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僕と彼女のゲーム戦争/師走トオル

乙女の毒


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タカハシ マコ

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サクラさんが紹介していて、興味を引かれたので読んでみました。

私にとっては初のタカハシマコ作品になるわけですが、この人、萌え設定や萌え属性に頼らない根源的な女の子の可愛さを描くのが異常に上手い。この手の描写を得意とする桜庭先生推薦とあれば、さもありなんといったところか。
でもただ可愛いだけでなくて、ある種の毒素みたいなものが体に廻るような、足の裏からじりじりとせり上がってくる感じ。
サクラさんはタカハシマコ作品を読んで「可愛い女の子」がわからなくなったと言っていましたが、なんとなく理由が理解できた気がします。

もちろん大衆向けではないけれど、読めば必ずなんらかの影響を受ける珠玉の百合短編集でした。あ、言い忘れてましたが、百合短編集です。
これでもまだ毒は薄い方らしいので、もしかしたらとんでもない作家さんに手を出してしまったのかもしれません。






僕と彼女のゲーム戦争 (電撃文庫)僕と彼女のゲーム戦争 (電撃文庫)
師走 トオル 八宝 備仁

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「……分かります。なんだかんだで、やってる間は僕も楽しかったですから」
「そう、そうなのだ!」
 と、瀬名先生が叫んだ。
「君はすでにゲームの楽しみ方を知ってる! 確かにゲーマーとしての技量はまだまだかもしれないが、情熱に勝る技量などそうはない! それで十分なのだよ!」



――あらすじ――
数年前まで女子校だった高校に転入した少年、岸嶺健吾。周囲が女子ばかりというハーレム環境にもかかわらず、人づきあいの苦手な彼は、唯一の趣味である読書に没頭し、静かに暮らしていた。しかし、いままで無縁だった部活動に参加することになり、彼の高校生活は波乱万丈なものへと変わっていく…。彼が入部したのは、現代遊戯部―つまりはゲーム部。美人生徒会長や変態教師という心強い(!?)仲間に支えられ、岸嶺は思わぬ才能を発揮するのだった。平凡だった一人の少年の、刺激的なゲーマー人生が、いま幕を開ける。


――感想――
タイトルから想像してた内容と少し違ったけど、安定して面白かった。
というか、表紙開いて1ページ目の口絵があざとすぎて……。しっかり捕まえられましたけどね。

舞台はゲームが日本経済を支える主軸となり、国も推進し、子どもたちの間でも主流の遊び道具となった世界。読書を愛するがゆえに友達がおらず孤独にすごしていた主人公が、転校先の高校でひょんなことからゲームに触れるようになり、部活動を通して仲間と協力する楽しさ、勝ち負けを競う尊さ、敗北の悔しさを知っていく過程がとてもよかった
転校のくだりとか、いきなりとんでも展開が飛び出して少々うんざりしたけど、テーマが明確に掲げられていたので物語がどこに向かっているのかその指針がはっきりしていたし、話の世界にも入りやすく、いい本を読ませてもらっているなという感覚が強かった。

現代もの、学園もの、部活ものと、特に目新しさは窺えなかったが、ことゲームに関しては作者がゲーマーなだけに非常に緻密な描写がなされている。知っている人には共感できる部分が多かったんじゃないかな。
残念ながら私はほとんど知らなかった。でも、だからといって置き去りにされることはない。主人公がゲーム初心者という設定なので、人並みにしかプレイしない私のような人間にも親切で、一緒に成長できるような感覚を味わうことができて、よくわからないけど熱い気持ちになってうおおぉ。

本にしろゲームにしろそこに物語があれば、恐ろしい集中力で物語の世界にのめり込み登場人物になりきってしまうという一風変わった主人公の体質がキーとなる。物語性を重んじるというのはよくある話だよなって思った。でもゲームではあまり意識したことがないかもしれない。いいゲームはいいって知ってるけど、ファミコン時代の作品とかは気にせずプレイしてたなあ。
それにしてもヒロインに純粋な憧れを抱いていて、平気でフラグを立てるような台詞を吐いたりしない男主人公はいいね。主人公の体質が要な割には拭えない地味さがどうにかなれば……。

変態教師はいまいち好かなかったけど、ヒロインのしのぶはいいキャラしてる。普段はみんなの憧れである美人生徒会長様なのに、実はゲームが大好きで、いざゲームをプレイし始めると彼女の言葉とは思えない汚い言葉を発したりなんて……これもある種の残念系ヒロインなのかな。でもなにか一つのことに熱意のある人間はとても素敵だと思うよ。

ストーリーはまだ序章なので続編に期待しよう。
あとまどかはきっと私好みのキャラに違いないので活躍するであろう次巻が楽しみ。


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Posted at 2011.07.07 (17:08) by () | [編集]
Re: 鍵コメの人へ
コメントありがとうございます。

いやこれは紹介したくなるほどの作品ですからね、当然です。
おや、ちょっと意味をはき違えてたみたいです。
記事の方を修正しておきますね。

もっと厳密に言うと、「ゲーム」じゃなくてもよかったんだと思います。とにかく部活を通して、一人だと味わえない色んな楽しさを知っていくというのが主題だったのでしょう。そこに、物語を重んじる主人公のキャラと、ゲームの物語性を当てはめたという感じですね。
専門的になりすぎず広い視野で読者目線に立てていたのは私も感心しました。
その塩梅って、結構難しいと思います。
Posted at 2011.07.08 (03:47) by つかボン (URL) | [編集]
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つかボン

Author:つかボン
前ブログ『BOOKDAYs!』の元管理人。
入間人間先生をこよなく愛し、自らも作家を目指す小説家志望だが、その実態は堕落人生まっしぐらのダメ学生。
しかし落ちるところまで落ちればあとは昇るだけ、それは可能性の獣。

同人誌『Spica-スピカ-』のメンバーとして活動もしています。
コメントなどはお気軽に。
どうぞよろしくお願いします。

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