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丸太町ルヴォワール/円居挽

蘇生


映画『ライフ―いのちをつなぐ物語―』の主題歌にミスチルの『蘇生』が採用されましたー! ぱんぱかぱーん! わーぱちぱち。
この映画はドキュメンタリーみたいなものなのかな。まだいまいち掴めていませんが、ミスチルが主題歌ですし、観に行ってもいいかもしれません。
主題歌決定に際し、ミスチルのボーカル桜井和寿さんからもメッセージが寄せられていました。
動物たちは
命は
意思を持った
的確な言葉で 雄弁に喋っている
この映画を観るまで知らなかった。

んふふ。桜井さんの言葉というだけでニヨニヨしちゃうのはなぜでしょう。

ところで『蘇生』というのは、10年近く前に出したアルバム曲です。アップテンポな曲調と前向きな歌詞が元気をくれる、個人的にもお気に入りの曲です。
今になって蘇生してくれた製作陣に感謝ですね。

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「だけどよ、それが何だってんだ。人間の能力ってのはなあ、そいつの生き方で決まるんだぜ。自分よりすごいやつがいるってことが、折角の能力に見切りをつける理由になるのかよ。誰だってな、自分が持っている一つの能力と縁を切って生きていける程器用じゃねえんだ」



――あらすじ――
祖父殺しの嫌疑をかけられた城坂論語は、変幻自在の論客が丁々発止の応酬を繰り広げる私的裁判“双龍会”の被告となる…容疑を解くためではなく、事件当日、屋敷の一室で二人きりの甘く濃密な時間を過ごした謎の女性“ルージュ”と再会する、ただそれだけのために…。


――感想――
先に感想を書かないといけない本が何冊かありますが、あまりに面白すぎたので飛ばして紹介させてもらいます。記事番号とかおかしくなってるけど気にしないでね。

これは本当に面白すぎる。まさに小説の「心技体」を極めた逸作。
本書は、2010年版『ミステリが読みたい!』にて新人賞国内部門の2位、2010年度版『このミステリーがすごい!』にて国内部門11位を獲得した秀作でもあります。

体の一部に負った怪我を癒すため城坂論語が療養をしていた祖父の家に、ある日見知らぬ女性が忍び込む。偶然にも彼女の手を掴んでしまった論語は、謎の女性“ルージュ”の素性を探るべく会話を試みることに。冒頭から展開される奇妙なボーイ・ミーツ・ガールに早速心が惹かれました。
手を掴み掴まれたまま、二人は向かい合ってしばしの時間をともにすごす。この二人の会話はがとても魅力的で、くだらない内容に思えて、裏では相手の正体を突き止めるための重要な意味を孕ませているところにワクワクするものがあった。

さらには言葉を交わすうちにお互いが相手に惹かれていくのだから、もう堪りません。論語にとっては不審者であり、ルージュにとっては決して見つかってはいけなかった相手。いわば二人は敵どうし。なのにどうしようもなく恋に落ちていくのだから、これほど読書欲を駆り立てられることもないでしょう。

そしてなによりも物語を彩ってくれているのは、京の町に古くから根づく『双龍会』と呼ばれる私的裁判の存在。青龍側(弁護士)と黄龍側(検察官)に分かれて、実際の裁判のように、そしてそれ以上に丁々発止の応酬が飛び交う『双龍会』。本書の見どころといえば間違いなく、この『双龍会』で繰り広げられる優れた論客たちによるハイレベルな論戦だろう。

ミステリといっても事件は至って単純。携帯電話の着信電波による心臓ペースメーカーの不具合を利用した犯行という使い古された、かつ不確実性を伴うネタなのだから。そもそも殺人方法はすでに判明している。しかし、そこに様々な不確定要素を混ぜることで事件に不可解さを演出している。
青龍側に圧倒的な不利の状況で、一体どうやって論語の無実を証明するのか。
幾度に渡るどんでん返しはともすれば惰性と成り下がる恐れもあるのに、大胆不敵に読者を騙してのける鮮やかさには賛美の言葉すら浮かばない。清々しいほどの敗北感を味わえること請負だ。

余談だけど、たとえ明らかなイカサマでも、その論証がしっかり成立し、またイカサマの確たる証拠を掴めなければ不問とする、という『双龍会』の暗黙の了解は麻雀に通ずるものがあると思った。実際、話の中では麻雀の話題が出たし。きっと作者が好きなのだろう(この点でさらに好感)。もしかしたら、『双龍会』という名も麻雀のローカル役『一色双龍会』から採用したのかもしれない。

論語と“ルージュ”以外に触れていないが、そのほかの登場人物もみな充分に魅力的。これはきっととても大事なことなのだけど、この物語には確かな主人公というものが存在しないと私は思っている。なぜなら、だれもが主人公をはれるぐらいのドラマを各々のうちに秘めていて、そして物語の重要な位置にしっかりと関わっているからだ。
その中でも私は、流にただならぬ共感を抱いた。周りが化物ばかりゆえに感じる劣等感や、自分の限界を知って項垂れる姿が他人事に思えなかったから。
円居先生本人の談によると、次回作は流が主人公(になる予定)らしいので、非常に楽しみです。

