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青春ラリアット!!/蝉川タカマル

東北地方太平洋沖地震


大変なことになっていますね。
ずっとテレビに貼りつきっ放しですが、日を跨いでもまだ酷さを増す被害状況に絶望すら感じています。
地震で怖いのは、地震そのものより二次災害です。それは二次災害によってどんな被害が出るか、そしてどこまで被害が伸びるかがわからないからです。
見えない恐怖に怯える、これほど精神的に辛いことはないでしょう。

昨日バイト中に、バイト先の駐車場に大量の消防車が集結していました。それこそ大阪中の消防車が集まって来ているんじゃないかと思うぐらい。
私のバイト先は大阪では割と有名なとある場所なんですが、とにかく広大で、施設内にいくつもある駐車場も一つ一つが大きいので、それで利用されたんでしょう。
真偽はわかりませんが、おそらく被災地に向かった消防車の穴を西日本側から少しずつずれながら埋めるために、一度集結してこれから向かおうとしていたんじゃないかと思います。
過去に実例があったらしい。被災地に消防車がすべて出払ってしまったがために、消防車のいなくなった地域で起きた火災に対応できなかったことが。その教訓なんでしょうね。
被災地にいなくても協力して誰かの力になろうとする姿勢にとても感動しました。

こういう記事をツイッター上で見つけました。
意見は様々あるでしょうが、私は素晴らしいことだと思いました。
たとえそれが偽善行為なのだとしても、善行であることには変わりありません。実行に移さないより幾倍もマシでしょう。
私はこのシリーズを集めていませんが、買わせてもらおうと思います。






青春ラリアット!! (電撃文庫)青春ラリアット!! (電撃文庫)
蝉川 タカマル すみ兵

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「……好きな女の笑顔ってのは最高だよな。たとえそれが――自分に向けられたモンじゃなくても、さ」



――あらすじ――
「行くぞコノヤローッ!」どこかの有名レスラーばりにマイクコールをし、全校朝礼の場で公開告白をした月島。その結果は―当然、停学処分となったのだった。バカの日本代表、月島を心配する者が一人。友人の宮本である。宮本は傷心の月島を見舞う事に。その道中で出会ったのが、整った顔立ちながら愛想の欠片もない無表情の少女、長瀬だった。どうも、長瀬は“あの月島”に惚れているらしい。その事に驚きつつ、自分に対してなぜか横柄な彼女に怒りも覚える宮本だった。この奇妙な三角関係が、風雲嵐を巻き起こす事になり―。


――感想――
第17回電撃大賞三作目。
期待の『金賞』受賞作『青春ラリアット!!』読ませてもらいました。

これはいい作品だ。主人公視点ではなく、サブキャラから主人公を見たような一風変わった青春ラブコメ
ハーレムばかりの青春ものに楔を打ち込むがごとく、回転ラリアットで新旋風を巻き起こしてやろうという著者の意気込みが伝わって来た。
前例にない手法が功を奏しているかと問われればまだ答えに困る段階ではあるけど、読者になにを読ませたいのかがはっきりと物語に浮き上がった、生きたラノベだった。

いきなり海パン一丁の変態が現れてどんな話になるのかと思ったら、意外にもどストレートな青春小説。ひたすらに好きな相手のため無我夢中になるバカたちが繰り広げるドタバタ劇が面白い。
その過程で一応主人公である宮本が、向う見ずに突っ走るバカたちに振り回され災難な目に遭いながらも、大切なことに気づいて行く模様がいい具合に青臭さくて、青春の本質を見た気がした。
バカたちに釣られて走り出してしまいそうになる疾走感が気持ちよくて、あっという間に読めてしまいました。

バカばっかりとよく言われてるけど、言うほどバカさが出てたようには感じなかった。バカなのではなく、どいつもこいつも呆れるほど一途なだけなんだと思う。
好きな人にはどんな形であれ幸せになってもらいたい。口では簡単に言えても、実行に移せる人は少ないはず。だから、それを当たり前のようにやってのけてしまう月島は宮本にとって理解できない存在であると同時に憧れでもあり、少しずつ感化されて変わっていくという流れがこの作品の味なんだろうなあ。

面白いのは、宮本の考えはほんとんどが正論であること。読者からしたら「ああ! なんでそこで一歩踏み出せないんだ!」ともどかしさを覚えてしまうけど、彼は間違っていない。だからといって月島や長瀬が間違っているわけでもなくて、そのかけ違いがこの本の奥行きのように感じた。

今まで読んだ受賞作三作の中では、最も作品の雰囲気とイラストがマッチしていた気がする。
個人的にすみ兵さんのイラストは男性キャラのほうが魅力があると思うので、青春ものとは言え男臭さに若干比率が傾いたこの作品には絶妙な配役だったと思う。

宮本、月島、長瀬、そしていまだ見ぬ都子ちゃんを加えて、四人の中で複雑にもつれ合った関係が今後どう変わっていくのかが非常に楽しみ。
宮本の言うとおり、健気な長瀬がいい女なので頑張ってほしい。
悪くない。これからも期待です。


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Comments

地震はテレビで見ていただけなのですが
本当に恐ろしかったです
できるだけ多くの方が助かるといいのですが
あと魔材は自分も買い集めてるシリーズなので
新刊買って少しでも地震の募金などに関われたらいいなと思ってます

