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ダンタリアンの書架4/三雲岳人

試験の季節


今年もこの季節がやってきました。学生にとっては定期試験の季節です。
文部科学省からのお達しにより今年からなぜか15回講義に取り決められたため、例年あった試験勉強期間がなくなってしまい、いつになく余裕がありません。
文部省がなにを考えてるのかよくわからない。たとえ講義数を増やしたところで出席しない人間は出席しないのに。むしろ試験勉強時間が削られることによって単位を落とす学生が増加するのでは? もっと講義出席を促進するような案を出す方が重要だろ。

そんなことを友達と話していたら、「大学の講義も自動車教習所みたいに予約制にして、出席しなかったらキャンセル料もらえばいいのに」なんて意見が飛び出しました。それだと確かに一度予約してしまえば出席せざるを得ないし、さらに一定数の講義に出席して試験を受けないと単位認定されないようにすれば、卒業のためみんな必死になるような気がします。
まあ、ただの妄言ですけどね。実際にそうなったら息苦しそうなので勘弁願いたい。

でも今の大学は就職のための通過点程度の役割しか果たしてない気がする。本来はもっと学生の勉学意志を尊重し、高度化する場ではなかったか。
自由かつ専門的に学べる時間なんて、大学を卒業してしまえばもうほとんどないというのに。
まあ、私自身がそこまで意識高い学生だとは思わないので、自分で言っていて説得力ないなあと苦笑しそうになってしまうんですけどね。

さて、遠回しになったというか脱線してしまいましたが、言いたかったことは「試験勉強のためブログ更新が鈍るかも」ということです。(それだけかよっ)






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三雲 岳斗 Gユウスケ

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 ヒューイはそう言って愉快そうに笑った。そんな彼の横顔を見つめて、ダリアンは、不意に泣き出す寸前のような寂しげな微笑を浮かべた。
「死が二人を分かつまで……ですか」
「え?」
「なんでもないのです」



――あらすじ――
郊外の寄宿学校に招かれたダリアンとヒューイ。上流階級の令嬢が集まる女子校で、“幻書”を探す二人は、中等部五年のジェシカと出会う。ジェシカの狙いは、学園に“幻書”を持ち込んだ、連続猟奇殺人犯ディフリングを見つけ出すこと。学園で相次ぐ神隠し事件、その被害者の一人はジェシカの親友だった。神出鬼没のディフリングに対し、ダリアンの仕掛けた罠とは―!?悪魔の力を封じた書物“幻書”を巡る少女の冒険、第4弾。


――感想――
アニメも近いので続きを引っ張り出してきて読みました。
相変わらず安定して面白い。
ほどよくダークで、不自然にならない程度にコミカルが入り混じっている。展開に凝りすぎないシンプルなお話をサクサク読めるのは、読者としても負担が少なくて済むので非常に嬉しい。

久しぶりの短編集なんで、また各話ずつ紹介していきましょう。


第一話「間隙の書」

幻書の噂を聞きつけ女子校に探しにきたヒューイとダリアンの二人。しかしその女子校には脱獄した連続猟奇殺人犯が忍び込み、幻書の力を使って神隠し事件を起こしているらしく……といったスプラッタホラー風味のお話。
グロテスク描写とかスリリングな演出とか、実にこのシリーズらしい内容。でもラストは今までとちょっとパターンが違ったかも。ダリアンはドラえもんかよ、って一瞬思った。
殺人犯の殺害理由で思ったことは、やっぱり歪んだ愛情から生まれる狂気が一番怖いなあってことかな。

新キャラのジェシカが可愛かった。


第二話「幻曲」

とても切ないお話。人形、ロボット、アンドロイド、このあたりのネタは作品問わず鉄板だね。
限りなく人間に近い構造を持ってるとはいえ、中身はあくまで人形。クリスタベルに自意識や感情が芽生えたのかは最後までわからなかったけど、でもダラリオが与えてくれた幸せを理解していてくれたらなって思う。
それにしても楽譜が幻書とは。今度はそうきたか。