とまあ、ミステリ小説としてだけでなく恋愛小説、キャラ小説としても一切の妥協なく極限まで突き詰められた本書を、私は激しくプッシュしているわけです。円居先生にベタ惚れです、はい。
他人の感想を読むと好き嫌いはあるみたいですが、ミステリ好きな方にも、そうでない方にもぜひ読んでもらいたい。強くそう願います。
あー、面白かった。


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Posted at 2011.07.18 (10:33) by 読書感想未満、駄文以上。

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Comments

つかボンさん、こんばんは。どうもお久しぶりです。
ミスチルは本当にいいですよね~
昔からちょくちょく聞いていたのですが、最近また聞くようになりました。
今は、ReplyとかCrossroadにはまってます。

この作品、ノーマークだったんですがとても面白そうですね。
かなり惹かれましたよ!
結構前に発売されているみたいなので、BOOKOFFあたりで見かけたら即買いしますねw

Posted at 2011.06.24 (19:01) by じたま (URL) | [編集]
こんばんは。
この間教えてくれたつかボンさんが大プッシュしている作品ですね。そんな評判がよかったのか・・・・・・。
これ、まだ近所の書店で売ってたような・・・・・・。
あったら買ってみますね。
Posted at 2011.06.24 (22:36) by naomatrix (URL) | [編集]
ハイレベルな討論は素晴らしかったですよねえ。
見事なロジックと、ロジックが交わりあっておりました。
文章にさえ惹かれていれば――それこそ最高だったのですが。
そこは、うーんと考え込んでしまうのです。
Posted at 2011.06.25 (20:09) by サクラ (URL) | [編集]
読了おつかれさまでした。大好評のようで何よりです。

確かに円居先生は麻雀がお好きのようです。
双龍会もつかボンさんの指摘のように一色双龍会からのようですし。

もしよろしければこちらもどうぞ。
http://togetter.com/li/108278
史上初、作者が自作解説を行う読書会でしたのでw
Posted at 2011.06.25 (20:55) by 稲羽 (URL) | [編集]
Re: じたまさんへ
コメントありがとうございます。

お久しぶりです。
いいですよねー。私にとっては青春のバイブルなので、これから先の人生でも切っても切れない存在です。
初期の頃の作品にハマってるんですね。そのころだと、私は『LOVE』なんかが好きです。
他にも素敵な曲がたくさんありますので、どんどん聴いてみてください。

私は紹介されるまで存在すら知りませんでした。
ですが読んでみたらびっくり、とてつもなく面白かったです。
機会があればどうぞお手に取ってみてください。
Posted at 2011.06.25 (23:02) by つかボン (URL) | [編集]
Re: naomatrixさんへ
コメントありがとうございます。

はい、私の檄プッシュ作品ですっ。評価は絶賛か酷評で二分化されるみたいですが、自信を持ってオススメできますね。
よければ読んでみてくださいな。
Posted at 2011.06.25 (23:07) by つかボン (URL) | [編集]
Re: サクラさんへ
コメントありがとうございます。

この作品に対する不評が挙がるとしたら、文章もしくはくどいぐらいのどんでん返しだろうなと思っていますが、サクラさんにとってはまさにそこだったんですね。
文章ばかりはどうしても個々の嗜好が現れる部分ですから、仕方がないかもしれません。私は好きな部類だったのですが。
Posted at 2011.06.25 (23:12) by つかボン (URL) | [編集]
Re: 稲羽さんへ
コメントありがとうございます。

素晴らしい作品を紹介していただき、本当にありがとうございます。稲羽さんがいなければ、これほどの傑作を知らぬまますごすところでした。

やっぱり麻雀好きなんですね。ツイッターでもときおり呟いてるので、そうだろうなと思いました。
トゥギャッター拝見しました。どなたも読み込みが深くて恐れ入りますよ。そしてとても面白かったです!
本人の解説つきというのは驚きですが、補助の役割としては大変助かりますねw

次回作の宣伝はここでされていたのですね。
もう、めちゃくちゃ楽しみにしています。
Posted at 2011.06.25 (23:37) by つかボン (URL) | [編集]
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Author:つかボン
前ブログ『BOOKDAYs!』の元管理人。
入間人間先生をこよなく愛し、自らも作家を目指す小説家志望だが、その実態は堕落人生まっしぐらのダメ学生。
しかし落ちるところまで落ちればあとは昇るだけ、それは可能性の獣。

同人誌『Spica-スピカ-』のメンバーとして活動もしています。
コメントなどはお気軽に。
どうぞよろしくお願いします。

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