しい。
過去の些細なきっかけで世界から外れてしまった『異人』たち。
でもだからこそ、無様でも醜くても、傷を舐め合うように支え合って大胆不敵に世界へ喧嘩を売る彼らの姿は美しく見えるんだろう。なによりも、彼らにとっては自分のありのままを受け入れてくれる存在が必要だったんだと思う。

すべては美しい世界を人間の手から取り返すため
それが彼らを繋げる一つの糸にして意図ではあるのだけど、細かい部分ではその目的に個々の違いがある。
沈丁花は世界を支配するために。
出島はただひたすらに前へ進めために。
女郎花はエンターテインメントのために。
江西陀は内なるエロスのために。
咲丘は愛すべき風景のために。

くだらないほど不器用で一辺倒で、でも真っ直ぐすぎるほど歪んだ人間たち。
彼らを称するなら、やっぱり篠塚さんの、
「僕なんかより、ずっと君たちの方がオカルトで狂っているよね」

この言葉が一番的確だろうなあ。

江西陀可愛いなあ、江西陀。
いや、可愛いだけじゃこの魅力は伝え切れない。自分でも不思議なぐらい惹かれてしまっている。ただエロいだけじゃなくて、エロスを芸術に変えてしまっているあたり、色々なヒロインを超越してしまっている。というか、すでに存在感だけで沈丁花さん越えてる気がするし。
最後の「……ういっす」とか、どんな想いを胸に秘めて言ったのかとか考えると、もうロマンティックが止まらない。

ちなみに、珍しい名前が多いからなにか共通点があるはずだと思って調べてみたら、女性キャラはみんな名字も名前も植物の名前だった。一つ例外は、城尾滝さんだけ、それこそ名前は『椿』だから植物だけど、名字はどうも鳥の名前みたい。
ついでに花言葉も調べてみた。
沈丁花の『栄光、不滅』は猛烈に納得。桜も『優れた美人』で納得。
江西陀の『清潔、上品』はネタとしか思えなかった。

ところでこれアニメ化とかしないかな。
というのも、ラストの『カルミナ・ブラーナ』をBGMに町の中を逃げ惑う人々の情景をぜひともアニメーション映像で見たい。それほどまでに印象強いシーンだった。
文字の羅列が音と映像で五感に働きかけてきたのなんて初めてだった。読んでいる間、ずっと頭の中でカルミナが流れ続けてたぐらいだから。
ラストシーンだけでいいんだけどなあ、どうにかならないかなあ。

もう続きは出てるんだよね。今すぐにでも読みたい気持ちはあるけど、どこかもったいない。大好物に出会ってしまった。
どちらにしたって、私の期待の芽は今こうしている間にもすくすくと育っています。
彼らの歌う、狂気と混沌に満ちたカンタータをこれからもずっと聴き続けていたい。
願わくば、どうか彼らのいる風景がいつまでも狂っていますように。


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Comments

初めまして
よく覗かせて頂いています。
丘ルトロジック、イラストの気合の入れようからも第二のハルヒって感じですよね。個人的にハルヒはダメだったんですが、丘ルトロジックならメディア化したら楽しめる気がします。特に、一巻ラストのカルミナ・ブラーナが空から降り注ぐところなんて、映画チックな気がしてなりません。私も映像化が楽しみでなりません。
Posted at 2011.03.11 (13:48) by Medeski (URL) | [編集]
私も最近丘ルト読んだばかりなんですよ。
雰囲気もキャラも好みで見事にこの作品にはまりました。
どのキャラの狂い具合もすごいですよね。くせになります。

つかボンさんとは話が合います!
私も断然、江西陀です。
江西陀の魅力は言葉では上手く言い表せれないですね。
あのやる気のなさそうな表情、独特な話し方そして異常なまでに歪んでいる内面。
不思議と惹かれてしまうんですよね。
読書メーターを見てても江西陀好きな人結構多いみたいなので、何か惹きつけるものがあるんだと思います。
2巻の江西陀もそれはもう可愛いですよ。
表紙とカラーページの江西陀が素敵すぎます。
勿論、本編の方でも江西陀の魅力満載です。

名前は私も気づいてたのですが、苗字まで植物の名前だったとは思いませんでした。
それぞれの名前の花言葉調べるの面白そうですね。
今度やってみます。
しかし江西陀の花言葉はネタとしか思えないですね。
清楚のかけらもありませんよ。

丘ルトはこれからも長く続いて欲しいです。
人気が出たらアニメ化ということも有り得そうですね。
少し寂しい気もしますが。
動くオカ研メンバーが見てみたいです。
特に江西陀。

つかボンさんの感想でテンションが上がってしまい思わず長文になってしまいました。
すみません。

それでは、病気でないことを祈るばかりです。
Posted at 2011.03.11 (22:48) by 半熟タマゴ (URL) | [編集]
Re: Medeskiさんへ
コメントありがとうございます。

初めまして。訪問ありがとうございます。
こちらこそよく覗かせてもらっていますよ。

大枠はハルヒに似たものがありましたね。
私は普通にハルヒ好きですけど、好みは圧倒的にこちらです。正直な話、ハルヒに比べればメディアミックスはこちらのほうが難しいと思うんですけど、カルミナ・ブラーナのシーンは映像化するだけの価値があります。あれほどの強烈な印象、なかなか味わえませんよ。
Posted at 2011.03.12 (02:57) by つかボン (URL) | [編集]
Re: 半熟タマゴさんへ
コメントありがとうございます。

ツイッターで呟いていましたよね。
半熟タマゴさんも好みの作品だったみたいなんで嬉しかったです。
キャラの中毒性が異常ですよね。棘を持っていることがわかっていても、つい触れたくなってしまう薔薇のような魅力があります。

