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電波女と青春男8/入間人間

ノイタミナ


春期のノイタミナ枠である『C』と『あの日見た花の名前を僕たちはまだ知らない。』も1話見ました。
とんでもなく面白いです。
今期のノイタミナはどちらも完全オリジナルなわけですが、ついに本気を出してきたなという印象です。まだ1話なのだから早計だと思うかもしれませんが、これは私の願望でもあります。この両作には傑作になってもらいたいという。
漫画やラノベのアニメ化が増えてきた昨今、オリジナルストーリーでここまでの存在感とオーラを出せるアニメ作品も少ないでしょう。そのことが嬉しくて、記事に書かずにはいられませんでした。そういえば今期は『花咲くいろは』もありましたね。おお、すごいな春期アニメ!

『C』と『あの日見た花の名前を僕たちはまだ知らない。』の1話は現在フジテレビ On Demandにて無料配信中ですので、お時間がある方はぜひぜひ見てみてください。






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「そこの自称宇宙人」
「もふふっ?」
「これから一緒に空を飛んでやる。飛べなかったらお前、地球人になれ」



――あらすじ――
リトルスマキンが襲来した。
具体的には、ミニマムサイズの布団ぐーるぐるな存在が、俺と藤和エリオの前に現れた。うん、この展開。本来だったら「この地球外生命体みたいなやつの目的とは!?」なんて気張るところなんだろうが、このリトルスマキンにそんな期待(?)をしても意味がなさそうだった。しかし、俺はこいつと出会って思い知ったことがある。青春ポイントの低下要因であったはずの藤和エリオ。俺は彼女に、どれだけ依存していたかってことを。今回のお話で、俺は宇宙人たちに終わりをコールする。うまくいくかはわからないけど、こうご期待! って気持ちで待ってて欲しい。てな感じで、なんだかんだあっても。俺たちは、相変わらず青い空を眺めて、遙か宇宙を目指すんだ。だって、地球人だから。
以上。丹羽真でした。


――感想――
携帯小説の『ちょっと無敵、だいたいこども。』を除けば久しぶりの入間成分摂取となりました。

読み終わる最後の1ページまで疑い続けてはみたけど、まさかまさかのアニメ直前でシリーズ完結です。
ついに終わってしまったという気持ちもあって、これで終わっていいのかという気持ちもあって、その両方がない交ぜになって複雑な心境。
ラブコメの終わり方にはなんとおりかある。
ヒロインを一人選ぶ。ハーレムエンド。だれも選ばない。
その他にもいくつかあるだろうが、電波女のこの終わり方はどうなんだろう。つい首を傾げそうになる、煮え切らない読後感が胸の内で疼きました。

入間先生はどうしてもこのシリーズを終わらせたかったんだろうなあ。文章の節々からそういう雰囲気が滲み出ていた。あとがきでも「電波女を書いている間に、書きたいものやアイディアが溜まっている」と語っていたし。裏を返せば、溜まってるアイディアがあるから早く終わらせたかったってことだよなー、って。
ファンとしてシリーズ完結は喜ぶべきなんだろうけど、納得できない部分は確かにあって、手放しで喜べないのがもどかしい。好きだっただけに余計だなあ。

現金なことを言うと、その溜まってるアイディアは非常に楽しみです、はい。

ただ、視点を変えてエリオの成長物語として見ると、この8巻は大きな意味合いを持っていたんじゃないかな
ラブコメとして終われなかったのなら、他方向から見てやればいい。きっと違う解釈が生まれるはず。フレーミング効果ですな。

今回は前巻の続き、エリオの職場にリトルスマキンが襲来したところから始まる。
妄想オチでなかったのでひとまず安心しましたが、ここに来ての新キャラ登場には多少不安が。
新たな電波女の登場で「ここからどうなる!?」と思わせておいて、しかし描かれるのはいつもの日常。このシリーズらしいんだけど、ちょっと拍子抜けだったなあ。

けれど、リトルスマキンとともに宇宙飛行士の特訓を始めたエリオが、ししょー(仮)なんて呼ばれながらときに先輩風を吹かせたり、ときに意固地になって張り合ったりする姿にはとても感慨深いものがあった。1巻のころに比べて、エリオは随分人間臭い振る舞いや言動をできるようになったなあ、って。
公園での宇宙飛行士の特訓にはエリオにとっても思うところがあって、それをきっかけに丹羽くんにかつての夢を語る場面で、不覚にもうるっときてしまった。よく考えれば、エリオ自身の口から丹羽くんに過去の夢が語られたのは初めてなんだよなー。他人から指摘されて苦い顔になったこともあったことを鑑みると、このときエリオは一歩前進できたんだろうな。