最後、珍しくダリアンが優しい言葉で締めているのに、ヒューイは甲斐性なしだなあ。
ヒューイが綺麗な女性と話してるだけで拗ねるダリアンが可愛い。


第三話「連理の書」

意外と人気が高いんじゃないかと思われるアルマン再登場。
前回は幻書と女性がらみで痛い目を見たけど、今回も女性がらみ。そして幻書も。
今回の幻書は「連理」というだけあって二冊で一つ。書物を持っている者同士が運命の相手として結ばれるというもの。当然その力には裏があって、相手を裏切るようなことをすれば災いが起こり……。
とにかく、女性の嫉妬は地獄の業火よりも執念深いというお話です。それだけ愛されてるってことなんだろうけど、幸か不幸かどっちなんだろうねえ。
解決方法が大胆すぎてちょっと驚いた。幻書ってほんとばんのー。

ラストのダリアンの思わせぶりな態度はなにを意味してるのだろう。
ヒューイとダリアンの向かう先を暗示したなにかでなければいいけれど。


断章一「催眠の書」

この手のお話はお得意だなあ。
オチは読めたけど、幻書ならではな落とし方がよかった。


第四話「調香師」

今回こういうパターン多いなあ。読み手は幻書の力を使いこなせてるけど、利益に目が眩んだ周囲の人物が……ってパターン。
このお話なんかは特に、自己利益ではなく他人の幸せを願って幻書を使おうとしてたから、こんな結末になるなんて……。でも、この冷酷さがシリーズの魅力でもある。
フィオナ。匂いで相手の感情や嘘を嗅ぎ分けてしまう少女。ダリアンが最後についた優しい嘘を嗅ぎ分けたときの、彼女の幸せそうな笑顔はとても素敵でした。いいところに挿絵を持ってきてくれたなあ。
痛覚を鈍くする香水を嗅いだ敵との戦闘シーンも迫力があった。

一番好きだったお話です。


断章二「屋敷妖精の受難」

屋敷妖精が色んな登場人物を間を転々とするお話。
行く先々で難事が待ち構えていて、結局『青い鳥』的な終わりを迎えるのが面白かった。


第五話「幻書泥棒」

今回の一番の見所だろうね。『焚書官』ハルと『銀の読姫』のフランベルジュのお話。
「ヒューイ&ダリアンコンビとの再会あるか!?」と楽しみにしていたけど、どうやら次の機会にお預けみたい。
辺鄙な町に差し出された怪盗からの予告状。そこには幻書を盗むと記されていた。噂を聞きつけ地方領主の城を訪れたハルとフラン。しかしその城には『緋色の法衣(ローブ・オブ・スカーレット)』と呼ばれる怪物が現れるという噂もあって……ってなお話。
軽いミステリ要素もあり、堅物のハルと壊れたフランの愉快なやり取りもありと、なかなか面白いお話に仕上がっている。この二人結構好きだな。
しかしついに幻書泥棒まで現れたか。しかも本人も幻書の力を借りているから一筋縄ではいかない相手。焚書官と読姫のコンビでも苦戦するんだからな。

幻書泥棒(ミスリル)が今後どうお話に関わってくるかは不明だけど、随分面白くなってきたじゃないか。
アニメはどこまで進むんだろう。ともかく楽しみ。



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Comments

大学の意味って何なんだろうな、と思うこのかたです。
特に最近、在学者や、中退者の意見を聴く機会が多いので。
ただ京都大学の自由さとか見ると、「受験してみようかなあ」なんて思ったりもします(戯言ですが、あまりにも楽しそうに見えるので)。

Posted at 2011.07.12 (16:21) by サクラ (URL) | [編集]
Re: サクラさんへ
コメントありがとうございます。

在学生ですが、在学してればしてるほどわからなくなりますね。
でも楽しくて、通うことに意義を見出せる大学は存在するんだと思います。それが京大かはわかりませんが、少なくとも評判はいいですし、それだけの理由がなにかあるのでしょう。
受験するだけなら一度してみてはいかがでしょうか?w
人生に一度の記念という意味で。
Posted at 2011.07.12 (23:11) by つかボン (URL) | [編集]
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Author:つかボン
前ブログ『BOOKDAYs!』の元管理人。
入間人間先生をこよなく愛し、自らも作家を目指す小説家志望だが、その実態は堕落人生まっしぐらのダメ学生。
しかし落ちるところまで落ちればあとは昇るだけ、それは可能性の獣。

同人誌『Spica-スピカ-』のメンバーとして活動もしています。
コメントなどはお気軽に。
どうぞよろしくお願いします。

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