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源氏物語 第四回

源氏物語 (角川ソフィア文庫―ビギナーズ・クラシックス)源氏物語 (角川ソフィア文庫―ビギナーズ・クラシックス)
角川書店

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――感想――

薄雲

(31歳)明石の姫君、二条院へ移る。
(32歳)藤壺の女院、死去。⇒冷泉帝、出生の秘密を知る。⇒源氏に譲位しようとするも、固辞される。


・藤壺の宮が死去し、冷泉帝が自身の出生の秘密を知らされるなど、波乱の多い1編。だからか、紫の上と明石の姫君のじゃれ合う様子が実に微笑ましく映る。姫君の愛らしさから嫉妬心も消え失せ、無心の母性愛を注ぐ。その姿に、実の子を持てない切なさも垣間見えるのだけど。

・出生の秘密を明かされた冷泉帝の衝撃は計り知れないものだったんだろう。子供のころはよくても成人すると無知が罪になる。知らずに罪を犯すことがあるからと秘事を知らされたわけだ。結局、それが政治的波乱を呼ばなかったのは、そこに男女の愛欲の肯定という主題の一つがあったからなのか。


朝顔

(32歳)朝顔の姫君を訪れる。⇒夢に藤壺を見る。


・明石の君のときは身分差という安心があったが、源氏さんが皇族である朝顔の姫君に夢中になり始めたことで、紫の上は初めて結婚生活の危機を感じる。小さいころから愛情を注いていたのに、取り繕うような言葉で誤魔化す源氏さんは薄情だなと思うけど、男の性は昔も今も変わらないなあ。


乙女

(33歳)家柄より学問重視する源氏の教育観を披露。⇒夕霧と雲居の雁の恋。
(34歳)夕霧、進士となる。
(35歳)六条院の完成。


・へー、大和魂ってもともとは実際的な活用能力のことで、今の意味は歪曲して使われているのか。しかし学問の重要性を説く源氏さんはなかなかどうして器量の大きい人間に見える。いや、実際そうなんだろうね。見識の深さと、人の理を理解してるあたり、さすがは栄華を極めた人物だ。

・源氏さんの息子の夕霧と、内大臣(頭の中将)の娘の雲居の雁の恋はとても純粋で、現代人にはこちらのほうが一般的に思えるけど、源氏さんの時代の恋愛に比べると確かに幼く感じる。貴族社会の衰退の兆しなのかねえ。


玉鬘

(34歳)筑紫ですごした玉鬘の生活。
(35歳)初瀬詣で玉鬘、侍女の右近と再会。⇒玉鬘、六条院へ入る。


・夕顔の娘にあたる玉鬘が登場。夕顔とはこれまた久しい女性の名前だなあ。六条の御息所の祟りで命を賭した人か。確かに源氏さんと夕顔には深い縁があるからして、源氏さんが玉鬘を引き取ろうとするのは充分予測できたけど、問題となるのはやはり紫の上。
そりゃ自分の知らない女の話なんて聞かされても気分が悪くなるだけだわな。それ以上に目障りなのは明石の君。いくら愛らしいとはいえ、目の届くところに明石の姫君がいればどうしても意識してしまうよね。必死に言い訳する源氏さんとの関係は、危機状態にある熟年夫婦のまさにそれだな。


初音

(36歳)源氏、六条院の新春に女君たちを訪問して回る。


・うわー、怖い怖い。紫の上怖い。源氏さんが誤魔化しても返事すらしなくなったよ。年賀とはいえ、節操なく女性のもとを訪ね歩き、挙句の果てに明石の君の御殿に泊まったりする源氏さんもねえ。明石の君というのが不味かったんだろう。やっぱり差別意識が女性たちの中であるみたいだし。


胡蝶

(36歳)紫の上の住む春の御殿での遊宴。⇒玉鬘に恋文殺到。


おいおい、源氏さんがただの自惚れエロ親父になり下がってるじゃないか。作品史上、ここまで源氏さんに嫌悪感を示した女性がいただろうか。だれって、玉鬘なんだけどね。少々ヤンデレ気味だが愛してくれる紫の上を蔑にして、養女に親心以上の愛を向けて嫌われてたんじゃ貴公子の座は返上だね。



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つかボン

Author:つかボン
前ブログ『BOOKDAYs!』の元管理人。
入間人間先生をこよなく愛し、自らも作家を目指す小説家志望だが、その実態は堕落人生まっしぐらのダメ学生。
しかし落ちるところまで落ちればあとは昇るだけ、それは可能性の獣。

同人誌『Spica-スピカ-』のメンバーとして活動もしています。
コメントなどはお気軽に。
どうぞよろしくお願いします。

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