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空色パンデミック2/本田誠

劇場版”文学少女”を観て


劇場版”文学少女”が公開されて四日が経ちました。
少々遅れましたが、作品を観ての感想を書かせてもらおうと思います。
各所で賛否両論の評価が飛び交っていますが、私が観て感じた率直な感想を述べさせてもらいます。

全体を通しての感想は、当初予想していたよりずっと満足のいく出来でした。
原作の透明感をどんな風に映像化するのか、期待と不安が入り混じった面持ちで鑑賞させてもらったのですが、原作の雰囲気を崩すことなく、プラス、制作側のオリジナリティを加えることで文学少女の世界観を表現していました。
さらに、登場人物たちに才能ある魅力的な声優陣が命を吹きこんで、より味のある作品に仕上がっている印象を受けました。

ただ、原作未読者には優しくない内容だったと思います。
内容としては、原作第五巻『”文学少女”と慟哭の巡礼者』にスポットを当てたもの。
それ以前の話が全く紹介されないので芥川くんや琴吹さんの過去が分からず、彼らの物語上での立ち位置がはっきりしません。麻貴先輩なんて何で出てきたのか分かりませんし。一応役割はあったのですが……。
所々の会話で、既読者には何のことを指しているのか理解できる言葉はありましたが、未読者にはさっぱりだろうなぁ、と映画を観ながら考えてました。
まぁ、つまり何が言いたいのかというと、

未読者のみんな、文学少女の原作を読んでくれ!!

ラストのオチは随分原作と変わっていたのですが、これ一作で考えるならこの終わり方もアリだと思いました。
というか、結構好きです。
このラストは、逆に既読者だと不満が残るかもしれませんが、私は何となく未読者の気分で鑑賞したので好印象を受けましたね。

総合すると、出だしでも述べたとおり非常に楽しめる出来だったと思います。
これで終わりなのが辛く感じるほどです。もちろん、短編アニメが付いたDVDは購入しますが。

まだ、観てない方は、もし近くに公開劇場があるならぜひ観ていただけると嬉しいです。
そして、この感動を共有しましょう。


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本田 誠

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「景は私に感染してるだけ? それとも発作を起こしている私に付き合っている役者なの? 景は私のどこが好きなの……? なんで私のことを好きになってくれたの?」
 僕は彼女の好きなところ考えた。わがままでお転婆で、すぐに手が出るし、でもいじらしくて、女の子らしくて。
「僕は感染していません。役者でもありません。あと結衣さんが結衣さんだから好きなんだと思います」
 結衣さんは顔を上げて、僕の目を見た。
「私が私だから……?」
「そうです。結衣さんが結衣さんだから好きなんです」



――あらすじ――
大好評、狂騒と純真の「ボーイ、ミーツ、空想少女」第2巻。
結衣さんが「劇場型」発作を起こしたあの日、僕らはお互いの気持ちを確かめあった。でも、僕は確信を持てずにいた。僕の結衣さんへの好意もまた、彼女の発作によって植えつけられたものかもしれない――。そんなある日、今井心音という同級生が突然声をかけてきた。「あなたに話がある。私の名はブーケ・ザ・ボマー」新手の空想病患者!? もちろん無視しようとした。だが彼女がもたらした、世界改変をめぐる「真実」に僕は驚愕する。そして僕は、再び結衣さんを救うため、戦いへと身を投じることになった――。


――感想――
第11回えんため大賞『優秀賞』受賞作待望の続編、満を持しての登場!!
空想が空想を呼ぶ新たな時代のセカイ系ボーイ・ミーツ・空想少女。

各所で好評を得ていた前作を凌ぐ快心の出来。
セカイ系の本質を訴える渾身の力作。
最初に言っておきます。この本を読了後、私の体は全身鳥肌が立ちました。

相変わらず、清流のせせらぎが聞こえてきそうな爽やかで端麗なイラストが目を引く。
絵師である庭先生のイラストだけでも一見の価値がある。もちろん、作品自体にも一読の価値があり。

結衣さんの『劇場型』発作を見事完結させた景は、結衣さんに抱く自分自身の想いの居場所に悩んでいた。
結衣さんを守り抜きたいという想いは、本当に自分のものなのだろうか。結衣さんの空想の産物ではないのか。
そんな中、景を含めた世界中の人間が「太陽は西から昇り、桜は十月に咲く」と信じ切っている事実が判明して、アレ? と思った最中、物語は一気に加速の一途を辿っていく。
景の前に現れた今井という少女。
彼女は世界の真実を知っていて、彼女によると、今度こそ世界は改変の危機を迎えていたのだ。
その中心に立っているのはもちろん結衣さん。
空想病が発現している結衣さんに余計な刺激を与えないよう、影でこっそりと動こうとする景と今井なのだが、それが逆に結衣さんの不満を買ってしまう。

今回は景を取り巻く人々との恋愛事情に力を入れていたと思う。
青井の彼女である研究員の一人が現れ、青井との関係に亀裂が入る。そして、ついには結衣さんとも……。
事情を話す訳にはいかない景は、結衣さんへの対応に四苦八苦する。
不謹慎ながら、拗ねた結衣さんはすごく可愛かった。
そして、今回もいいところを持っていく森崎。
結衣さんに対する想いに自信を持てなかった景に、森崎が放った言葉は深く心に刻み込まれた。

ラストのオチは賛否両論あるみたいだけど、それまでの過程が逸脱しすぎてこれ以外のラストはあり得ないだろう。
空想病という設定を巧みに利用していると思う。
何が現実で何が空想か分からない。
現実と空想の狭間で感じる興奮は、他のセカイ系作品では味わえない独特の魅力を有している。
前作と同様に、若干展開が早すぎる感はあったものの、それをカバーする構成力がある。
前巻の感想記事で、作者の今後の成長を期待すると書いたけど、これほどの出来になるとは……!
もしかすると、今年一番注目すべき作品なのかもしれない。
これ、アニメ化しそうだな。

最後に、メイド姿の青井ごちそうさまでした。でも私は、結衣さん派です。
次巻にも期待しています。



関連商品
“文学少女”と恋する挿話集3 (ファミ通文庫) (ファミ通文庫 の 2-7-3)
まよチキ! 3 (MF文庫J)
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空色パンデミック2【77】
空色パンデミック2 (ファミ通文庫)(2010/04/30)本田 誠商品詳細を見る ◆基本データ 著者:本田 誠 イラスト:庭 出版:ファミ通文庫 初版:2010/...
Posted at 2010.05.14 (02:44) by サイとはいかが?

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Author:つかボン
前ブログ『BOOKDAYs!』の元管理人。
入間人間先生をこよなく愛し、自らも作家を目指す小説家志望だが、その実態は堕落人生まっしぐらのダメ学生。
しかし落ちるところまで落ちればあとは昇るだけ、それは可能性の獣。

同人誌『Spica-スピカ-』のメンバーとして活動もしています。
コメントなどはお気軽に。
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