登場人物が実に気持ちいい作品でしたね
物語の見せ方にも一癖あり
その中でも登場人物をうまく見せてるあたり
いい青春ものだなと思いました
どういう風な恋愛に転ぶか楽しみですね
Posted at 2011.03.13 (14:17) by シャモ (URL) | [編集]
阪神淡路大震災が起きた時、小林よしのりが漫画の中で「今回の原稿料は全て寄付する!」と言ってたのを思い出しました。
アシスタントからは大顰蹙だったみたいですが。
こういう思い切ったことは、なかなかできませんよね――。
尊敬できます。

ラノベで今時そういうのは珍しいですね。
王道のハーレムじゃなくて、堂々とした恋愛小説って。
新人で王道から外れたものを書くのも、結構大変だったりすると思うんですよ。
Posted at 2011.03.13 (17:16) by サクラ (URL) | [編集]
冒頭に釣られた人間です。

バカと天才、ではなくバカと一途は紙一重なんですかね。青臭くて、アホらしくても、やってる本人からしたらマジなんですから。

決して月島や長瀬が世の中の大多数なのではなく、宮本こそが大多数に属する人間なんですよね。それでも、他人とはズレたところにいる二人を羨ましく思ったりするのって、あると思うんです。特に我ら学生はw

都子ちゃんの扱いはどうなるんでしょうかねw わたしは一番そこに驚きを隠せなかったんですけど。プロレスよりもw

Posted at 2011.03.14 (11:07) by ask (URL) | [編集]
Re: シャモさんへ
コメントありがとうございます。

私もリアルタイムで津波の映像を見ていましたが、あまりに現実感がなさすぎて映画のスクリーンを観ているような気分でした。
あんなことが同じ日本のどこかで起こってるだなんて信じられないし、信じたくなかったですね。
本当に多くの人が助かって、できるだけ早く明るい日本を取り戻したいですね。
私は昨日魔材を買って来ました。
小説は小説として楽しんでこそなので、せっかくだから今度1巻も買って読んでみようと思います。

こいつらは青春を謳歌してるんだなぁ、とはっきり伝わって来る真っ直ぐさを感じました。
物語の見せ方も登場人物の見せ方も上手かったですよね。
見せ方一つでいくらでも面白くできる作品だと思いますので、今後が非常に楽しみです。
Posted at 2011.03.14 (12:31) by つかボン (URL) | [編集]
Re: サクラさんへ
コメントありがとうございます。

今の日本は阪神淡路大震災という大規模な地震を一度経験していますから、多様な面でそのときの教訓が見られますよね。自衛隊の早急な出動や、諸外国からの援助受け入れなど。
そして多くの方が自分にできる形で被災地を支援しようとしています。
辛いことが多くても、そのたびに日本は強くなってるんだなと思いました。

珍しいですよね。
ヒロインが主人公ではない人物を好いていて、主人公は一度も登場しない人物と両想いだったりしますし。
今までにない形でインパクトを与えてやろうという意気込みが感じられました。
Posted at 2011.03.14 (12:41) by つかボン (URL) | [編集]
Re: askさんへ
コメントありがとうございます。

冒頭の衝撃的な掴みには新人賞らしさを感じました。
「これからどうなるんだろう」と読者を惹き込ませるいい出だしだったと思います。

バカかまともかと訊かれればおそらくバカの部類に属するんでしょうけどねw
でも月島や長瀬の中では「好きな人には幸せになってもらいたい」という一つの立派な理論があって、それをもとに行動してるなら、やっぱりそれは一途なだけなんだろうなあと思いました。

少数派に憧れたり、特別な存在や価値観を羨ましく思う気持ちってありますよね。
私の中ではそれが中二病だと定義づけているのですが、そういうのって大事だと思います。中二病は人生を面白くする秘訣ですから。

確かに驚きでしたねw
続きが出るのであれば登場するんじゃないかと思うんですけど、なんせ今の時点で主人公と両想いですからね。今後の長瀬や宮本の心の変遷によって変わってくるんじゃないでしょうか。
Posted at 2011.03.14 (13:08) by つかボン (URL) | [編集]
脇役のメガネ君がちょっと目立ち過ぎていた感がしたのですが、どうでしょうか?
個人的にはもう少しひねくれた作品の方が好きなのですが、長瀬ちゃんが可愛かったのでそこは許せましたw すみ兵さんGJです!
Posted at 2011.03.15 (14:39) by 永世來人 (URL) | [編集]
Re: 永世來人さんへ
コメントありがとうございます。

黒川(名前合ってましたっけ?)は強烈なキャラでしたからねw
でもサブキャラを主人公の友人という典型的な位置で終わらせず、しっかりと役割を与えて物語に関わらせていたのは評価できると思います。キャラの無駄遣いはあまりいいことではなありませんから。
青春ものは真っ直ぐか歪んでるかのどちらかに大別されることが多いですからね。今回は前者だったみたいです。
長瀬は可愛いというイメージはないのですが、一途で健気なところが女性として非常に魅力的だと思いました。
なんにせよすみ兵さんのイラストは素敵でしたね。
Posted at 2011.03.16 (01:33) by つかボン (URL) | [編集]
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前ブログ『BOOKDAYs!』の元管理人。
入間人間先生をこよなく愛し、自らも作家を目指す小説家志望だが、その実態は堕落人生まっしぐらのダメ学生。
しかし落ちるところまで落ちればあとは昇るだけ、それは可能性の獣。

同人誌『Spica-スピカ-』のメンバーとして活動もしています。
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