FC2ブログ

”文学少女”と繋がれた愚者/野村美月

井上雄彦 最後のマンガ展


最近友人と全く会っていなかったのですが、明後日久々に会うことになりました。
何をするのかというと、サブタイの通り『井上雄彦 最後のマンガ展』に行くのです!
私とその友人は井上先生のファンで、以前から計画は立てていたのですが、それが現実となって嬉しいです。
久しぶりに、井上先生の世界を堪能してこようと思います。


“文学少女”と繋がれた愚者 (ファミ通文庫)“文学少女”と繋がれた愚者 (ファミ通文庫)
野村 美月

エンターブレイン 2006-12-25
売り上げランキング : 3607

Amazonで詳しく見る
by G-Tools



「それは……杉子が本当に言ったことじゃなくて、野島の妄想じゃないですか」
「そうね。でも、わたしは、心葉くんの妄想じゃないわ」
 頬にあてられていた手が、ぼくの手をつかむ。そうして、そのまま、自分の心臓の上に、ぼくの手を押し当てた。
「わたしは、ここに、ちゃんと存在しているわ」



――あらすじ――
「ああっ、この本ページが足りないわ!」ある日遠子が図書館から借りてきた本は、切り裂かれ、ページが欠けていた―。物語を食べちゃうくらい深く愛する“文学少女”が、これに黙っているわけもない。暴走する遠子に巻き込まれた挙句、何故か文化祭で劇までやるハメになる心葉と級友の芥川だったが…。垣間見たクラスメイトの心の闇。追いつめられ募る狂気。過去に縛られ立ちすくむ魂を、“文学少女”は解き放てるのか―?大好評シリーズ第3弾。


――感想――
素晴らしいの一言です。
語彙が足りないようで申し訳ないですが、この本を読み終わって最初の感想はこれでした。
ストーリー展開、人物描写、セリフ、オチ、どれをとっても非常に良かったと思います。

今回は芥川くんの話。
初登場から謎の多い芥川くんでしたが、ここにきてようやく彼にスポットが当てられます。
物語は、図書館の本のページを切り取ろうとしていた芥川くんを、遠子先輩が捕え、そのことを咎めない代わりに、文化祭で文芸部が行う劇に出演することを遠子先輩が要求するところから始まります。
その劇には、他にも竹田さんや琴吹さんも参加することになり、何だかいろいろと楽しみが湧いてくる展開に。
1巻の頃から竹田さんを毛嫌いしていた琴吹さんですが、彼女ら二人の会話は面白かったです。
竹田さんは、明らかに琴吹さんの反応を楽しんでやってるって感じでした。
その琴吹さんですが、今回は心葉との絡みが多くて良かったです。
最後の方では、自分の想いを心葉に吐き出していましたしね。あれで気付けない心葉はどうなんだろう……。
琴吹さんは純粋に可愛いと言える女性だと思います。

しかし、そんなほのぼのとした展開も束の間、物語はどんどんと暗い方向に向かっていきます。
その中心にいたのは芥川くん。
彼女はいないと言う芥川くんに、芥川くんの彼女だと主張する女性が現れたり、芥川くん自身も謎の行動を繰り返したり。
どうやらその原因は、彼の過去にあるようですが、他人の事情に必要以上に関わろうとしない心葉は、彼の心の闇に踏み込むべきかどうか迷います。
しかし、それでも心葉が芥川くんを放っておけなかったのは、彼の置かれていた境遇が、どこか自分に似ていると思ったからでしょう。
誰よりも誠実であり続けようと振舞っていた男が、誰よりも誠実であれなかった過去に繋がれ、もがき苦しむ姿が自分と重なって見えたのでしょう。
芥川くんの姿を自分に重ね、過去を乗り越えようとする心葉にはとても感動しました。

ラストの舞台上での遠子先輩の芥川くんに対する訴えは号泣もので、物語の真実を伝えられ胸が張り裂けそうになりました。
この作者は、なんと儚くて美しい物語を考えるのでしょうか。
私も、どんなときも、心に理想をかかげる愚か者でありたいです。
それにしても、今回の遠子先輩は本当に素敵でしたね。
舞台上での名演説もそうですが、私は心葉の心が折れそうなときに、遠子先輩が心葉くんの家まで迎えに来たシーンがずっと心に残っています。
心葉が必要としているときに、彼の心を支えるかのように現れる遠子先輩は、本当に心葉くんの良き理解者なんだと思いました。
彼らの関係は非常に羨ましいですね。



関連商品
“文学少女”と穢名の天使 (ファミ通文庫)
”文学少女”と飢え渇く幽霊 (ファミ通文庫)
“文学少女”と慟哭の巡礼者 (ファミ通文庫)
“文学少女”と月花を孕く水妖 (ファミ通文庫)
“文学少女”と死にたがりの道化 (ファミ通文庫)
by G-Tools

ドラマCD版“文学少女”と飢え渇く幽霊 前篇
ドラマCD版“文学少女”と飢え渇く幽霊 前篇


スポンサーサイト



Leave a comment

Private :

Comments

コメ感謝
先日ようやく危険物の資格試験を終えました。
ようやくひと段落ついたため記事をあげました。
これから記事をどんどん上げていこうと思っているのですが、
15日にもう一つ資格試験があるためまた…
可能な限りあげていこうと思います。
お互いがんばりましょう。
Posted at 2010.03.02 (21:35) by shamu (URL) | [編集]
Re: コメ感謝
shamuさんコメントありがとうございます。
> 先日ようやく危険物の資格試験を終えました。
私も何か資格を取りたいです。TOEICなども受けようかと考えてるんですけどね。
今はとりあえずお疲れ様です。

> これから記事をどんどん上げていこうと思っているのですが、
> 15日にもう一つ資格試験があるためまた…
大変ですね。
でも、頑張ってください!試験に受かれば今の大変さなんて吹き飛ばすほどの嬉しさが待ってるはずですから。

> お互いがんばりましょう。
はい、頑張りましょう。
Posted at 2010.03.02 (21:44) by つかボン (URL) | [編集]
はじめまして。
自分も今、文学少女にドハマり中です。
とはいっても、新刊優先で読んでるので、まだまだ続きが残ってますけど……。

今回の話の遠子先輩は最高に素敵でしたね。
早く僕も続き読まないと。
Posted at 2010.03.03 (00:05) by ぐれ (URL) | [編集]
Re: タイトルなし
ぐれさん、コメントありがとうございます。

> 今回の話の遠子先輩は最高に素敵でしたね。
遠子先輩のような素敵な先輩をもてた心葉は本当に羨ましいですよね。

> 早く僕も続き読まないと。
私もまだ全巻読んでいないので、続きが気になります。
Posted at 2010.03.03 (15:56) by つかボン (URL) | [編集]
- - - - - - 1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31 - - - - -
04 06
FC2カウンター
ブログランキング

FC2Blog Ranking

応援とか色々
プロフィール

つかボン

Author:つかボン
前ブログ『BOOKDAYs!』の元管理人。
入間人間先生をこよなく愛し、自らも作家を目指す小説家志望だが、その実態は堕落人生まっしぐらのダメ学生。
しかし落ちるところまで落ちればあとは昇るだけ、それは可能性の獣。

同人誌『Spica-スピカ-』のメンバーとして活動もしています。
コメントなどはお気軽に。
どうぞよろしくお願いします。

MY読書メーター
つかボンさんの読書メーター つかボンの最近読んだ本
検索フォーム
カテゴリ
最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
リンク
RSSリンクの表示
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QRコード