エリオにとってリトルスマキンとの対面は、過去のあらゆる場面での自分との対面でもあったのだろう。
宇宙飛行士を目指していたころの自分。
電波を語っていたころの自分。
でも、丹羽くんと出会って地に足を着けるようになった少女は、労働に従事して社会に貢献できるようになったし、まだ多少ぎこちなくても友達と鬼ごっこだってできるようになった。
その口からもう電波が漏れ出ることはなく、紡がれるのは人の言葉。昔のように後ろ向きに神秘を信じることをやめ、自分の意志で未知への憧れを語っている。
だからこそ、エリオがリトルスマキンを否定した言葉、
「自転車で空は飛べないし。人は、自力で空を飛べない」

この言葉がなによりもエリオの成長した証だったのだろう。

結局、リトルスマキンは何者だったのか。
謎は謎のまま残ってしまったけれど、ただ奴の存在が多くの人に影響を与えたのは確かだった。その最たる人物がエリオだったわけだけど、丹羽くんにとっても大きな青春要因となったのだろう。
最後の最後に最大の神秘を突きつけられ、最初から最後まで自称宇宙人たちによってちょっとした不思議を味わわされた丹羽くん。信用にはまだ遠くて、でも人智から手離れしたミステリアス溢れる彼の青春が、私は嫌いじゃなかったよ。

なんにせよ最終巻としては煮え切らなかったが、宇宙人の見守る町で地球人の彼らの青春はまだ続いていくんだなって思うと、悪くはない気分だ。
前向きに前向きに。だからもう少しだけ、

青春ポイントの話をしよう。



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電波女と青春男8(電撃文庫)
電波女と青春男〈8〉 (電撃文庫)(2011/04/08)入間 人間商品詳細を見る 終わっちまった・・・・・・・・・。 前回、真の妄想の産物だったリトルスマキンが、なぜか現実に?! 最後の電波女と、真の青春ポイントの行方は?! 「電波女と青春男8」(入間人間著/電撃文庫)
Posted at 2011.04.19 (20:51) by 読書感想未満、駄文以上。

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Comments

こんばんは。
なんか唐突に最終巻になってしまいましたね・・・・。
アニメ放送開始したのに・・・・。
「みーまー」も終わり「電波女」も終わりで、イルマニアのつかボンさんにとっては辛いですよね・・・。
まだ読んでないんですが、8巻は噛み締めて読みたいと思います。SF(すこしふしぎ)版も気になるところですね。

そういえば、「僕の小規模な奇跡」がメディアワークス文庫で出るみたいですね。こっちはどうしようかな。
Posted at 2011.04.18 (00:53) by naomatrix (URL) | [編集]
Re: naomatrixさんへ
コメントありがとうございます。

このタイミングでの最終巻は驚きですよねー。
どちらも好きなシリーズでしたからね。これで入間先生の続刊予定のあるシリーズはひとまずなくなりましたね。
でも、アイディアは溜まってるらしいので、今はそちらを楽しみにしています。個人的にはこれからはMW文庫拠点に活動してくれると嬉しいです。もっと言うなら、花咲太郎シリーズの続刊希望です。
SF版はなんというか、単発ならありかなと思いました。シリーズ化されるときついかも。

僕の小規模な奇跡の文庫落ちは諸手を上げて喜びました。なによりも宇木さんが表紙のイラストを務めてくれるのが嬉しいです! これでようやく三白娘の顔を拝むことができます。
Posted at 2011.04.18 (17:25) by つかボン (URL) | [編集]
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Author:つかボン
前ブログ『BOOKDAYs!』の元管理人。
入間人間先生をこよなく愛し、自らも作家を目指す小説家志望だが、その実態は堕落人生まっしぐらのダメ学生。
しかし落ちるところまで落ちればあとは昇るだけ、それは可能性の獣。

同人誌『Spica-スピカ-』のメンバーとして活動もしています。
コメントなどはお気軽に。
どうぞよろしくお願いします。

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