Colorful Concrete
おもしろき ことなき世を おもしろく 高杉晋作
ノーブルチルドレンの残酷/綾崎隼
- Posted at 2011.07.28
- lメディアワークス文庫
光陰、矢の如し
時間というのは本当にあっという間に過ぎてしまいますね。あれほど大変だと嘆いていて、7月末がはるか遠くに感じていましたが、終わってみればほんの少しの間だったような気がします。密度が濃いほど時間の経過が速く感じたりするものですし、そういう意味ではこの時期はそれが顕著なのかもしれません。
というわけでテスト終わりましたー! いやっほぅー!
大学に入ってはすでに5度目、人生を通せばもう何度経験したか知りませんが、このテスト期間というものはなかなか慣れるものではありませんね。3回生になってからは講義数的に多少楽にはなりましたが。
毎年試験期間が来ると、なぜか私は『奥の細道』の冒頭の一文を思い出したりします。
この試験期間というのも旅人のようなものなのでしょう。来ては去り、そしてまた一定の期間を置いてやって来る。
まあ、決して訪れを歓迎され、別れを惜しまれるわけではないでしょうが。
ともかく終わりました。これでまたしばらく自由な時間ができそうです。
今こそショーシャンクの雨に打たれながら自由を噛みしめるポォーズッ!
――あらすじ――
美波高校に通う旧家の跡取り舞原吐季は、一つだけ空いた部室を手に入れるため『演劇部』と偽って創部の準備を進めていた。しかし因縁ある一族の娘、千桜緑葉も『保健部』の創設を目論んでおり、部室の奪い合いを発端に、奇妙な推理勝負が行われることになってしまう。反目の果てに始まった交流は、やがて二人の心を穏やかに紐解いていくことになるのだが…。ポップなミステリーで彩られた、現代のロミオとジュリエットに舞い降りる、美しくも儚き愛の物語。
――感想――
現代のロミオとジュリエットなんて言うからどれほど悲壮な恋愛譚かと思えば、予想外にぬるくて途中何度も首を傾げた。
でもどうやら、はじめからシリーズが想定された作品らしく、これから悲劇の色が強くなっていく模様です。
綾崎先生の著作はこれが二冊目で、『舞原』ということ以外他作品との繋がりはわからないけど、特に困ることなく物語を楽しめた。オムニバス形式を取っていて、1話ごとに軽いミステリ要素が含まれている。
もう少しページ数を増やせなかったのかと物足りなさを感じる一方で、こざっぱりとした展開が爽やかな読後感を残してくれたりと、やっぱり作風は好みだなと思いました。
古くからお互いの間に因縁を抱える一族の末裔どうしが、部室の領有権をめぐって学校で起こる不可解な事件の謎解き勝負を繰り広げる。学内で多発する猫殺し、先生の恋人探し、破壊された部室扉の鍵、密室の家庭科室から消えたケーキなど事件そのものは難解ではないが、ときには協力し合い、ときには反発し合って、最初忌み嫌い合っていた二人がちょっとずつ距離を縮めていく様子に溜息が漏れました。
特に緑葉は直情的でこうと決めたら一直線に行動するタイプだから、吐季に対する自分の気持ちを知ってからの彼女はとても勇ましく、何度とりつく島もないほどあしらわれても諦めない一途な姿がとても素敵だった。
実際のところ吐季はまだほとんど緑葉に心を許していないのだけど、惰眠を貪ってるところを彼女に叩き起こされ、振り回され、悪態をつくことなんてしょっちゅうで、でも本当にわずかだけど本心を見せるようにもなる。吐季が緑葉に冷たくするのは、『舞原』と『千桜』という因縁の関係だけではなく、もっと人間としての根本の部分で抱えるものがあるのかもしれない。
彼の心情がわかりにくく描かれているので、そのあたりが非常にもどかしかった。
一つだけ読んでいて気になることがあった。なんだかキャラが不自然。気取りすぎというか、行動が理に適ってないというか。緑葉は好きになれたが、その他がなんとも。
とはいえ残された謎も多く、二人の恋の行方も気になるので続きはおそらく買うかな。
ここからなにを失い、なにを得るのか。許されざる恋ゆえに燃え上がる愛憎劇を期待しています。
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時間というのは本当にあっという間に過ぎてしまいますね。あれほど大変だと嘆いていて、7月末がはるか遠くに感じていましたが、終わってみればほんの少しの間だったような気がします。密度が濃いほど時間の経過が速く感じたりするものですし、そういう意味ではこの時期はそれが顕著なのかもしれません。
というわけでテスト終わりましたー! いやっほぅー!
