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プシュケの涙/柴村仁

途中経過報告2


今日も執筆作業にいそしんでいるわけですが、現在ワープロ原稿で40枚程度です。
しかし、最近筆が止まり気味です。
自分の文章力のなさに打ちひしがれているところです。
いろいろな作家さんの本を読んで勉強しているのですが、なかなかどうして言葉にするのは難しいものです。
それでも、何とか書いてはいます。
完成するのはいつのなることやら……


プシュケの涙 (メディアワークス文庫)プシュケの涙 (メディアワークス文庫)
柴村 仁

アスキーメディアワークス 2010-02-25
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「こうして言葉にしてみると、なんか……すごく陳腐だ。適当に作った昼ドラみたい。おかしいよね。笑っていいよ」
「笑わないよ。笑っていいことじゃないだろう」
「……そうかな」
「そうだよ。あんた、なんでそんなに我慢するんだよ」



――あらすじ――
夏休み、一人の少女が校舎の四階から飛び降りて自殺した。彼女はなぜそんなことをしたのか?その謎を探るため、二人の少年が動き始めた。一人は、飛び降りるまさにその瞬間を目撃した榎戸川。うまくいかないことばかりで鬱々としている受験生。もう一人は“変人”由良。何を考えているかよく分からない…。そんな二人が導き出した真実は、残酷なまでに切なく、身を滅ぼすほどに愛しい。


――感想――
本来なら、今日は『刀語』のレビューを書くつもりだったのですが、予定を変更してこの『プシュケの涙』のレビューを書きたいと思います。
なぜ予定を変更したのかというと、今すぐにでもレビューを書きたくなるほど、私がこの作品に感銘を受けたからです。

本作は、もともと電撃文庫のほうで刊行されたものなのですが、先月メディアワークス文庫のほうで再刊行されました。
柴村先生といえば『我が家のお稲荷さま。』シリーズの印象が強いですが、それらとはまた違った味わいがあり、当時から多くの高い評価を受けていたらしいですが、今回の再刊行はそれらの理由があるからでしょう。
あとがきにもありましたが、1巻完結作品は時がたつと書店さんの棚からは自然と消えていくものです。
私の周りの書店でもまったく置いていなかったので、今回の再刊行は私にとってとても嬉しいことです。
こんな素晴らしい作品に出会わせてくれたメディアワークス文庫さんには本当に感謝しています。

さて、本作の内容なのですが、とにかく残酷で、そして切ない。
この切なさは『とある飛空士への追憶』に似ていますが、あちらの作品には救いがあるのに対し、こちらは最後まで救われません。
最初は、学校から飛び降りた一人の少女の死の真相を、二人の少年が突き止めていくというミステリーものなのかと思いました。
しかし、物語の前半部分で、その謎はあっさり明かされてしまい、アレ? と思ったのですが、ここからがこの作品のすごいところ。
この作品の核心部は後半からなのです。というよりこの物語は後半から始まっているのです。
この手法だからこそ生まれる切なさ。
前半で結末が分かっているからこそ、後半の明るい世界が滲んで見える。
どうして彼女が? という思いが拭いきれない。
おそらくこの作品の主人公は変人の由良なのでしょうが、敢えてその由良を他者の視点から描いています。
他者の視点から描いているので、彼の心情が読めません。
それがまた、この切なさを助勢していて何とも言えない。

でも、なぜだか鬱な気持ちにはなりません。
鬱とは違う。
狂おしいほど残酷で切ないけど、何よりも愛おしい。
こんなに辛い思いをしたのに、読まなければよかったとはどうしても思えません。
そんな素晴らしい作品と出会うことができたのです。

どうやら、今月から『プシュケの涙』の続編が出るらしいです。
続編といっても、この物語の続編というわけではなく、由良が出てくるこれとは別の物語が描かれるのだと思います。
由良の世界をもう少し味わっていたいので、おそらく次巻も購入するでしょう。
次巻が楽しみです。


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Comments

丁度今日読んでましたw
まだプロローグまでしか見てませんが
Posted at 2010.03.12 (19:40) by ばなな汁 (URL) | [編集]
Re: タイトルなし
ばなな汁さん、コメントありがとうございます。

> 丁度今日読んでましたw
そうなんですか!? すごい奇遇ですねw

> まだプロローグまでしか見てませんが
案外すっと読めちゃいますよ。
どうぞ、その素晴らしい世界に浸ってください。
Posted at 2010.03.12 (21:14) by つかボン (URL) | [編集]
初コメですヨロシクお願いします

いきなりでスミマセンが
ホントに続編出るんですか!?

うわぁ楽しみすぎる!?

なんかスミマセン
でも大好きなんですこれ

これも由良が運んでくれた縁だと思います
相互リンクお願いします!

待ち遠しいですね
Posted at 2010.03.12 (22:19) by tokuP (URL) | [編集]
Re: タイトルなし
tokuPさん、コメントありがとうございます。

> いきなりでスミマセンが
> ホントに続編出るんですか!?
どうやら『ハイドラの告白』と『セイジャの式日』という2作品が今月から順次刊行するらしいですよ。
内容は、『プシュケの涙』から数年後の話だとか。

> なんかスミマセン
> でも大好きなんですこれ
かまいませんよ。
tokuPさんの記事も読みましたが、どれほど好きなのか伝わってきました。
私の記事は少し語りすぎかもしれませんねw

> これも由良が運んでくれた縁だと思います
> 相互リンクお願いします!
そう言われるとしないわけにはいきませんねw
こちらこそどうぞよろしくお願いします。
Posted at 2010.03.12 (22:52) by つかボン (URL) | [編集]
この本を見ると
湊かなえという人のハードカバー本「告白」を
思い出します、救えなさとかね
Posted at 2010.03.13 (03:30) by シャモ (URL) | [編集]
Re: タイトルなし
シャモさん、コメントありがとうございます。

> この本を見ると
> 湊かなえという人のハードカバー本「告白」を
> 思い出します、救えなさとかね
確かその作品は今度映画化しますよね?
暇があれば見てみたいですね。
Posted at 2010.03.13 (11:44) by つかボン (URL) | [編集]
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Author:つかボン
前ブログ『BOOKDAYs!』の元管理人。
入間人間先生をこよなく愛し、自らも作家を目指す小説家志望だが、その実態は堕落人生まっしぐらのダメ学生。
しかし落ちるところまで落ちればあとは昇るだけ、それは可能性の獣。

同人誌『Spica-スピカ-』のメンバーとして活動もしています。
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