Colorful Concrete
おもしろき ことなき世を おもしろく 高杉晋作
君のための物語/水鏡希人
- Posted at 2010.03.27
- l電撃文庫
憎いあんちくしょうは青空のように爽やかな青年でした
今日、街中の階段の多い通路で、笑顔が素敵な20代ぐらいの男性が、おばあちゃんの重たそうな荷物が詰め込まれた荷車を持ってあげて、一緒に階段を登っている光景を目撃しました。
ああいうのを見せられるとね、自分の矮小さが身に染みますよね。
余談ですが、5月にファミ通文庫の方で『ココロコネクト ヒトランダム』の続編が刊行され予定みたいです。
この事実を知ったとき軽く狂喜乱舞してしまいました。
絶対に続編は出ないと思っていましたからね。
今から非常に楽しみです。
――あらすじ――
華やかさとも成功とも無縁で、幸福や繁栄は手に入らない対岸のもののように感じられる、そんなひとりぼっちの冬の寒い夜。ひょんなことから死にそうな目に遭った私を救ったのは、奇妙で不思議で美しい「彼」…レーイだった。出会いと喪失をいちどきに運んだ不思議な力、老婦人の昔日の想いが込められた手鏡と櫛、天使をも魅了する声を持つ女帝とも称された歌姫、そして「彼」を追う魔術師―私は彼にまつわる不思議な事件に巻き込まれ、そして―?第14回電撃小説大賞“金賞”受賞。「彼」と「私」をめぐる数奇な運命を綴った物語。
――感想――
本作は、第14回電撃小説大賞で金賞を受賞した作品になります。
少し前の作品となりますが、イラストの端麗さに惹かれ衝動買い。
あとで知った事なのですが、当時は随分と評価が良く、こちらが大賞ではないかと噂されるほどだったとか。
読了しての感想ですが、まさしく秀作と呼べる作品だと思います。
一つの物語としては、特別奇抜であったり尖っているものがあるわけではないですが、ラノベとしては、やはり異作という言葉が似合うでしょう。
ラノベではなくどこかの洋書や、あるいは洋画を見ているような印象を受ける。
内容としては「彼」と「私」が出会う数奇な物語が短編集の形で描かれています。
どの話も美しい余韻が残る。
悲しい結末を迎える話もありますが、その全てが愛おしい。
中でも「彼」と「私」の出会いを描いた第1章は逸脱していると思います。
この話が物語全体の一つの基盤となり後々の話に影響していく。
物語が進むにつれ、徐々に「彼」の真実に迫っていき、それにより「彼」と「私」の心が繋がっていく様は、読んでいて思わず情感の籠った溜息が漏れるほど。
「彼」と「私」が出会った全ての人々、遭遇した全ての事件が、彼らの心の橋渡しの役割を担ってくれるのです。
透き通った文章で紡がれた「彼」と「私」の奇妙にして親愛な物語に敬意を表してレビューとしたいと思います。
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今日、街中の階段の多い通路で、笑顔が素敵な20代ぐらいの男性が、おばあちゃんの重たそうな荷物が詰め込まれた荷車を持ってあげて、一緒に階段を登っている光景を目撃しました。
ああいうのを見せられるとね、自分の矮小さが身に染みますよね。
余談ですが、5月にファミ通文庫の方で『ココロコネクト ヒトランダム』の続編が刊行され予定みたいです。
この事実を知ったとき軽く狂喜乱舞してしまいました。
絶対に続編は出ないと思っていましたからね。
今から非常に楽しみです。
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奇妙。
そして、
親愛。
彼について語ろうとする時、程度の差はあれ常にこの二つの要素と無縁ではいられない。
――あらすじ――
華やかさとも成功とも無縁で、幸福や繁栄は手に入らない対岸のもののように感じられる、そんなひとりぼっちの冬の寒い夜。ひょんなことから死にそうな目に遭った私を救ったのは、奇妙で不思議で美しい「彼」…レーイだった。出会いと喪失をいちどきに運んだ不思議な力、老婦人の昔日の想いが込められた手鏡と櫛、天使をも魅了する声を持つ女帝とも称された歌姫、そして「彼」を追う魔術師―私は彼にまつわる不思議な事件に巻き込まれ、そして―?第14回電撃小説大賞“金賞”受賞。「彼」と「私」をめぐる数奇な運命を綴った物語。
――感想――
本作は、第14回電撃小説大賞で金賞を受賞した作品になります。
少し前の作品となりますが、イラストの端麗さに惹かれ衝動買い。
あとで知った事なのですが、当時は随分と評価が良く、こちらが大賞ではないかと噂されるほどだったとか。
読了しての感想ですが、まさしく秀作と呼べる作品だと思います。
一つの物語としては、特別奇抜であったり尖っているものがあるわけではないですが、ラノベとしては、やはり異作という言葉が似合うでしょう。
ラノベではなくどこかの洋書や、あるいは洋画を見ているような印象を受ける。
内容としては「彼」と「私」が出会う数奇な物語が短編集の形で描かれています。
どの話も美しい余韻が残る。
悲しい結末を迎える話もありますが、その全てが愛おしい。
中でも「彼」と「私」の出会いを描いた第1章は逸脱していると思います。
この話が物語全体の一つの基盤となり後々の話に影響していく。
物語が進むにつれ、徐々に「彼」の真実に迫っていき、それにより「彼」と「私」の心が繋がっていく様は、読んでいて思わず情感の籠った溜息が漏れるほど。
「彼」と「私」が出会った全ての人々、遭遇した全ての事件が、彼らの心の橋渡しの役割を担ってくれるのです。
透き通った文章で紡がれた「彼」と「私」の奇妙にして親愛な物語に敬意を表してレビューとしたいと思います。
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