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源氏物語 第七回

源氏物語 (角川ソフィア文庫―ビギナーズ・クラシックス)源氏物語 (角川ソフィア文庫―ビギナーズ・クラシックス)
角川書店

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――感想――

横笛

(49歳)柏木の一周忌。⇒夕霧、柏木遺愛の横笛を贈られる。⇒未亡人の落葉の宮に惹かれる。


・柏木の息子薫の君を源氏さんがあやす場面で、彼の内心がどう入り乱れてるのか想像すると少し心苦しい。夕霧の夢に柏木の亡霊が現れたことで、彼の実子に夕霧が関心を示す。けれど、源氏さんは誤魔化して、事実をひた隠しにしようとする。この辺りで、それぞれの意志が複雑に絡み合ってるなあ。


鈴虫

(50歳)女三の宮の持仏供養。


・罪を償うために出家した女三の宮。華やかな貴族生活とは打って変わる仏道修行に精を出す姿は、切なさとともに意志の強さも感じる。それでも女性の色香は衰えず、尼姿故の魅力を源氏さんは実感している 。
「秋」と「飽き」をかけた歌に女三の宮は源氏に対する困惑の気持ちを込め、その意思を汲み取った源氏さんが驚いてみせる様子はなんとも情緒深いじゃないか。


夕霧

(50歳)娘落葉の宮と夕霧の噂に心痛めた一条の御息所が急死。⇒夕霧、落葉の宮を引き取る。


・夕霧が落葉の宮(柏木の妻)を見舞い、恋心を訴え一晩明かしたことで、誤解が誤解を呼び夫婦仲がこじれていくというお話。雲居の雁(夕霧の妻)が怒るのも無理はないが、対してのらりくらり言い抜ける夕霧とのかけ合いが面白い。夕霧は堅物だけに、女に溺れると怖いなあ。
あんなにも情熱的に結ばれた二人なのに、倦怠期に入ればこんなもんなんだね。雲居の雁はいかにもな良妻賢母だった。一方夕霧は、さすがあの父親の血を引いているだけのことはある、ということか。

・夕霧は落葉の宮と結婚をする。確かに妹女三の宮と比べれば地味ではあるが、そのおしとやかさが男の気を引くのかもしれない。しかしなかなかどうして、男女の結びが幸せに行き着かない世の中だなあ。


御法

(51歳)紫の上の死、源氏と明石の中宮に看取られて息を引き取る。


・あー、覚悟してたことだけど、とうとう紫の上が息を引き取ってしまう。孫の匂宮を抱えて交わす言葉に思わず涙腺が……。生涯、実の子供を持てなかったからこそ、だれよりも愛情を注いで育てた明石の姫君の子供とあれば、無類の慈しみも浮かんでこようというもの。

・詳細に語られる死に顔の描写が、彼女が女君たちの中で特別視されていたことを表している。紫の上好きだったよぅ。




(52歳)源氏、紫の上を追憶。⇒身辺の整理をし、出家に備える。


・紫の上を喪って悲嘆に暮れる源氏さんがいたわしい。好き放題やってはいたけど、最後まで愛してたのは妻紫の上だったんだな。紫の上だからどこかに安心があったのかもしれない。皮肉だけどね。出家の意志を固め、身元の整理中に見つけた紫の上からの手紙を破り捨てる姿に、固い決意が感じられる。


雲隠

巻名のみ。空白の八年間で、記事はないが、光源氏は死去している。(本文より引用)


匂兵部卿

※ここからは薫の年齢を記載。
(14~19歳)源氏の死後、薫と匂宮が宮中で持て囃される貴公子に。


・結構動揺してるのだけど、ここからは源氏さん没後の話。源氏さんの後継者として挙げられているのが、薫の君(女三の宮の息子)と匂宮(明石の中宮の息子)。薫は生まれつき体から芳香を放つ特異体質で、不義の子という出生の暗さが性格に表れている。しかし自制的でもあるので信頼は厚い。

・匂宮は薫の特別体質に対抗意識を燃やし、日がな一日薫香を焚き染めることに熱中。人工のフェロモンということだね。性格も真逆で、匂宮はプレイボーイの気質があり色恋沙汰の問題も絶えない。源氏さんの個性を二分したような二人の対比がなかなか面白かった。



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つかボン

Author:つかボン
前ブログ『BOOKDAYs!』の元管理人。
入間人間先生をこよなく愛し、自らも作家を目指す小説家志望だが、その実態は堕落人生まっしぐらのダメ学生。
しかし落ちるところまで落ちればあとは昇るだけ、それは可能性の獣。

同人誌『Spica-スピカ-』のメンバーとして活動もしています。
コメントなどはお気軽に。
どうぞよろしくお願いします。

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