やっぱり江西陀ですよね! ぜひ今度一緒にお酒を飲みましょうw
気だるげな表情と口調に、なによりもエロスへの情熱!
その背景にある歪んだ過去を背負って、それでも芸術を求める気高き魂にぞっこんですよ。体の髄から惹かれてしまいました。
2巻はサブタイからして江西陀のメイン巻みたいなんで楽しみで仕方ないです。だからこそ早く読みたいんですが、読み終わっちゃうと次巻まで時間が空いちゃって嫌なんですよね。
ああ、でも江西陀の魅力を拝見したいです。
本当に江西陀いいなー。

たまたま沈丁花とか女郎花を知っていたんで気づきました。江西陀は当て字だったので気づきませんでしたが。
ベン・トーの女性キャラも植物の名前がモチーフなので花言葉を調べてみると面白いですよ。
江西陀は狙っているとしか思えませんよねw

絶対にアニメ化してほしいわけではないなんですけどね。とにかくカルミナ・ブラーナのシーンを映像で見たいだけなんです。
破滅的で暴力的で、そしてなによりも美しいんだろうなあと思います。
メディアミックスするにしろしないにしろ、シリーズは長く続いてほしいですね。

いえいえ、長文とても嬉しかったです。
私も返事を書きながらまたテンションが上がって来ましたw
Posted at 2011.03.12 (03:22) by つかボン (URL) | [編集]
原因不明のできものって怖いですね。
そういう症状が顕れて、ゾッとしたことがあります。

ほほう、そこまで衝撃を受けましたか。
小説ならではの狂気って、かなり興味ありますね。
狂気的なモノやオカルトの日常への溶け込み具合とか――そういったところに魅力がある感じでしょうか。

(余談ですが、私の小説のダフネも、沈丁花[Daphne odora]から名づけたんですよ)

ダ・ヴィンチの小野不由美特集はよかったですよ。
小野先生が、まだラノベらしいラノベを書いていた頃の作品(ゴーストハント)が復刊しまして、その特集ですね。
私はまだ未読なのですが、小野先生のファンなので非常に嬉しかったです。
Posted at 2011.03.12 (14:42) by サクラ (URL) | [編集]
アクが強い(嫌いじゃないですけど)ので途中で止めてました。また読み直さないと。
途中まででも十分に伝わる狂気の沙汰でした。今言うのは卑怯な気がしますが、つかボンさんの好みっぽいなぁと思いながら読んでいた気がしないでもないですw

よくよく考えてみれば、つかボンさんの言う「抜け切れていない」という意見は、なるほどこれを読めば多少なりとも理解できるのではないかなと思いました。そういう意味でも、早急に読み返さなければ。
Posted at 2011.03.12 (17:55) by ask (URL) | [編集]
Re: サクラさんへ
コメントありがとうございます。

人が最も恐怖するものは『正体のわからないもの』ですからね。
詳細な結果がわかるまで不安が続きます。安心できる結果だといいんですが。

久しぶりの衝撃でした。
日常に溶け込んでるとは言い難いですね。オカルト的なものが登場はしますが、オカルトはあくまでオカルトとして扱われています。むしろ逆で、日常から外れた異分子が、紛れることなく日常の中で存在しているという感じですかね。

ダフネは沈丁花の英訳だったのですね! それはいいことを知れました。

サクラさんにそこまで推されると非常に買いたくなってきますね。
ネットで購入できる今のうちに手に入れておくべきですね。
Posted at 2011.03.12 (22:46) by つかボン (URL) | [編集]
Re: askさんへ
コメントありがとうございます。

おお! それはぜひぜひ読み直してください。
ラストまで読むと色々な価値観が自分の中でひっくり返りますよ。切り裂きジャック編のラストシーンはもう美しいの一言。なのに今言うなんてほんと卑怯ですよ。早く言ってくれないとw

確かに丘ルトは抜け切った作品の一つかもしれません。
こんなところでaskさんのコメ辺に触れるのもなんですが、私は別に今回の電撃大賞が面白くないと感じてるわけでもないですし、ぶっ飛んでいたり派手な作品を求めてるわけでもないんです。めちゃくちゃにやった上で面白いならそれはそれでいいんですが、『枠』を抜け切る方法はなにも派手にやるだけには限られないはずです。
言ったとおり、アイディアには工夫が見られます。ですが、私が残念だと思うのはそのアイディアから生まれた物語の進む方向性、ゴール地点、そして最後に落ち着く場所が、すべて既存の枠に収まっていることなんです。料理に例えるなら、材料は珍しいのに、調理方法と味つけに工夫がないという感じです。だから味気ないなあと思ったんです。
もちろん独創的すぎて読者を置いてけぼりにするのは駄目なことですし、先人たちの技術を真似ることは大切で、それらが新人賞受賞の大きなポイントであることは理解しています。
そしてaskさんの「らしい」という意見にも「確かにそうだ」と大変納得できました。
レーベルに特色があるように 、新人賞にも特色があるんでしょうね。
おそらく電撃大賞の特色が、私の好みとはちょっと違うのでしょう。

コメ返で不必要な長文を書いてしまいました。申し訳ありません。
Posted at 2011.03.13 (00:02) by つかボン (URL) | [編集]
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Author:つかボン
前ブログ『BOOKDAYs!』の元管理人。
入間人間先生をこよなく愛し、自らも作家を目指す小説家志望だが、その実態は堕落人生まっしぐらのダメ学生。
しかし落ちるところまで落ちればあとは昇るだけ、それは可能性の獣。

同人誌『Spica-スピカ-』のメンバーとして活動もしています。
コメントなどはお気軽に。
どうぞよろしくお願いします。

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