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源氏物語 第六回

源氏物語 (角川ソフィア文庫―ビギナーズ・クラシックス)源氏物語 (角川ソフィア文庫―ビギナーズ・クラシックス)
角川書店

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――感想――

真木柱

(37歳)玉鬘、髭黒と結婚。⇒髭黒の家庭争議の末、北の方、娘の真木柱を連れて実家に帰る。
(38歳)玉鬘、宮中から退出し、髭黒の子の男児を出産。


・そろそろ登場人物が把握し切れなくなるころだけど、玉鬘に執心して家庭を顧みなかった故に、怒り狂った北の方から香炉の灰を浴びせかけられた髭黒の宮は、インパクトという意味でなかなか忘れられないな。北の方の仕打ちが、当時の優雅な貴族のイメージからかけ離れて庶民的だったのが愉快。


梅枝

(39歳)六条院に蛍兵部卿の宮を迎えて、女君たちが薫物合わせで競い合う。


・源氏さんが息子夕霧に結婚観を説く1編。すべて自分に跳ね返ってくるような論理ばかりだが、今までの自分の振る舞いを反省する意味も込めていたのだろうか。現代にも通用する正統派な面もある中で、離婚を簡単に認めてないのは面白い。初心に返って相手の美点を探すことが大事なんだとさ。


藤裏葉

(39歳)夕霧と雲居の雁の結婚。⇒明石の姫君の入内。⇒源氏、高麗人の予言どおり准太上天皇となる。


・紆余曲折あって、ようやく夕霧と雲居の雁の婚姻が認められる。雲居の雁を前にしたときの夕霧の口ぶりが、なんだか源氏さんに似てきたかもしれない。やはり親の影響というのは大きいんだと思う。あんなカリスマが身近にいれば女性観にも多大な刺激を与えられるというもの。

・この1編でもう一つの見どころといえば、紫の上と明石の君の邂逅だろうな。なんかすごく昂ぶった。違う立場から源氏さんの栄華の源泉となった両妻だからね。互いの美点を見抜き、称え合って、心を通わす様は女性としての魅力に満ち溢れている。
源氏さんに振り回され辛い思いをする者どうし、同盟意識が芽生えたのかもしれない。それでも紫の上との身分差に引け目を感じてしまう明石の君の様子は、どことなく憂いね。


若菜上

(39歳)女三の宮の降嫁。
(40歳)源氏四十の賀。
(41歳)明石の女御、皇子(東宮)を出産。⇒柏木、女三の宮を垣間見る。


・朱雀院も自分が出家するからといって娘を源氏さんに押しつけるなんて、余計なことを。紫の上応援派な私は、波立つ彼女の心境を想うと辛くなってしまう。源氏さんを送り出すときの微笑みがなんとも切ない。
年甲斐もなく色男を気取る余裕のないこのころの源氏さんにとっても、紫の上の気持ちを慮ると、無下には扱えないのだろう。行くか行くまいか悩んでぐずぐずしてしまうのもわかる。

・しかし柏木(内大臣の長男)が女三の宮(朱雀院の娘)に恋をしてしまうので、これまた波乱の予感。それにしても猫の悪戯によって御簾が引き上がり、奥に控えていた女三の宮の姿が柏木の目に丸見えになったというのはドラマチック。ラノベならヒロインのお風呂上がりを偶然目撃、みたいな?


若菜下

(41歳)蛍兵部卿の宮、真木柱と結婚。
(46歳)冷泉帝の譲位。
(47歳)紫の上の発病、二条院へ移る。⇒柏木、女三の宮と逢う。⇒源氏、柏木と女三の宮の秘密を知る。⇒柏木、宴席で源氏の皮肉を浴び、恐怖のあまり病床につく。


・紫の上が不憫すぎて……。これまで辛いことがあっても気丈に振る舞って妻の座を守ってきたのに、17、8も年下の女性に奪われたらそりゃ病床にも臥す。物語の中の女性の人生と、自分の人生を比べるところが切なくて、一層愛おしくなるなあ。

・柏木が女三の宮と強引に関係を結んだことを源氏さんが知る。思い出すのは当然、自分が若かりしころに無理やり藤壺と関係を結んだこと。これで彼は亡き父桐壺院と同じ立場になったわけだ。
・真相を知った源氏さんは酒に酔った振りをして、柏木に向け練りに練った皮肉をこぼす。それが原因で、柏木はさらに病状を悪化させることになるのだけど、同じ過ちでも、源氏さんのときのことを思うと、次世代はやはり男女の愛欲に脆弱だなあ、と。


柏木

(48歳)女三の宮、男児(薫)を出産。⇒柏木の死。


・柏木の死。女三の宮の出家。それらが女三の宮の残した男児、薫の君の代償だったと思うと、因果応報を感じずにはいられない源氏さん。一方で、現世で報いを受けたのだから来世は安心だろうと軽口を叩く様はらしいといえばらしいけど。しかし、少しずつ衰退の道を辿っているんだな。



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つかボン

Author:つかボン
前ブログ『BOOKDAYs!』の元管理人。
入間人間先生をこよなく愛し、自らも作家を目指す小説家志望だが、その実態は堕落人生まっしぐらのダメ学生。
しかし落ちるところまで落ちればあとは昇るだけ、それは可能性の獣。

同人誌『Spica-スピカ-』のメンバーとして活動もしています。
コメントなどはお気軽に。
どうぞよろしくお願いします。

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