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サクラコ・アトミカ/犬村小六

黒酢で元気


とあることがきっかけで最近めっきり健康志向になってしまいまして、この前初めて黒酢ドリンクなるものに手をつけてみたのですが、これがビックリするぐらい美味しい。とはいっても黒酢にハチミツやリンゴ混ぜて飲みやすくしたものなんですが。
黒酢の効能には色々ありますが、こんなにも美味しい飲み物で健康体になれるなら喜んで飲み続けられますね。
オススメは黒酢を牛乳で割った飲み方です。あの独特な酸味が消えてとても飲みやすい。

黒酢オススメですよー。






サクラコ・アトミカ (星海社FICTIONS)サクラコ・アトミカ (星海社FICTIONS)
犬村 小六 片山 若子

講談社 2011-04-15
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「だって……自分がなにものなのか、わからないなんて……」
「そんなもん、普通の人間だってわかっとりゃせん」
「…………」
「わらわにはこころがある。容れものがどう造られようが関係ないわい」
「…………」
「こころがあればいいよ。だからおんしもバケモノではない。こころを持たぬものがバケモノじゃ」



――あらすじ――
「――サクラコの美しさが世界を滅ぼす」
狂気の科学者ディドル・オルガによって畸形都市・丁都に囚われた美貌の姫君、サクラコ。七つの都市国家を焼き払う原子の矢は、彼女の"ありえない美しさ"から創られる。囚われの姫と彼女を守る異形の騎士・ナギが密かに心を通わせ始めたそのとき、サクラコ奪還のための刺客が帝都に侵入する──。犬村小六の新たなる代表作にして、勇気と希望のボーイ・ミーツ・ガール。ここに開幕!


――感想――
『飛空士』シリーズでお馴染みの犬村先生による新作。
もうとっくに評価されてるのだろうけど、それでも敢えて言う。これはもっと評価されるべき傑作!
この1冊でも充分に星海社FICTIONSが抱える才能の大きさを窺い知れるよ。

これはとても切なく、そして勇気のわく恋物語。
舞台は架空の都市国家。強大な力を持つ悪い魔法使いに囚われたお姫様を白馬の王子が救い出す、なんてのは古典的な童話みたいだけど、この物語ではお姫様を救い出すのは、本来お姫様を捕えておくはずの牢番役。実際の白馬の王子にあたる人物は悲惨な目に遭ったりするからね。

見た者を畏怖もしくは欲情させてしまう人智を超えた美しさを誇るサクラコの、その量子論的な美しさを原子力に変えて世界を滅ぼす、なんて発想には思わず「やられた!」と膝を打ってしまった。
狂気的な実験に自身の体が使われ、ましてや世界を滅ぼすことになるなんて、とサクラコは自殺を図ろうとして、その度にオルガの想像によって生み出された無敵の個体ナギに阻まれて……そんなことを繰り返すうちに、ナギを困らせることに楽しみを覚え始めたサクラコが、退屈凌ぎにあれやこれやと我が儘放題になり、美貌で誘惑してナギに連れ去ってもらおうと頼むところは、なんだかすごく可愛い。
ナギ自身は、生みの親の言いつけに従ってるだけだからと最初は相手にしないのだけど、会話を重ねるうちにお互いの抱えるものが見え始め、それを認めてくれたサクラコに少しずつ心を開くようになっていく。

自分はバケモノだから心なんて知らないのに、初めて抱く初々しい感情に戸惑って、でもサクラコと想いを共有し合うことはすごく心地よくて。二人が抱き合いながら観覧車の中で約束をするシーンは、もう本当に胸が詰まる。

だからこそ、いとも簡単に二人の約束が引き裂かれたときは衝撃だった。二人が相手取った敵はあまりに強大すぎて、勝てる余地なんて始めから一切なかった。突きつけられた事実が辛すぎる。
生き地獄を味わわされて、なにを恨めばいいのかもわからず、ただひたすら終焉へと向かうサクラコとナギ。

それでも二人の間には絶対に崩れない信頼と、そして約束があった。それだけを糧に、決して立ち止まらなかったナギがとっても素敵でした。
ラストはまさに世紀末的なフィナーレ。どこまでも幻想的で、どこまでも美しくて。『サクラコ・アトミカ』のその意味をきっと知れるでしょう。

荘厳壮麗なファンタジーあるいは壮大なラブストーリーかと思いきや一癖あるトリックも仕込まれていて、もう大満足。とにかくメインの二人が可愛いので、そういう意味でもオススメ。
個人的に、犬村先生の魅力は資料の読み込みから得た造詣の深さと、一本の映画を上映してるかのような流麗な文章にあるんだと思う。そのことを改めて認識させてくれた良書だった。オールカラーで堪能できる若子さんの美麗なイラストも物語を美しく彩ってくれている。あらゆる面で『命』を感じる一冊でした。

「祈れ。命に不可能などない」



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つかボン

Author:つかボン
前ブログ『BOOKDAYs!』の元管理人。
入間人間先生をこよなく愛し、自らも作家を目指す小説家志望だが、その実態は堕落人生まっしぐらのダメ学生。
しかし落ちるところまで落ちればあとは昇るだけ、それは可能性の獣。

同人誌『Spica-スピカ-』のメンバーとして活動もしています。
コメントなどはお気軽に。
どうぞよろしくお願いします。

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