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ギリシア神話を知っていますか&私のギリシャ神話/阿刀田高

ポメラ




先日『ポメラ』を購入しました。
ツイッター上で作家志望者たちの間で話題に上がっていたのでついほしくなっちゃいまして……。もともとノートパソコンよりお手軽に携帯できるワープロを求めていたし、価格も二万円に満たないということだったので購入を決心しました。
実際に使ってみると、噂通りの性能のよさ。画面も大きくキーボードも幅広なので、慣れればPCに打つのと変わらない感覚で打鍵できるようになります。それになにより、文章を作成するという点において特化された機能が便利便利。PCとの互換性も高いですし、もっと潜在能力を引き出せば値段に見合った活躍が期待できそうです。

これで教習の待ち時間、電車に移動中、大学での講義の合間に気軽に執筆できるようになったのはとても嬉しいです。俄然やる気がわいてきました。






ギリシア神話を知っていますか (新潮文庫)ギリシア神話を知っていますか (新潮文庫)
阿刀田 高

新潮社 1984-02
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――あらすじ――
聖書と並ぶ古典中の古典、ギリシア神話は、世界の思想、芸術、文芸に多大の影響を及ぼしている。本書では、多彩豊富な物語の膨大な枝葉を巧みに整理し、著名なエピソードを取りあげてわかりやすく解説する。エロス、オイディプス、パンドラ、アンドロメダ……神話中のヒーローとヒロインの運命を、作家的想像力で興味深く語ったこの一冊で、あなたはもう“ギリシア神話通”。


私のギリシャ神話 (集英社文庫)私のギリシャ神話 (集英社文庫)
阿刀田 高

集英社 2002-12-13
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――あらすじ――
世界の至る所に浸透し、痕跡を残しているギリシャ神話。とくに西洋の文化や芸術を味わうとき、ギリシャ神話を知っていると、10倍は楽しい!数多くの神々や英雄が活躍する広大な神話の世界を、ゼウス、ヘラクレス、アプロディテ(ヴィーナス)など、馴染み深い神々のエピソードを中心に、巧みに水先案内。満載の“挿し絵”は、世界の名画!エッセイとアートで楽しむ、おもいきり贅沢なカラー文庫。


――感想――
見ての通り、今回は二冊まとめて感想を書かせてもらいます。

作家界ではもう大御所である阿刀田先生。その著作を読ませてもらうのは初めてでしたが、いやほんとに面白いのなんのって二冊とも評判の高さも納得の出来映えだった。
ギリシア神話にかんする知識をとにかく初心者にわかるように工夫を凝らし、一冊の書物となしている。学術書や専門書で扱われるような内容を小説のような語り口で説明してくれるので、そうめんをするするすするようにすんなりと理解することができた。
入門書として、これ以上妥当な本はないのではないだろうか。

ゼウス、オリンポス十二神、トロイア戦争、ヘラクレス、パンドラ……。
個別の単語ならある程度知っている人はいるだろうけど、そこから一歩踏み込むと途端にわからなくなるのがギリシア神話ではないだろうか。私もそうだった。
けれどギリシア文化というのは、思った以上に私たちの生活に深くかかわってきているという事実がある。
「マラソン選手がアキレス腱を切り、モルヒネで激痛を抑えたが、ついにオリンピックへの出場は断念した」

たとえばこの一文。この一文に出てくる四つのカタカナはすべて古代ギリシャに起源を持っている。ギリシア神話に端を発し、今もなお私たちの周りで形を変え生き残っている文化が意外に多くあることに、私はまず驚いた。

でもなによりも、神話に登場する名だたるヒーロー&ヒロインたちの劇的な恋愛模様に創作脳を刺激されずにはいられない。
ギリシア神話の神さまというのは姿形も見えない概念のような崇高な存在ではなく、とにかく人間くさい。恋もするし嫉妬もするし、わがままだって好き放題。好色家で有名な主神ゼウスは、見初めたらすぐに神と人間見境なく事に及ぼうとする女好きで、その度に嫉妬に狂う正妻ヘラの様子も、まるで人間の夫婦のようではないか。
神と人間の、二つの存在の間で繰り広げられる激しくも美しい愛憎劇こそがギリシア神話最大の魅力なのではないかと思う。後世何世紀にもわたって文学の題材とされてきたのも納得である。

その点にかんしても阿刀田先生の切り口は絶妙で、学問的な解釈に固執せず、そこはさすが小説家、自身の想像力を駆使した独特な見解を巧みに語るところが実に愉快。
そもそもギリシア神話というのは人の創作物なだけあって、解釈が多義にわたるエピソードがたくさんある。もともとは民話だったものが派生してギリシア神話にくっついたり(ヘラクレスの十二の試練など)、これが絶対というエピソードはほとんどないに等しいのではないだろうか。
しかしだからこそ、想像する甲斐があるのではないだろうか。たとえばゼウスが神、人を問わず多くの子をなすほどの好色家だったという人格づけは、当時のギリシア人の自分が神の子であったらという願いの表れでもあったとされている。トロイア戦争は、増えすぎた人間を減らすための神の仕向けた結果ともされている。
改めて内容を整理してみると、個々の物語が時系列的にまたは因果的に繋がっているという事実が誠に面白い。ギリシャ人の想像力、芸術性、そしてストーリーテラーとしての豊穣な才能には驚かされてばかりだ。

さて、二冊まとめて感想を書いてきましたが、せっかくなので二冊の共通点と違いを簡単に紹介しておこうかと。
この二冊は刊行した時期に大きな差があるため、神話の解釈も時流とともに少しだけ変化した部分も見受けられるけど、ほとんど大差ないと言えるでしょう。

共通点としては、有名なエピソードを一話ずつピックアップして進むという形をとっています。有名と言っても、マニアックな知識や雑学を随所で交えてくるので、内容量以上に満足できるのではないかと。他の専門書にあるよな世界の創世から順に流れを追う手法より格段にわかりやすく、そしてなにより読みものとして充分に楽しむことができます。
取り扱っているエピソードにかんしては、被っているものもあればどちらか一方にしかないものもあるので、そこは自分の目で見極めてください。

違いは、『私のギリシャ神話』には豪華な世界の名画がカラーで掲載されているということでしょう。これは本当に贅沢だと思いました。読んでみた感じでは、『ギリシア神話を知っていますか』の方が若干詳しかったように思いますが、視覚でも楽しみたい方は『私のギリシア神話』をおすすめします。

阿刀田先生の古典シリーズはこれからもどんどん読んでいきたい。


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つかボン

Author:つかボン
前ブログ『BOOKDAYs!』の元管理人。
入間人間先生をこよなく愛し、自らも作家を目指す小説家志望だが、その実態は堕落人生まっしぐらのダメ学生。
しかし落ちるところまで落ちればあとは昇るだけ、それは可能性の獣。

同人誌『Spica-スピカ-』のメンバーとして活動もしています。
コメントなどはお気軽に。
どうぞよろしくお願いします。

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