大学に入ってはすでに5度目、人生を通せばもう何度経験したか知りませんが、このテスト期間というものはなかなか慣れるものではありませんね。3回生になってからは講義数的に多少楽にはなりましたが。
毎年試験期間が来ると、なぜか私は『奥の細道』の冒頭の一文を思い出したりします。
この試験期間というのも旅人のようなものなのでしょう。来ては去り、そしてまた一定の期間を置いてやって来る。
まあ、決して訪れを歓迎され、別れを惜しまれるわけではないでしょうが。
ともかく終わりました。これでまたしばらく自由な時間ができそうです。
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ねえ、舞原吐季。
今日、あたしは運命みたいなものを感じたの。
吐季とだったら、一緒に歩いていける気がしたんだよ。
だから、絶対に、あんたを振り向かせてみせるね。
――あらすじ――
美波高校に通う旧家の跡取り舞原吐季は、一つだけ空いた部室を手に入れるため『演劇部』と偽って創部の準備を進めていた。しかし因縁ある一族の娘、千桜緑葉も『保健部』の創設を目論んでおり、部室の奪い合いを発端に、奇妙な推理勝負が行われることになってしまう。反目の果てに始まった交流は、やがて二人の心を穏やかに紐解いていくことになるのだが…。ポップなミステリーで彩られた、現代のロミオとジュリエットに舞い降りる、美しくも儚き愛の物語。
――感想――
現代のロミオとジュリエットなんて言うからどれほど悲壮な恋愛譚かと思えば、予想外にぬるくて途中何度も首を傾げた。
でもどうやら、はじめからシリーズが想定された作品らしく、これから悲劇の色が強くなっていく模様です。
綾崎先生の著作はこれが二冊目で、『舞原』ということ以外他作品との繋がりはわからないけど、特に困ることなく物語を楽しめた。オムニバス形式を取っていて、1話ごとに軽いミステリ要素が含まれている。
もう少しページ数を増やせなかったのかと物足りなさを感じる一方で、こざっぱりとした展開が爽やかな読後感を残してくれたりと、やっぱり作風は好みだなと思いました。
古くからお互いの間に因縁を抱える一族の末裔どうしが、部室の領有権をめぐって学校で起こる不可解な事件の謎解き勝負を繰り広げる。学内で多発する猫殺し、先生の恋人探し、破壊された部室扉の鍵、密室の家庭科室から消えたケーキなど事件そのものは難解ではないが、ときには協力し合い、ときには反発し合って、最初忌み嫌い合っていた二人がちょっとずつ距離を縮めていく様子に溜息が漏れました。
特に緑葉は直情的でこうと決めたら一直線に行動するタイプだから、吐季に対する自分の気持ちを知ってからの彼女はとても勇ましく、何度とりつく島もないほどあしらわれても諦めない一途な姿がとても素敵だった。
実際のところ吐季はまだほとんど緑葉に心を許していないのだけど、惰眠を貪ってるところを彼女に叩き起こされ、振り回され、悪態をつくことなんてしょっちゅうで、でも本当にわずかだけど本心を見せるようにもなる。吐季が緑葉に冷たくするのは、『舞原』と『千桜』という因縁の関係だけではなく、もっと人間としての根本の部分で抱えるものがあるのかもしれない。
彼の心情がわかりにくく描かれているので、そのあたりが非常にもどかしかった。
一つだけ読んでいて気になることがあった。なんだかキャラが不自然。気取りすぎというか、行動が理に適ってないというか。緑葉は好きになれたが、その他がなんとも。
とはいえ残された謎も多く、二人の恋の行方も気になるので続きはおそらく買うかな。
ここからなにを失い、なにを得るのか。許されざる恋ゆえに燃え上がる愛憎劇を期待しています。
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